強硬姿勢にはウラがある。自民党の高市早苗新総裁の誕生に公明党が反発を強めている。
そりゃそうだ。斉藤氏は高市氏に直接「裏金事件のけじめ」などの懸念を伝えたのに、高市氏は無視。新執行部人事で旧安倍派の裏金幹部の萩生田光一氏を幹事長代行に起用した。その他の顔ぶれも公明嫌いの麻生太郎副総裁を筆頭にパイプは乏しく、公明党関係者は「本音で話せる人は皆無」と口にする。
公明が強気に出ざるを得ない背景には、支持母体・創価学会内でのタカ派志向の高市アレルギーがある。「連立離脱も辞さず」の意見もあるようだが、最大の問題は組織の弱体化だ。
■高齢化と池田大作名誉会長の死去が重なり
学会員の高齢化に加え、2年前には政界進出を進めた池田大作名誉会長の死去が発表。以来、選挙への熱が失われたのか、集票マシンの力は衰退の一途だ。7月の参院選で公明は改選14議席から過去最低の8議席にとどまり惨敗。
この結果を受け、公明は参院選を「党存亡の危機」と総括したばかり。昨年の衆院選、今年6月の都議選と敗北を重ねており、決してオーバーな表現ではない。その上、「平和の党」の理念を顧みず、連立相手の右傾化にクギを刺せないようでは、いよいよ組織がもたないというのだ。内情に詳しい関係者が言う。
「党勢が右肩下がりの中、かねて学会内では、衆参ともに国政選挙で負担の大きい選挙区への擁立をやめ、組織力を比例に振り向ける案が取り沙汰されていました。右傾化を強める自民にお付き合いすれば、さらなる支援者の離反を招く。国政から撤退し、地域政党に変わる案へと発展しかねません」
“下駄の雪”が岐路に立たされている。
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