参院選で躍進した国民民主党。玉木雄一郎代表は有頂天だが、炎上中の問題がある。

千葉選挙区で当選した小林さやか氏を支援していた岡野純子衆院議員が、小林氏とは無関係の比例候補に交付された街宣用の「標旗」を流用していた選挙違反疑惑だ。


 玉木代表は22日の会見で、岡野氏と県連幹事長を厳重注意処分としたと明かしたが、どう見ても大甘だ。標旗とは、候補者が街頭演説をする際に必須の選挙の「七つ道具」のひとつ。選挙区で出馬した小林陣営には1枚しか交付されないが、岡野氏が比例候補に6枚交付される標旗の1枚を流用し、事実上の“2馬力選挙”になっていた。公職選挙法違反の疑いが濃厚なのだ。


「岡野さんは21日、SNSで謝罪文を公表。標旗の流用は『錯誤』としましたが『私が正しく公選法を理解していれば防ぐことができた』とも書いており、半ば違法と認めた。『処分が甘すぎる』という声が上がっています」(地元関係者)


 ポイントは、どんなプロセスで流用に至ったかという点だ。そもそも、選挙区と比例の標旗は形状も記載内容も全く違う。錯誤など考え難く、故意と疑われても仕方ない。


 日刊ゲンダイ記者は22日の会見で玉木代表に「どういう経緯で錯誤したのか」と質問したが「選挙区の標旗だと思ったら、比例の標旗だったということ」と要領を得ない。さらに「誰が間違いを犯したのか」と聞いたが、「把握していない」と回答。

調査不足を露呈した。


■会見中にスマホをいじり、気のない返事


 さらに、日刊ゲンダイがキャッチした新疑惑についても聞いた。岡野氏は選挙期間中、SNSに「錯誤の疑いを党内から指摘され、直ちに(標旗の)使用を取りやめるとともに、SNSからも削除をした」と投稿。確かに岡野氏は12日、不正な標旗を掲げる写真をSNSに上げたが、同日中に削除している。しかし日刊ゲンダイの調べで、陣営は13、14、16日にも同標旗を使っていたことが分かった。つまり、問題把握後も使い続けていた可能性があるわけだ。「錯誤」ではなく「故意」ではないか。


 その点を聞くと、玉木代表は急にスマホをいじり出し「えーとですね……、全体像を必ずしも把握してなくて、ちょっと確認します」と回答。その後、フリーの記者に「(標旗を)間違えるはずがないですよ!」と厳しく指摘されたが、スマホを手にしたまま「はいー」と気のない返事。真剣に調べる気があるのか。


「玉木さんは岡野さんに厳しい処分を下せないのだと思います。彼女は党の支持母体・電力総連の組織内候補ですから。

岡野さんにはパワハラ問題もありますが、やはり実態調査が進んでいない。事を荒立てずにウヤムヤにする気でしょう」(国民民主関係者)


「対決より解決」の看板は下げた方がいい。


  ◇  ◇  ◇


 日刊ゲンダイが報じた国民民主党の選挙違反疑惑については、関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。


編集部おすすめ