小久保は柏レイソルの下部組織出身。2019年1月のベンフィカ移籍もあり有望株として注目を集めていたが、ここまでトップチームの公式戦では出場機会ゼロ。今季はセカンドチームの一員としてポルトガル2部リーグで16試合にスタメン出場していたが、GKアンドレ・ゴメスの台頭により今年2月以降は全試合ベンチ外と序列を下げている。
一方、年代別の日本代表では以前から主力選手として活躍。今年4,5月に行われたU23アジア杯では、韓国戦を除いて全試合でゴールマウスを守り、決勝のウズベキスタン戦では後半アディショナルタイムのPKストップでチームを勝利に導いた。
ポルトガル紙『レコルド』が今月9日に伝えたところによると、かつてベンフィカU23チーム指揮官として小久保の指導に当たっていたジョルジ・マシエル氏は、「もう5年近く前のことで、今はそこまで彼のことを追っていない」と前置きした上で、以下のように同選手に対する印象を語ったという。
「彼は非常に珍しい特徴を持ったGKだ。足元の技術に優れており、ビルドアップに積極的に参加していた。ディフェンスラインを高く設定するチームにとても馴染んでいる。足が速いので、スペースをうまくカバーできるし、とても勇敢だ。トップクラスでなくても、可能性を秘めたGKだった」
「(ベンフィカに来たばかりの時は)難しかった。彼はいつも携帯電話を使って、言葉を訳していたし、日本語しか話せなかった。
現在フランス2部ヴァランシエンヌFCを率いているマシエル氏だが、ベンフィカのセカンドチームで出場機会を失っている小久保の現状を憂慮している模様。「彼にはポジション争いをするための環境が必要だ」と訴えると、「ベンフィカのU23チームやセカンドチームに入った時、彼は自分の使命が何なのか理解していた。トップチーム昇格、レギュラー奪取など、彼は何かを求めて戦わなければならないし、そうしたプレッシャーを感じながらプレーしなければならない。今の環境だとプレッシャーが足りていない」と、移籍の必要性を説いた。