大荒れとなるか。


 自民党は2日、参院選の敗因を分析する総括委員会を開催。

報告書をまとめた後、両院議員総会に諮る予定だ。石破首相個人の責任を明記しない内容になる見込みだけに、反石破派から異論が続出する可能性大。以後は、総裁選挙管理委員会が事実上の「退陣要求」となる総裁選前倒しについて、国会議員と都道府県連への意思確認を開始する。


「総裁選挙管理委は8日にも前倒しの是非を判断します。前倒しには議員295人と47都道府県連の代表者の計342人のうち、過半数の172人の賛同が必要。メディアの調査だと、まだ大半が態度未定で、今後、賛成派と反対派による多数派工作が激化するでしょう。党内は真っ二つになってもおかしくない」(官邸事情通)


 早速、分断の兆しが見えているのが“裏金集団”の旧安倍派だ。「5人衆」と呼ばれた元幹部が「石破おろし」で蠢く中、同派に所属していた稲田朋美元防衛相が“古巣批判”を展開。先月31日のBS番組で「裏金問題の当事者が石破さんの責任論を言っている。党の外から見ると『あなたたちにそういう資格があるのか』という意見が結構あると思う。責任を誰も取らず、その人たちが石破おろしをしているっていうふうに国民が見て『これ、何なんだ』というのは、私はその通りだと思う」とディスったのだ。


「稲田さんの発言に、元幹部は激怒している。

彼らは悪者にされることを極端に嫌がっているからです。ある元幹部は『世間は“旧安倍派が悪い”と受け止めているようだが、トンデモナイ。どう考えても責任は石破にある。石破を擁護し、我々を落とすマスコミもおかしい』と言っていたほどですから」(自民党関係者)



「踏み絵」を迫るのはケンカを売るも同然

 閣内も割れている。現職の副大臣・政務官が公然と「退陣要求」していることに、岩屋外相は「政府で仕事している以上は、石破首相に与えられた任務・使命を果たしていくことが責任。そうでない判断をするなら、しかるべき行動がなされて当然」と発言。“辞任してから言え”と突きつけた。ところが、小泉農相は「思いを表明するのは議員としてあるべき姿のひとつだ」と擁護。食い違っている。


 総裁選管が前倒しに賛成する議員にのみ書面の提出を求めたことも、党内で深い亀裂を生んでいる。前倒しに賛成の反石破派の議員は言う。


「我々に『踏み絵』を迫るようなルールは、ケンカを売っているも同然ですよ。

こっちがひるむと思ったのでしょうが、逆効果だ。『だったら堂々とNOを突きつけてやる』と息巻く議員が増えていますから」


 一方、石破擁護派の議員はこう言う。


「退陣を迫るわけですから、記名で意思を示すのは当然。ワーワー騒いでいるヤツは議員失格ですよ。まあ、どこまで突っ張り切れるか見ものですね。腰砕けになる連中も出てくるでしょう」


 いずれにせよ国民の失望を招く事態は避けられそうにない。前倒しが決まっても「醜い政争」と批判され、決まらなくても「あの騒動は何だったんだ」と呆れられる。いっそ自民党は分裂したらどうか。その方が国民もスッキリするだろう。


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「石破おろし」をめぐる自民党の醜悪な内ゲバについては、関連記事【もっと読む】【さらに読む】などで詳しく報じている。


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