レビュー
「Spotify(スポティファイ)」をご存知だろうか。数ある音楽ストリーミングサービスのなかでも、破竹の勢いで成長している企業だ。
スポティファイの創業者ダニエル・エクは、5歳にしてパソコンを使い始め、11歳のころには周りの大人に「ビル・ゲイツよりもビッグになる」と言っていたという。彼がもっとも影響を受けたのはファイル交換ソフト「ナップスター」だ。
じつはスウェーデンには、ナップスターと同様の機能を持つ「カザー」というソフトを開発した、伝説的な起業家が存在する。ニクラス・センストロームというその人物は、カザーと同様にP2P技術を用いてインターネット通話サービス「スカイプ」を開発し、世界中に普及させた人物でもある。ダニエルがP2P技術を用いてスポティファイを開発し、世界的な成功を収めることができたのは、そのような自国の得意な技術を最大限に活用したこと、そしてIT起業家を育てる支援者たちの存在があったからだ。
スウェーデンという小国発のサービスがITの巨人たちに打ち勝っていく物語は、読んでいて単純にワクワクするだけでなく、自分の強みにフォーカスすることの重要さを教えてくれる。いま大きなビジョンを胸に抱いているビジネスパーソンや、「小よく大を制する」手法を学びたい方は、本書の1行1行を噛み締めてみてはいかがだろうか。
本書の要点
・スポティファイは音楽を「一瞬で、簡単に、無料で届ける」という触れこみで、多くのユーザーを獲得した。しかしスティーブ・ジョブズの目が光る米国市場への参入には時間を要した。
・米国市場への参入を果たした後も、IT業界の巨人たちが次々に対抗サービスをぶつけてきたり、買収を図ったりしてきた。
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