ついに“禁じ手”に踏み切った。


 静岡県伊東市の田久保真紀市長は10日、学歴詐称疑惑を巡る市議会の不信任決議を受け、議会を解散した。

今後は40日以内に市議選が行われ、選挙後の新議会で再び不信任案が可決されれば失職する。


 田久保市長は10日の会見で「(不信任決議で)議会での審議が放棄された事実を受け止め、市民に信を問いたい」と解散の理由を話した。しかし、学歴詐称疑惑は市長個人の問題だ。論点ずらしもいいところで、中島弘道議長が「大義なき解散に怒りしかない。時間とお金の無駄だ」と批判した。


 最近は報道番組やワイドショーで、連日批判にさらされている田久保市長。SNS上でも、市長に対し否定的な意見が圧倒的に多い。しかし一方で、支持者とみられる一部アカウントからは、熱心な応援が寄せられている。中には「かわいそうだ」との同情的な声も出てきているのだ。


「田久保市長は、自らをマスコミや議会と戦う『悲劇のヒロイン』に演出しているのでしょう。最近はSNSでいきなり公務の様子や自撮り写真を上げたり、市長が『阻止する』としているソーラーパネル建設について、市の見解と異なる一方的な主張を展開。世論を味方につけようと画策しており、『いじめられてもがんばってます』とでも言いたげです。

ただ、当然反発の声もある。先日は主催者に『関わらないで』と言われたイベントを勝手にSNSで宣伝し、ヒンシュクを買っていました」(伊東市政を取材する地元記者)


 市長が選挙後の議会で不信任案を回避するためには、反対にまわる市議が7人必要だ。市長は自身に近い候補を擁立するとみられているが、勝算はあるのか。市議のひとりはこう言う。


「いくら地方議会とはいえ、素人が勝てるほど選挙は甘くない。市長側は厳しい戦いになるでしょう。ただ、田久保市長のことだから、SNSで過激な発信を増やすなど情報戦を仕掛けてくるかもしれない。首長にのし上がっただけあり、実際に市長は『演出』がうまい。応援する市民も一定数いる。誤情報が拡散され、斎藤知事がまさかの再選を果たした兵庫県知事選のようなことが起こるかもしれない。不信任に至った経緯などを丁寧に説明し、戦っていくしかないです」


 市長の悪あがきはいつまで続くのか……。


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