元々自動車メーカーに勤めていた笠原氏。その後デザインの世界に入りこみ、アートディレクターとしてエディトリアルから広告まで数々の仕事をこなすうち、より明確な絵作りを求め、フォトグラファーとしての才能を開花させる。
強くドラマティックでありながらも、被写体の持つしなやかさや繊細さ、柔らかさを同時に表現するフォトグラフィー。そのアートワークは彼自身が体験し、培ってきた経験を生かしながら、日々進化している。
アートディレクター兼フォトグラファーとして2足のワラジを履く彼が、昼夜飽きることなく意の赴くままに撮り続けた旅写真を今このタイミングで発表するのは何故なのか。
「コロナの影響が大きいですね。今まで旅をしたくても“我慢しなくちゃ”っていう葛藤を持つ人がたくさんいたと思うんです。けれどようやく長い長いトンネルから抜け出せそうな空気感になってきたんじゃないかなと。」








「世の中の風潮的に『旅行行くの?!』みたいな、後ろ指刺される風な考えも、まあ否めない。でも『旅をしたい』っていう意欲は捨てなくていいと思うんです。少しでもそんな気分を刺激したかったし、様々な理由で外に出れない方ももちろんいると思うので、今後の楽しみ方の一つとして“癒し”になればと思ったのがきっかけの一つですね。」