「3位だと思っていたが面白くなってきた」──林芳正陣営が勢いづいて沸いているらしい。
自民党総裁選は今月4日の投開票まで残り2日。
進次郎氏はステマ問題と党員削除疑惑(本人は否定)で大揺れのうえ、討論会でも“予定稿”の範囲内でしか答えられず失速。高市氏は「奈良の鹿が外国人観光客に蹴られている」「通訳が間に合わず外国人が不起訴」など根拠不明の言説をまき散らし、ヤバさを露呈。そんな中で、安定感の林氏が浮上してきたというわけだ。
党員・党友票は、1日午前中までのハガキ投函が呼びかけられていたので、事実上終了。日本テレビが1日公表した独自の党員・党友調査では、高市氏がトップで35%、次いで進次郎氏28%、林氏23%だった。小林鷹之元経済安保相(50)は5%、茂木敏充前幹事長(69)は4%と大きく引き離されている。調査は3回目で、高市氏と進次郎氏が2回目からほぼ横ばいなのに対し、林は6ポイントアップだった。
「林さん本人も言っていたが、ネット討論会などで司会者のむちゃぶりにも臨機応変に対応でき、好感度が上がった。高市さんや進次郎さんでは不安という人たちが、林さんへの評価を高めたのでしょう」(林陣営関係者)
勝敗のカギは「未定票」と「石破票」
注目は国会議員票だ。報道各社の予想では、議員票については進次郎氏、林氏、高市氏の順。例えば、1日の朝日新聞の動向調査では、進次郎氏72人、林氏57人、高市氏37人、小林氏31人、茂木氏29人、未定・答えない44人となっている。
「進次郎さんは議員票で圧倒し、100票は堅い。決選投票に進むのは間違いなく、相手がどちらになっても勝利するだろう」(進次郎陣営関係者)と鼻息荒いが、「いやいや、林さんにもチャンスはある」と言うのは、どの陣営にも入っていないベテラン議員だ。こう話す。
「勝敗のカギを握るのは誰に投票するか決めかねている“難民票”です。報道各社の調査に態度を明らかにしていない『未定票』のことですが、40~70人程度とされ、私の感触では、林さんが決選投票に残る可能性が高まれば、その多くが林さんに雪崩を打つのではないか。前回、石破首相に入れた『石破票』も多くが林さんだろう。石破首相本人もそう考えているだろうが、5候補の発言を聞けば、石破政権の継承なら林さんが最も確実。進次郎さんは『挙党一致』と言っているが、陣営に船頭が多いので現実に総裁になったら、どうなるかわからない。石破政権を支えてきた中谷防衛相と岩屋外相は林支持です」
石破氏が勝利した昨年の総裁選も、まさかの結果だった。その再現があるのかどうか。もっとも、進次郎氏でも林氏でも、誰になっても自民党は変わらないだろうけど。
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