参院選の大敗を受け、自民党内から石破首相の退陣を求める声が続々と上がっている。
都議会自民は24日、石破首相に対し「党の大胆な刷新に向けた速やかな決断を強く要請する」との文書を提出したと明かし、奈良県連も「役員各位の英断で党の刷新を図ってほしい」とする意見書を森山裕幹事長に送付した。
永田町では、党大会に次ぐ意思決定機関である「両院議員総会」の開催を求める動きが広がっている。もともと、旧茂木派の中堅・若手が早期開催を求める署名集めを行っていたが、この流れに旧安倍派と旧二階派も合流。麻生派も加わっている。党則では党所属国会議員の3分の1以上の要求があった場合、7日以内に総会を招集すべきと定められていて、議員らは必要な署名が集まり次第、執行部に提出する方針だ。
有力議員も蠢き始めている。筆頭格は、高市早苗前経済安保相だ。きのう午後、旧安倍派幹部だった西村康稔元経産相の議員会館内の事務所を訪ね、約30分会談。党内情勢を巡って意見交換したという。
「高市さんはヤル気満々になっています。23日昼、議員宿舎で前回総裁選で支援を受けた議員約10人と会合を開いた。同日夕には、麻生太郎最高顧問とも面会しています。18日には、参院選中にもかかわらず、『私なりに腹をくくった』と早々に総裁選への意欲を語ったほどです」(官邸事情通)
2人の名前が浮上する“特殊事情”
もともと、党内右派の人気が高い高市氏。
「『参政党対策』ですよ。参院選では、古くからの自民支持層が参政党に流れた。高市さんが顔になれば、そうした支持層を取り戻せると踏んでいるようです」(前出の官邸事情通)
もう一人、「ポスト石破」に浮上しているのが茂木敏充前幹事長だ。こちらは、党勢好調の国民民主党対策とみられている。
「茂木さんは国民民主の玉木代表と良好な関係を築いています。岸田政権時の2022年、ガソリン税を一時的に引き下げる『トリガー条項』の凍結解除に総理が言及したことを受け、国民民主は予算案に賛成。当時の協議で、玉木さんと直接向き合ったのが幹事長だった茂木さんです。今年2月には双方のユーチューブ番組にコラボ出演。玉木さんは『党派を超えて非常に尊敬できる政治家のひとり』と持ち上げていました。衆参ともに少数与党下で、今後は国民民主との連立枠拡大も視野に入ってくる。茂木さんは自信家だけに、『うまく回せるのはオレだけ』と思っていても不思議ではない」(自民関係者)
しかし、タカ派の高市氏やパワハラ気質の茂木氏に国のかじ取りを任せられるわけがない。
「中堅・若手は署名集めに奔走し、有力議員は政局を展開していますが、そんなことをやっていたら『また内輪揉めか』と国民に見放されますよ。特に、今年は戦後80年の重要な節目。政争にかまけるなんて、あまりに不謹慎でしょう。もっと落ち着くべきです」
いつまで経っても自民の体質は変わらない。
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2人の名前があがる一方で、メガネの前総理も再登板にヤル気満々なんだとか…関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。