日曜夜の最強番組は何か。定番のNHK大河ドラマ、長寿バラエティー「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ系)、「ポツンと一軒家」(テレビ朝日系)もあるけれど、人気の根強さでは「ダーウィンが来た!」(NHK・夜7時30分~)ではないか。
深海のダイオウイカ、鳥を狩るカマキリなど、「世界初」の映像をこれまでに150本以上放送している。新種や絶滅したと思われていた魚種を発見して、取材班と同行の学者が発表した科学論文は20本以上にのぼる。
視聴率も「ザ!鉄腕!DASH‼」(日本テレビ系)などを抑えて、常に同時間帯1位だ。
「番組そのものは幼児・小学生向けですが、晩酌をやりながら見ているオトーサンは多いんじゃないでしょうか。少年時代にシートンの動物記や岩波映画、テレビ番組『ディズニーランド』の冒険の国シリーズに夢中になった世代は、動物ものは大好物なんです」(テレビ情報誌編集デスク)
■一番の苦労はアポが取れないこと!?
多摩川河川敷の定点観測から、ほとんど目撃されたことのない絶滅危惧種の野生のコビトカバまで、番組コンセプトは「視聴者が見たことない映像を提供する」だ。そのための企画、取材、撮影の苦労は大変なものだろうが、どんなスタッフがやっているのだろう。
取材・撮影は基本的にディレクターとカメラマンの2人1組というから、意外に小チームだ。約20人のディレクターがいて、企画が決まると、1~2カ月かけて準備をして取材・撮影に出かける。一応、半年先の放送をめどに進行するが、「動物はアポが取れないので」(担当プロデューサー)、行ってみたら目当ての動物がいなかった、狙った通りに餌を取ってくれないなんてことはいつものこと。アフリカの沼のほとりで、毒虫の襲来を受けながら、狭い撮影用テントの中で3週間もチャンスを待ち続けたチームもいたという。
「制作費は1本2000万円前後。
BS4K(水曜夜6時)で見ると、映像はより細密できれいだが、残念ながら、休日に晩酌をやりながらというわけにはいかない。
(コラムニスト・海原かみな)