レビュー

今、小売業者はターニングポイントを迎えている。新型コロナウイルス感染症の拡大により、リアル店舗を持つ多くのブランドが倒産している。

生き残ったブランドもポストコロナ時代の生き抜き方を模索している状態だ。
一方でコロナ禍で急成長を遂げた小売業者もある。アマゾンやアリババなどのオンラインに主軸をおいた企業だ。実際に要約者自身も、コロナ禍においてリアル店舗での買い物が激減し、オンラインでの買い物が格段に増えている。
本書の著者のダグ・スティーブン氏は、多くの小売業者にとって逆境ともいえる状況を生き抜くブランドになるための「10のリテールタイプ」を提案している。
オンラインショッピングは便利だが、すべてをそれに頼っているわけではない。
「これは絶対にリアル店舗で手に入れたい」と思うものがある。それは、必要としているものが商品だけとは限らないからだ。そんな消費者が求めるもののひとつの形が「リテールタイプ」である。
消費者の立場から読んでも、本書で紹介されているブランドはどれも非常に魅力的だ。オンラインでの買物の便利さを通り越して「その店に行きたい」という思いが生まれてくる。
コロナ禍に悩む小売業者はもちろん、ここで展開されている考え方は、さまざまなビジネスのヒントになるだろう。
ポストコロナ時代を迎えるには、準備が必要になる。新時代を生き抜くためにも、おすすめの一冊だ。

本書の要点

・新型コロナウイルスを起爆剤として、生活や仕事、教育、娯楽、そして買い物のあり方が変わろうとしている。生き残るためには、パンデミックに耐える不屈の精神と世の中を見極める先見性が必要だ。
・コロナ禍で急成長したアマゾン、アリババ、京東商城(JDドットコム)、ウォルマートは、顧客が基本的なニーズの大部分を頼る生活システムを築くことを目指している。
・パンデミック後の時代に生き残りをかけるブランドにとって、顧客が迷うことなくあなたのブランド名を挙げてくれるためには、顧客の問いにどう答えられるかを見極めなくてはならない。

そのヒントが10のリテールタイプだ。



フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に2,100タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。