【あの人は今こうしている】


 大竹一重さん(俳優/54歳)


  ◇  ◇  ◇


 1994年、任期中にセクシー写真集「ひとえ」(竹書房)を出版し、世の男性の注目を浴びた“ミス日本”がいた。大竹一重さんだ。

大きな瞳にぽってりした唇が魅力的な美人で、翌95年から多くの東映ビデオで主演し、“Vシネマの女王”ともいわれたが、今どうしているのか。


 大竹さんに会ったのは、東京メトロ・銀座駅に近い喫茶店。


「最近は舞台が多いですね。ある作品で出会った演出家のさとうしょう先生ら5、6人と、2017年に『美しすぎる時代劇あ・うん(ハート)ぐるーぷ』という舞台ユニットをたちあげたんです。先生の作りたい泉鏡花作品のイメージに私がピッタリらしく、私を主演にして名作シリーズとして年1、2本、『銀座・博品館劇場』で上演させていただいています」


 大竹さん、まずはこう言った。相変わらず美しく、見とれてしまいそうだ。今年は10月に時代劇版「ロミオとジュリエット」で、豪華和装のジュリエットを演じるという。


「来月は『あ・うん♡ぐるーぷ』とは別で、高円宮妃久子さま原作の子どもミュージカル『夢の国のちびっこバク』で姫役を演じます。約20人の小中学生と一緒に稽古しているので、賑やかで楽しいですよ。私は子どもがいないので、以前は子どもとどう接したらいいかわからなかったんですけど変わりましたね」


 変わったきっかけは、1年余り前から苦手だった犬を飼い始めたこととか。


「もともと人付き合いも苦手で、周りを気遣いすぎて距離感をうまくつかめなかったんです。それが、生後2カ月のやんちゃな女の子を飼い始めたら、毎日お世話がすごーく大変で“育児ノイローゼ”のようになり、その反動で私の硬かった面がほぐれました(笑)。

さとう先生はそれが私の人として、女優としての成長につながると狙って、先生と同じマルチーズを飼うよう勧めてくれたそうです。先生の術中にすっかりはまり、今ではもう“うちの子”がかわいくてたまらず、毎晩一緒に寝ています」


 ダンナさんは嘆いているんじゃないの?


「いえ、独り身なんです。女優の仕事が大好きすぎて縁遠くて。ずっとひとりは寂しいし孤独死とか心配で、いいご縁があれば、と思うんですけど。一緒にいて楽しくて、私がつらいときは寄り添ってくれる、思いやりのある方と出会いたいですね」


 この美しさなら、チャンスはあるだろう。



■“昔”があったから、今があることに感謝

 それにしても、ミス日本からのセクシー写真集、Vシネと、女優の道をたくましく切り開いてきた大竹さん。もっと大胆で強気な女性を想像していたが、違ったようだ。


「ヌードなんて考えたこともなかったので、写真集はお断りしたんです。でも、当時の事務所に『ダメです』と。Vシネも、私は子どもの頃から女優志望だったので、脚本を見せられ、つい『1本だけなら』と言ったら、結局30本くらい出ることになって……。“Vシネの女王”と言われてもずっとうれしくなかったんです。30年ほどたった今も覚えていたり、『写真集、買いました』と長く応援してくださっている方がいて、主演作をいただけることのありがたさに、最近ようやく気付きました」


 その後はドラマ出演が増え、時代劇「暴れん坊将軍Ⅷ」や昼ドラ「ザ・美容室」などで活躍。


「これからもドラマや映画もやりたいし、舞台出演料の一部を子ども食堂に寄付するなどの児童支援活動もやっていきたい。私は小学生のときに両親が離婚し、母一人子一人で育ったので他人事ではなくて。思いを活動につなげて幅を広げ、成長していきたい。精進できる日々がとても幸せに思っています」


 東京都内で、78歳の母親と2人暮らしだ。


 (取材・文=中野裕子)


▽大竹一重(おおたけ・ひとえ)1972年2月5日東京・豊島区生まれ。共立女子短大在学中の94年にミス日本に輝き、セクシー写真集「ひとえ」を出版すると大ヒット。東映ビデオで主演で活躍後、「暴れん坊将軍Ⅷ」(テレビ朝日系)やメタルヒーローシリーズ「テツワン探偵ロボタック」(テレ朝系)、2時間ドラマでも活躍。


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