地方の県連を中心に噴出した「石破やめろ」の大合唱。では、誰が「ポスト石破」の有力候補なのか。
岸田前首相のお膝元・広島県連の中本会長代理は「岸田前総理の再登板も最有力の選択」と、地元テレビ局の取材に答え、政治評論家の田崎史郎氏も、テレビ番組で「再登板に意欲をずっと持たれてるんですね」と指摘している。
■本人は意欲満々
実際、念願だった再登板の可能性が出てきたからか、参院選後、岸田前首相はゴキゲンだそうだ。少なくとも、次期首相選びのキーマンになるのは間違いない。
「いま、最強のキングメーカーが岸田さんなのは確かです。石破政権を誕生させたのも岸田さんでした。強みは、結束力のある旧岸田派約40人を束ねていることです。絶頂期100人の勢力を誇った旧安倍派は約50人に半減したうえ、まとまりがない。総理経験者の菅さんも影が薄い。麻生さんも、84歳と高齢のためか、かつての勢いはなく、しかも派内の総裁候補が河野太郎だから、キングメーカーとしては弱い。党内は事実上“岸田1強”状態です」(自民党事情通)
「岸田再登板」が取り沙汰されるのは、党内に衆目が一致する「総理候補」がいないためだ。
小泉進次郎農相や高市早苗前経済安保相、林芳正官房長官などの名前が挙がっているが、全員「帯に短し、襷に長し」という党内評価だ。
「岸田さんは、高市早苗と林芳正だけは絶対に総理総裁にしたくない。高市さんとはケミストリーが合わない。前回の総裁選も“高市だけはダメだ”というスタンスでした。林さんは、旧岸田派のメンバーですが、もし林さんが総理になると、旧岸田派(宏池会)は、そのまま林派に衣替えしてしまい、岸田さんは一丁上がりにされかねない。高市、林の2人が総理になるくらいだったら、もう一度、自分がやった方がいいと思っているのでしょう」(政界事情通)
しかし、総理時代、支持率が低迷して退陣に追い込まれた岸田前首相が、キングメーカーとして幅をきかせ、「再登板説」まで浮上するとは、自民党も末期的だ。
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石破首相は23日、改めて続投を表明。8月の参院選総括後に退陣するとの見方も出ているが、続投への“追い風”が吹いている。●関連記事【もっと読む】『自民党を待ち受ける大混乱…石破首相は“針のムシロ”のはずが、SNSでは〈#やめるな〉が急拡大』で詳報している。