参院選大敗後、先手必勝で「続投」を宣言した石破首相(自民党総裁)だったが、自民党内の反発はむしろ広がってきた。くすぶる「石破おろし」は大きなうねりに発展するのか。

来週7月31日に予定される「両院議員懇談会」までのカウントダウンが始まった。


■地方組織から怒りの反乱が続々


 参院選で与党過半数割れを喫した石破首相に対しては、地方組織から怒りが次々噴出してきた。


 21日、緊急役員会で石破首相の早期退陣を党本部に申し入れることを決めた高知県連に続き、22日は栃木県連が首相と森山幹事長への退任要請を決定。茨城県連も首相退陣を党本部に申し入れると決めた。愛媛県連は「現体制の刷新を強く求めたい」とする幹事長声明を発表。山梨県連の青年部・青年局は首相ら執行部の刷新を要求する文書を党本部に送った。三重県連と神奈川県連も執行部の責任を求めることで調整している。


 一方、国会議員らは会合やXへの投稿などで辞任論に言及。「党員に信を問うべきだ。総裁選をすべきではないか」(佐々木紀衆院議員=石川2区)、「選挙の審判を軽視している。早期に判断いただきたい」(鈴木英敬衆院議員=三重4区)などと訴えている。


 旧茂木派の中堅・若手からは、党大会に次ぐ意思決定機関である「両院議員総会」の開催を求める署名集めの動きも出てきた。

執行部が31日に予定する「両院議員懇談会」は議決権がなく、「ガス抜き」が目的なのは明らかで、「総会」に格上げすべし、ということだ。他にも党則の「リコール規定」で総裁選の前倒しを求める署名の動き、衆参両院で少数なのだから「下野すべきだ」との論も出てきた。そこかしこから“反乱”勃発なのである。


「栃木県連の会長は茂木前幹事長。署名の動きも旧茂木派だから、茂木さん自身の『ポスト石破』を睨んだものでしょう。ポスト石破では、林官房長官の名前も挙がっていて、21日夜に前回の総裁選で支援を受けた議員らと会合を開いている。『林さんも動くのか』と噂されていますが、さすがに政権の女房役が率先して『おろし』をやるわけにはいかないでしょう」(永田町関係者)



「相互関税15%に引き下げ」がどう影響するか

 今後のポイントは、支持率とトランプ関税の交渉の行方だ。参院選後の21、22日に実施された共同通信や読売新聞の世論調査で、石破内閣の支持率はともに22%に急落。6月調査から10ポイント前後の大幅下落だった。


「退陣要求に拍車がかかるのは間違いない。関税交渉は土壇場で15%の合意となったが、これを世論がどう評価するのか。交渉が終わったんだからと、退陣論が31日までにピークに達する可能性もある。

もっとも『次』に誰を立てるのか。まだ見通せません」(前出の永田町関係者)


 さて石破首相は、このまま首相のイスにしがみついていられるのか。


  ◇  ◇  ◇


 石破首相の「続投宣言」に、X(旧ツイッター)では、《石ちゃんは総理をやめへんで~!》といった、《総理》《やめへんで~》というフレーズが続出。●【関連記事】『しがみつく石破茂首相に「石ちゃんは辞めへんでー!」のイジり 潔くない態度で「ガキの使い内閣」へ転落必至』で詳報している。


編集部おすすめ