日本最大の暴力団、山口組のナンバー2として当局から徹底マークを受ける竹内照明若頭が5月22日の白昼、JR品川駅に降り立ち、待機していた車両に乗り込み、いずこかへと姿を消した。
このニュースに「盆暮れの挨拶なら恒例行事で驚かないが、誰か縁故者の不祝儀(法要)でもあったのか」と、その真意をめぐって業界に諸説が流れた。
折しも、その4日前には、沖縄ヤクザ・旭琉会トップの組葬儀へ参列するため竹内若頭の身は沖縄本島にあった。まさに「列島を俯瞰する」かのような慌ただしい外交日程だ。
「ふたを開けてみれば、代紋を超えた兄弟分の稲川会・内堀和也会長らと極秘会食するための上京だったようです。稲川会と山口組は、これまでたんなる親戚づきあいを超えた交友関係を深めてきたし、内堀会長とは腹蔵なく業界の現状を話し合う肝胆相照らす仲です」
だが、そこに山口組とは親戚でもない住吉会の最高幹部が加わっていたことから、業界に驚きの声が広がったのだ。
そもそも、山口組と住吉会は、2007年に首都の縄張りをめぐる流血の「新東京抗争」や埼玉抗争を繰り広げて対立してきた仲だ。ただ、近年は高まるばかりの暴排機運の逆風に業界が結束して対抗する大義もあり、デタント(緊張緩和)が進んではいた。実話誌記者が解説する。
「風向きが明らかに変わったと話題を呼んだのが、2016年に、横浜・中華街の料理店で、司忍六代目、住吉会・関功会長、稲川会・清田次郎会長と当時のトップ3人が初めて一堂に介した会食でした。当時は六代目山口組が分裂して約1年後のことで、東西を代表する3団体トップが膝を突き合わせて友好ぶりを見せつけることが、敵対組織への牽制につながると見られたんです」
住吉会はその後、先代から後継指名を受けた小川修司会長がトップとなって以降も、23年に横浜市内で山口組、稲川会とのビッグ3会談に参加。トップになって日が浅い小川会長にとっても、業界を牽引する髙山清司若頭と内堀会長と肩を並べて会食する機会は、自組織を束ねる威信を高める意味でも得がたい機会となった。
では、東西ビッグ3のトップや司令塔がくつわを並べた今回の三者会談の背景には、どんな事情があったのだろうか。
関東の組織関係者が話す。
「住吉会を代表する形で参加した最高幹部は、今年4月に身分を隠して配下に会長車を取得させたとして、組織犯罪処罰法違反容疑で逮捕されたんだが、その保釈祝いにわざわざ他代紋のトップクラスが参集するはずもない。逮捕を報じる記事で、この最高幹部が『住吉会の次期トップの有力候補』と伝えられたのが、ヒントになるんじゃないの。あとはみなまで言わなくても想像できるよね…」
奇しくも現トップの小川会長は、跡目相続をめぐる金銭トラブルに関与したとして昨年末に窃盗の疑いで起訴され、これまた業界に激震を走らせている。
前代未聞の不祥事で生じた権力の空白と今回の謎めいた会食、その点と線をめぐり、業界が再びざわつき始めている。

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