「記者排除」が波紋を呼んでいる。参政党が22日、神谷宗幣代表らが出席した国会内での定例会見で、神奈川新聞記者の参加を認めなかった。


 23日付の神奈川新聞によると、同紙記者が受付で名刺を渡して着席すると、スタッフから「事前登録をしていないと駄目」と一方的に退席を求められたという。この記者は参院選期間中に神奈川選挙区の参政党候補を批判する記事を書いていた。申請の有無を確認されずに参加した記者が他にいることを伝えたが、スタッフは「決まりがある」と言い張り、最後は「警備を呼んだ。出ていって」と恫喝し、記者を締め出した。


 日刊ゲンダイにも届いた会見の開催案内には、「事前登録が必要」とはどこにも記されていない。


 参政党は24日公式HPを更新。「当該記者が参議院選挙期間中、参政党の街頭演説で誹謗中傷などの妨害行為に関与していた」と主張し、「混乱が生じるおそれがあると判断」したと説明した。「事前登録」を持ち出したのは、批判記者を排除するための口実だったのか。


■「知る権利」をないがしろ


 参政党は参院選期間中もメディアを排除してきた。大手紙記者が参政党のさや(東京選挙区)の個人演説会を訪れても、「事前申請」が必要とのことで取材を拒否されたという。


 一連の取材対応の理由について、日刊ゲンダイ記者が参政党に問い合わせたところ、担当者にメールで質問事項を提出するよう求められた。記者が「質問の回答をもらえるのか」と確認すると、担当者は「答えるとも答えないとも言っていない」と言い放った。

結局、質問事項をメールしても、期限までに回答はなかった。


 フリージャーナリストの横田一氏は「私も参院選の取材で参政党から排除された」とこう話す。


「17日に大阪や京都の街頭演説会場で神谷代表の囲み取材に入ろうとすると、党スタッフに制止され、取材が認められませんでした。それまでは街頭演説会場で神谷代表に取材できていたので、理由を聞くと『事前登録が必要』『本部からの指示』とのこと。党から取材対応の案内メールが来ていたが、事前登録の説明はなかった。都合の悪い質問をする記者を排除していると捉えられても仕方ないでしょう」


 神奈川新聞は23日、参政党に「知る権利をないがしろにする行為で到底容認できない」とする抗議文を提出した。9億1400万円もの政党交付金を受け取る「公党」の批判記者排除は許されない。国民の選別にもつながる暴挙だ。


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 参院選で躍進した参政党が連日、軌道修正を迫られている。要するにデタラメのゴマカシだ。関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。


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