レビュー

本を読みたいけど読む時間がない、読んでもすぐに役に立つわけではない――そう感じているビジネスパーソンは少なくないだろう。本書は、読書が自分の人生を変えてくれたと感じている著者が、読者にも同じ体験をしてもらうことを願って書かれた、「10分読書」のすすめだ。


著者である吉田裕子氏は、地方の学校出身であったが、本を読むうちに東京に憧れ、本で培った能力をもってして独学で東京大学に現役合格した人物だ。しかも彼女は受験のみならず、その後の人生でも本に助けられてきたのだという。就職活動前には起業も視野に入れてビジネス書を読みあさり、学習塾に就職した後は教えることを究めたいとテキストや専門書を読み解きながら通信制大学で教員免許をとった。さらに現在では、執筆活動にも携わっている。そうした経験を通して著者が伝えたいことはひとつ。「本を読むと、可能性を広げることができる」ということだ。

そうはいっても時間がない、何を読めばいいかわからないという方のために、著者は「10分読書」と題して、自由時間のうち10分間を読書にあててみようと提案している。たった10分と思うかもしれないが、積み重なれば大きな差を生むものだ。10分を継続していくうちに、もっと深く読書ができるようになるかもしれない。それは必ずやあなたの糧になり、未来を変える力を持つこともあるだろう。そんな可能性を感じさせてくれる本書を読みながら、読書計画を立ててみてはいかがだろうか。

本書の要点

・読書は時間・お金のどちらの面から見ても極めてコストパフォーマンスの良い自己投資だ。

その恩恵を受けるため、まずは1日10分の読書を取り入れてみよう。
・読書を通して、「語彙力」「客観力」「想像力」が鍛えられる。すぐには効果を実感できずとも、じわじわと必ず効いてくるものだ。
・エモーショナルとロジカルを横軸に、フローとストックを縦軸にマトリックスを描くと、読書を4種類に分類することができる。このマトリックスを活用して選書をし、さらなる読書の質向上を目指そう。



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