あの勢いはどこへ消えたのか。自民党総裁選の前倒し実施の是非を巡り、朝日新聞が党所属国会議員に実施した調査が話題だ。

実に約8割の225人が態度を明かさず、回答を寄せた70人のうち前倒しを「実施すべき」は40人。この中で実名掲載「可」は19人しかいないとは情けない。


 前倒しを求めた40人の現旧派閥の内訳は、麻生派と旧二階派がそれぞれ8人でトップ。次に旧茂木派7人、旧安倍派5人と続く。参院選に大敗し、石破首相の責任を追及すべく両院議員総会の開催を求める署名集めを主導したのは、旧茂木派と旧安倍派の中堅・若手だ。


「石破おろしの中核を担った彼らにしても、多くは事実上のリコールにあたる総裁選前倒しを表立って要求するのが、はばかられたのでしょう」(自民党関係者)


 調査結果からは「石破はやめなくていい」が過半数を占める世論に気兼ねする党内ムードがヒシヒシと伝わる。とりわけ、裏金事件の震源地である旧安倍派は慎重で、実名掲載に応じ前倒し実施を訴えたのは、高木啓衆院議員、山田宏参院議員、西田昌司参院議員の3人のみ。残る2人は実名NGだ。あれ? 幹部だった面々まで態度保留とは、「これいかに」だ。


■「裏金議員がよく言うよ」の世論に…


 参院選直後の先月23日、「5人衆」と称された旧安倍派幹部の世耕弘成衆院議員、萩生田光一元政調会長、松野博一前官房長官、西村康稔元経産相が都内で会食。数日後にテレビ出演した世耕氏は会食の際、石破の続投表明に対し「選挙結果を見れば交代しなければいけない」との認識で一致したと明かし、「(自身を含む4人の)豊富な経験を次の政権で生かしてもらえれば政治の安定に寄与できる」と堂々と倒閣を宣言してみせた。


 裏金事件で党を追われた世耕氏の言いたい放題に「他の幹部は困惑しきりだった」(自民党議員)というが、実力者の動向を見定めたい議員もいる中、萩生田氏も松野氏も西村氏も「裏金議員がよく言うよ」の声にひるみ、沈黙しているのか。

堂々と石破首相にリコールを突きつけられないのなら、先月末に「スリーアウトチェンジ」と退陣を求めた茂木前幹事長ともども腰砕けのそしりは免れない。


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