夏ドラマもそろそろ後半戦へ。やはりTBS系の日曜劇場ブランドは強く、今期も松本潤(41)主演「19番目のカルテ」が8月17日放送の第5話で視聴率2ケタを割ったが、トップを独走している。
「視聴習慣の日曜劇場、若年層受けの“占拠シリーズ”以外のドラマは、視聴率、TVer登録数、レビューサービスFilmarksでの評価にそれほど大きな差はないようです。ただ、個々に熱烈に支持する人がいて、極端に数字を落としているものがないのは救いかも」(テレビ誌ライター)
そんな中、初回視聴率4.7%(関東地区=ビデオリサーチ調べ)から第3話で4.1%まで下降、その他の指標でも上位に食い込めていないながらも、じわじわと評価を上げてきたのが木村文乃(37)主演のフジテレビ系木曜劇場「愛の、がっこう。」だ。
木村扮する真面目すぎる高校教師と、ラウール(22=Snow Man)扮する読み書きが苦手なホストによる、《すれ違うことすらないはずの男女が織りなす禁断なのに純愛な“愛”の物語》(公式サイトから)。
初回のラストに改正風営法を反映した注意喚起のテロップが流れて話題になったが、ドラマ自体の評価はパッとせず。《ラウールのホストが、ビジュ完璧》《ラウールの演技がうまい》などファンと思われるコメント以外は、《純愛を描くのにホストである必要がわからない》《ご都合主義な展開だし、いろいろ古い》など酷評が目立っていた。
ただ、7月31日の第3話放送以降は、《ツッコミどころはあるけど、なかなか面白くなってきた》《不意打ちで泣かされた。もうネタドラマなんて言えない》などと見直す声も増えてきた。実際、8月14日放送の第6話は4.2%と、少し持ち直している。
テレビコラムニストの亀井徳明氏も「確かに第3話からグッと面白くなってきましたよね」と、こう続ける。
「酒向芳さんのド昭和な父、田中みな実さんのテレビ局員でバリキャリな親友など、ステレオタイプなキャラの組み合わせと、どこか1990年代の野島伸司ドラマを思わせるような音楽の入れ方や全体のトーン。でも、メインの2人以外のキャラもちゃんと意味を持って動き出した感があるのが第3話でした。
見る人によっては一見古臭く感じても、クセになる空気感があるということか。
「ラウールさんのホスト役を見て、2000年代前半の『SMAP×SMAP』で木村拓哉さんがやっていた“No.1ホスト・ヒカル”を思い出したのは僕だけじゃないはず。それで言っちゃうと、この話、フジドラマ絶頂期の30年前に“キムタク+W浅野のどちらか”でやっていたら、視聴率30%を超えていたかもって思っちゃうんですよね」(前出の亀井徳明氏)
第6話は《神回》ともっぱら、全編45分中42分が木村とラウール2人だけのシーンで、タイトルの句読点も回収され、「2人の演技力、井上由美子さんの脚本の凄みを感じました」(前出のテレビ誌ライター)。視聴率だけ見れば“低迷”に括られてしまうかもしれないが、巻き返しもある?
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このドラマ、始まる前からいろいろゴタゴタがあった。関連記事【もっと読む】木村文乃“ホストドラマ”放送直前に改正風営法施行のトバッチリ…テレ朝の期待のシリーズも終了…では、ドラマ放送開始直前に法改正という間の悪い展開をはじめとするゴタゴタにについて伝えている。