ヨッシーこと吉岡進がルアー釣りを中心に色いろな釣り物を狙い、毎回釣りの楽しさを伝えていく当連載「Enjoy Every Fishing(略してE2F)」。
第15回は内房のスーパーライトジギング(以下SLJ)。
5月下旬に釣行したのは内房勝山港の勝山かかり釣りセンター。
和田五郎船長が向かったのは南へ40分ほど走った館山沖の水深 20~65m前後。
この海域で釣れるのはカサゴ類、ハタ類などの根魚、青物、マダイなど。
船長によるとマダイは乗っ込みの時期で大型が期待できるらしい。
館山沖の水深65mのポイントに到着。
ジグを底まで沈めてタダ巻きでマダイを狙おうとするが先にサバが食ってきてジグが底まで届かない。
しばらくしてサバがいなくなるとチャンス到来!
同行の鹿島さんが4.7kgのマダイを釣り上げたの皮切りにマダイラッシュに突入し、ヨッシーも3.5kgを釣り上げる。
その後も次つぎと釣れ上がり、船上は大盛り上がり。
1時間半で中大ダイが船中7枚上がった。
後半は岸寄りの水深20m前後へ移動し根魚を狙う。
ヨッシーはブレード付きのSLJ用ブレードベイト「バンブルズバイトビーンズTG」60gをキャスト。
着底後、タダ巻きして浮かせてからフォールさせると底付近でアカハタがヒット。
同じパターンでキジハタやカサゴも釣り上げた。
文句なしの釣れっぷりで館山沖の豊かな海を満喫したヨッシー。
詳しくはこのあと。
バンブルズジグTGSLJ80gのタダ巻きで3.5kgのマダイをキャッチ
Profile◆よしおか すすむ
1982年生まれ。
ヨッシーの愛称で親しまれている。
一つテンヤマダイ、ライト系オフショアルアーを得意とする。
ジャッカルソルトプロスタッフ、シーガーインストラクター。
様ざまな状況に対応するため3つのタックルを持ち込んだ
「うっそ!?」
「まっじ!?」
「トリプルきちゃう!?」
「そんなことある!?」
もともとハイテンションなE2F取材班の大歓声。
平静を装いつつ、カチコチになってヤリトリしているのは、ライターのタカハシゴーだ。
「バツン!」
大きくしなっていたロッドが跳ね返る。
「ヤバイッ!」
ヨッシーことジャッカル・プロスタッフの吉岡進さんが、ガチで吠えた。
「今、フック1本外れたよ!うおおー、ゴーさん頑張れ」
「頑張れと言われても……」とタカハシゴーは思っていた。
今までに何度かこういう場面に巡り会っている。
そしてたいていは「バツン!」とか「ブツン!」とか「バシャッ!(海面バラシ)」とかいう結末を迎え、「だああ、なんでバラしちゃうのよ~」とヨッシーが天を仰ぐのだ。
しかし、そういった数かずの失敗をへて、タカハシゴーは彼なりの超スローペースながら多少の進化をしていたようだ。
「巻く、巻く。とにかく巻いて、魚に主導権を与えない……」
ドラグ音を響かせてPEラインが引き出されても、どんなに竿をたたかれても、臆せずリールを巻き続ける。
永遠に続いてほしいときも、やがては終わる。
海が桜色と鮮やかなブルーに染まった。
「ザッ!」
和田五郎船長が差し出したネットに収まったのは、3.5kgの美しいメスのマダイだった。
「なぜ、この人に釣られてしまったのでしょうか……」
哀しげに見開かれた瞳が、しっとりと濡れている。
その口元には、ジャッカル・TGビンビンスイッチがあった。
釣りは、こういうことがたまに起こるからやめられない。
だから、めげることなく竿を出し続ける価値がある。
直前にバラしているだけにこの1枚は格別
SLJの釣り方① マダイ狙いはタダ巻き
SLJはワンピッチジャークで底上10mまでを探るのが基本。
底から5mまではスローな誘いで根魚を、宙層は1秒間にハンドル1回転のピッチで青物を狙う。
マダイ狙いならタダ巻きでOK。
なんでも釣って楽しむSLJであからさまなマダイ狙い !?
5月22日、内房は勝山港の勝山かかり釣りセンターに参集したE2F取材班は、和田五郎船長のいつもどおりの、のんびりムードにすっかり癒されていた。
ここでの釣りは「釣れても釣れなくても、どっちでもいいよね~」の筆頭だ。
第三五郎吉丸に乗って内房の海に浮かび、五郎船長の素朴な微笑みを眺めることができれば、それだけで幸せというものだ。
しかし今回は、事前に近ちゃんこと近田・本誌記者からこんな事前情報が寄せられていた。
「アカハタやカサゴがよく釣れているそうです。ほかにマダイやカンパチ、サバも回遊しているとのこと」
バチン!
全員の目が「マダイ」の3文字に惹きつけられた。
今回の釣り物はSLJ、スーパーライトジギングだ。
そしてSLJの魅力は「そのとき、その場所で釣れるものをなんでも釣って楽しむ」ことである。
ハッキリ言って「外道」という概念はない。
釣れてくださったすべての魚に対して感謝とリスペクトを感じる釣りだ。
だが、そこは釣り人の欲深さ。
いくらかの優先順位を付けるのは致し方ない。
そして魚の王様・マダイは、SLJで釣れるとかなりうれしい魚の代表だ。
実際、E2F取材班が釣行する4日前には、4kgのマダイが上がっている。
期待するなというのが無理ってものだ。
6時にユルッと港を離れた第三五郎吉丸は、一路南をめざした。
途中、海鳥が海面スレスレを舞い、ヨッシーも、「雰囲気あるね……」とつぶやいた。
6時45分、館山沖水深65mのポイントで釣りを開始するやいなや、全員が巻きの釣りに取りかかった。
SLJの基本は、着底から3~5mは根魚を狙ってのスローなジャーク、宙層は青物狙いのワンピッチジャークをすることだ。
タダ巻きもSLJのやり方の一つではあるが、今回はもう、あからさまなマダイ狙いである。
しかし、ジグが落ちていかない。
サバの猛攻である。
もちろん、これも楽しいのだが、サバはしつこい。
元気いっぱいの子犬みたいなもので、いつまでもジグに飛びついてくる。
「も、もういいから……」
総員がそう思っていた矢先、トモキこと板倉友基さんが「あ、マダイだ~!」と叫んだ。
欲望むき出しでタイラバで挑んでいた彼に、小ぶりながらキレイなマダイが掛かった。
幸先がいい。
取材班の巻きに、ますます力がこもった。
サバのダブル!フロントとリアフックに掛かって上がってきた
SLJの釣り方② 根魚狙いはリフト&フォール
バイトビーンズTGで根魚を狙うときはアンダーハンドキャストで広く探る。
ルアーが着底したらタダ巻きしてリフトさせたら巻くのをやめてカーブフォールで再着底させる。
これを船下まで繰り返す。
大ダイを釣り上げたがこれはまだ序章に過ぎない
続けざまにヨッシーがアオハタを釣った。
ジャッカル・バンブルズジグTG SLJでの釣果である。
「正直、マダイ狙いのタダ巻きをしてたんだ(笑)。ズドンと動かなくなって、『おや?』と思ったら生体反応があったので、合わせて獲ったって感じ」
何かが起きそうな予感が、どんどん高まっていく。
のどかな内房の情景と、「はい、移動しま~すよお~」と五郎船長ののんびりとした口調とは裏腹に、緊張感が増す。
7時、イチロウこと鹿島一郎さんが、楽しそうにヤリトリをしてジャッカル・ビンビンメタルTGでイラを釣る。
爆発が始まったのは、その25分後、7時25分のことだった。
ジャッカル・フラッグトラップを使っていたイチロウに圧巻のビッグヒット。
「これは……マダイっぽい!」とイチロウが叫ぶ。
だがこの男、ヒット直後に「○○っぽい!」と叫ぶと、だいたい「○○」以外の魚を釣り上げるのだ。
「ホントかぁ?」
「ホントにマダイかぁ?」
半信半疑ながら、カンカンッと竿をたたくその引きは、まさにマダイのものだ。
ヨッシーも「これはホントに大ダイだ!」と確信の雄叫びをあげた。
アグレッシブな釣りが身上のイチロウの割には、慎重に、大事にヤリトリしている。
「着底してから2、3巻きしたところで、ズドンときたんですよ。マダイ……だと思います、ハイ」とイチロウ。
「カンカンッ」から「ゴンゴンッ」と、ものすごい引きだ。
じっくりと時間をかける。終わらないでほしい、5分弱。
ボコン!
海面が割れた。
巨大な魚がユラリと揺れている。
美しくもダイナミックな光景に、「……!」「……!!」と、声をのむような、E2F取材班ではなかった。
「イケ!」
「獲れ!」
「バラすなよ、バラすなよ!!」
「頑張れ!」
……うるさいのである。
五郎船長のネットに収まったのは、見事としか言いようがない4.7kgのマダイだった。
「うおおおぉぉ!」
「やった!」
「すっげぇ!」
もはやだれが釣ったのか分からない、喜びの入り乱れ。
10年かけて自己記録を更新したイチロウはもちろんのこと、それ以上に周りのみんなが盛り上がっている。
しかし、まだ序章だった。
底から5m上までていねいに探って釣り上げた良型のアオ ハタ
ヨッシーのロッドも曲がりこれまでにない大釣りとなる
イチロウの大ダイの興奮がまったく醒めやらぬ10分後、ヨッシーが「食った!」と叫んだ。
「これは間違いなく大ダイだよ!」と笑顔が炸裂する。
「ウソでしょ!?」
「そんなことってある!?」
ヨッシーが使っていたのは、先ほどまでと変わらずバンブルズジグTG SLJだった。
「タダ巻きしてたんだよ」とヤリトリしながらヨッシー。
やはりイチロウの大ダイを見て、マダイ狙いを崩さなかった。
それが功を奏した。
「ジグの重さがフッと軽くなったんだ。食い上げるような形になったんだと思う。そのまま巻いていたら重みが乗ったので、合わせた」
この面々で船釣りをするようになって、何年たったことだろう。
現在の「Enjoy Every Fishing(略してE2F)」というコーナータイトルになったより前からカウントすると、ざっと5年ほど過ぎている。
基本的に、船に乗って竿を出しているだけで楽しい気分になってしまう連中だ。
船の上では、釣り以外のくだらないトークで常に盛り上がり、釣果そっちのけでゲラゲラと笑い合う。
だが、当然我われは魚を釣るために船に乗っている。
入念な事前準備も含めて、ガチだ。
しかもヨッシーには「必ずやターゲットを釣り、写真に収めなければならない」という、プロとしてのプレッシャーもある。
ただ、釣れなければ楽しくないかと言えば、そんなことはない。
相当なツライ目も、笑い話にして吹き飛ばせる。
それに、釣れないときほど、「次、頑張ろうぜ~!」とテンションが高まる。
そう簡単には方程式どおりにいかないところが釣りのだいご味だ、という共通認識を持っているのだ。
つまり、現在の「Enjoy Every Fishing」というコーナータイトルどおり、船に乗って竿を出せれば、釣り物がなんであれ、釣果がどうであれ、とにかく楽しいのである。
マダイラッシュに沸く船内 中大ダイ交じりで全員安打達成
だがしかし、そうは言ってもやはり釣れるならそれに越したことはない。
イチロウが大ダイを釣り、そのわずか10分後にヨッシーが大ダイを掛ける。
取材班としては初のド級の大釣りである。
ヨッシーが釣ったのは、3.5kgだった。
イチロウの4.7kgと遜色のないたくましさのオス。
乗っ込みらしく黒ぐろとした巨躯を並べると、「こんなこともあるのかよ……」と感慨深いものがあった。
「釣りって、やっぱ、たまんねぇな!」
全員の総意だった。
しかししかし、これで終わりではなかった。
この日の内房の海を泳ぐマダイの爆発力には、凄まじいものがあった。
なんとタカハシゴーにまで大ダイが掛かったのだ。
それが、冒頭のシーンである。
マダイラッシュは、イチロウ4.7kg、ヨッシー3.5kg、タカハシゴー3.5kgのトリプル大ダイ、さらにトモキが2.4kgの中ダイを加え、大団円となった。
マダイのポイントを離れ、根魚狙いのポイントに移れば、ヨッシーがキジハタを釣り、アカハタ、カサゴが乱れ咲き、しまいにはおじさんのタカハシゴーがオジサン(オキナヒメジ)を釣り笑いを取った。
「こういう日が訪れるのが、釣りってもんだよ」とヨッシーが言った。
「今日に限って言えば、『こうだから釣れた』というやり方はなかったかな。だって、永遠の初心者・ゴーさんでさえ、大ダイを釣っちゃうんだから(笑)。いい場所に、いいタイミングで船を流してくれた五郎船長のおかげ。ま、ひとことで言えば、楽しかったね!」
こんな釣りをできる日が、またいつやってくるのかは分からない。
だが、必ずしも潮まかせ、風まかせ、魚まかせだけとも言い切れない。
なんとかいい釣りをしてほしいと願う船長と、楽しみながらも真剣に釣りに臨む釣り人がそろったときに、初めて奇跡は起こる。
人の思いと自然の営みがガッチリと噛み合った5月22日の館山沖は、ひときわ輝いていた。
この1枚でマダイは全員安打達成
タダ巻きのあとフォールさせ、底付近でバイトしてきたアカハタ
水深25m前後の根周りで釣り上げたキジハタ
#Enjoy Every Fishing Tackle guide
SLJタックル
しっかりと曲げてファイトを楽しみたいなら専用ロッドがおすすめ。
扱いやすく、ジグのコントロールもしやすい。
ヨッシーは軽いジグを使うときはスピニング、重めのジグならベイトタックル。
引き抵抗の大きいブレードジグにはパワーのある「BBXS-S66-SLJ+PS」と使い分けている。
ヨッシーのメモリアルショット
今回、ヨッシーが着用していたのは、ジャッカル初のレインウエア「RFジャケットセットアップ」。
透湿防水素材のレインウエア(上下セット)で蒸れにくく着心地は快適。
ワンタッチで袖がフィットするクイックアジャスター構造を採用し、袖口からの浸水を軽減してくれる。
船宿インフォメーション
内房勝山港 勝山かかり釣りセンター
0470・55・2675
カカリのクロダイ釣りで有名な内房勝山港の勝山かかり釣りセンター。
同宿では釣るのも大好きな和田五郎船長が小型船で沖釣りを案内してくれる。
目下はSLJ やマダイ狙いのタイラバ&一つテンヤ、秋~初夏にかけてはアオリイカ狙いのティップランエギングで出船している。
今回はマダイや青物、根魚を狙って館山沖の浅場から深場まで様ざまなポイントでSLJ を楽しんだ。
▼備考=予約乗合。5時半集合、6時出船。カカリ釣りのクロダイも
釣り船予約サイト「釣割」のスタッフがオススメする釣り船はこちら!
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隔週刊つり情報(2024年7月1号)※無断複製・転載禁止



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