妙に強気だった。


 昨年の自民党総裁選や今年の衆院選で、高市首相の陣営が他候補を中傷する動画を作成、SNSで拡散しまくっていた疑惑を巡って、11日の参院決算委員会で質問が飛んだ。


 この問題を報じた「週刊文春」によれば、動画作戦を牽引したのは高市事務所の公設第1秘書・木下剛志氏。実際に動いたのは、物議を醸した暗号資産「サナエトークン」の開発に関わった技術者の松井健氏だった。2人は公職選挙法が適用される衆院選の期間中、携帯電話のショートメッセージなどでやりとりしていたという。ショートメッセージには、木下氏が中道改革連合の幹部への批判動画をオーダーする様子が詳細に描かれている。


 11日の決算委では、立憲民主党の森裕子議員が質問に立ち、この点を追及。8日の参院本会議で高市首相が「(事務所職員から)動画作成は一切行っていないと報告を受けた」と答弁したことについて、森氏は「(松井氏と)木下氏は面識がないということか」と質問した。すると高市首相は「私自身も秘書も面識のない方だ」と断言した。


 にわかには信じがたい答弁に対し、森氏は文春報道にある木下、松井両氏の詳細なやりとりの一部を示した上で「(記事は)捏造ですか?」と質問。すると、高市首相は表情をこわばらせ「先ほど答弁したことに尽きます」と、正面から答えなかった。さらに森氏が「事実無根だというのならそうお答えください」と問い詰めると、今度は声のトーンを上げ「週刊誌記事を信じるか、秘書を信じるかというと私は秘書を信じます」と言い放ったのだ。


 秘書を信じるか否かは問題とは関係のない話だが、高市首相がここまで強気な姿勢を貫けるのには理由がある。大新聞テレビがこの問題を報じず「大した話題になっていない」(官邸事情通)からだ。



「予防線を張ったつもりが、総理は強く否定しすぎ」

 今回の問題に関して、大手メディアは8日の本会議で高市首相が動画作成を否定した答弁についてサラッと報じただけ。SNSでは〈高市早苗が否定したらみんな「総理が否定」と流すって…報道じゃなくて広報〉〈メディアの仕事って、権力者の否定コメントを拡声することなの?〉といった批判が続出している。


 大手メディアの弱腰はいつものことだが、いずれにせよ、高市首相が木下氏と松井氏の関与を全否定した事実は大きい。今後、関与をうかがわせる新事実が発覚すれば、大炎上しかねないからだ。


「『詳細は知らないが秘書を信じている』と言うことで、自分に火の粉がかからないように予防線を張ったつもりでしょうが、総理は強く否定しすぎだ。ここまでやると、文春のネタ元は『自分がウソを言っているというのか』と憤るでしょう。さらに、追及ネタを再投下される恐れもある。もう少しボカシて穏便に答弁すべき局面だったと思います」(官邸事情通)


 都合の悪いことを聞かれて、ついムキになったということか。


 今回の答弁は高市首相にとって“命取り”になりかねない。


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