映画『お終活』シリーズでお馴染みの高畑淳子さんにインタビュー!介護や見送りを経験したからこそ見えてきた「人生の整理術」についてお話しいただきました。30代から備えていたという「エンディングノート」の存在や、つい真似したくなる「五味五色」の健康食など、今日から役立つ高畑流・ポジティブライフの秘訣をたっぷりと伺いましたよ!

元気たっぷり!【高畑淳子さん】

――現在、主演映画『お終活3 幸春!人生メモリーズ』が公開中ですが、シリーズを通して人生の整理について考え方に変化はありましたか?

2024年の暮れに、介護施設でお世話になっていた母が95歳で眠るように旅立ちました。
見送った後に待っていたのが、葬儀の手配や役所への届け出といった、山のような雑務でした。「人が一人亡くなるというのは、こんなにも大変なことなのか」と、身をもって実感しましたね。母でさえこれだけ大変だったのだから、毎日ガチャガチャと賑やかに暮らしているわたしが逝ったら、周りはもっと大変だろうなと思いました(笑)。

――30代の頃から、「備え」をされていたそうですね。

33歳でシングルマザーになったタイミングで、通帳の場所や暗証番号などを記した「お母さんが死んだら見るノート」を作りました。当時は「自分がもし今死んだら」と必死で、70歳まで保障される死亡保険にもしっかり入っていたんです。ところが、気づけばわたしも今年で72歳。結局、その保険金はもらえずじまいでした(笑)。でも、こうして大きな病気もせず健康でいられることが、何よりありがたいですよね。

元気の源は「両親の写真」と「おしゃべり」

――高畑さんの元気の源は何でしょうか。

お台所に置いている父と母の写真です。両親に見守られているような安心感があって、「いつかそっちに行くまで、カリカリせずにやっていくわね」と語りかけています。
昔は仕事や家事に目が三角になるほど余裕がありませんでしたが、今は自分の衰えにイライラしちゃう(笑)。でも、そんな自分も受け入れながら、おおらかに生きたいですね。

【高畑淳子さん】「ドレスのチャックが上がらない!」失敗から学んだ健康習慣と72歳で思う「お終活」


――いつもエネルギッシュで明るいご印象ですが、その秘訣は何なのでしょうか?

実は人前に出るとうれしくなっちゃうだけなんです(笑)。普段は家で一人、孤独に過ごしていますから。誰とも喋らずに静かに暮らしている反動で、人がたくさんいるところに出ると反動でうれしくなっちゃう。こうして話を聞いていただけるのも、本当に幸せなことだなって思います。

最近のスーパーは、自動精算で店員さんと言葉を交わす機会が減りましたよね。だからわたしの友人は「お喋りができるから」と、お豆腐屋さんへ行くそうです。その気持ち、すごくわかりますね。

「耳なし芳一」流!?の脳トレと、無理しない五色の食事

――健康維持のために、意識している習慣はありますか?

最近、お腹周りが大変なことになってきて(笑)。この間、ドレスを着るお仕事があって着てみたら、チャックが上がらなかったんです。ただ、急激なダイエットをしたら風邪をひいてしまって。
それで運動をしなきゃと思って、100秒クランチや、かかとの上下運動、お腹を意識して息をゆっくり吐き切るなど、暇な時間にやるようにしています。

――脳トレなどはされていますか?

わたしの場合は、セリフを覚えることが一番の脳トレですね。ただ、年齢を重ねるごとに覚えるのが遅くなって…。家の壁中にセリフを書いた紙を貼っているので、まるで「耳なし芳一の館」みたいですよ(笑)。

――お食事で気をつけていることはありますか?

「五味五色(甘・酸・塩・苦・うま味/赤・黄・緑・白・黒)」を揃えるようにしています。自然と栄養バランスが整うそうです。ただ、縛られ過ぎるとストレスになるので、無理をしないことが一番!

【高畑淳子さん】「ドレスのチャックが上がらない!」失敗から学んだ健康習慣と72歳で思う「お終活」


あとは、朝は必ずヨーグルトと果物を食べているのですが、豆乳ヨーグルトの方がいいと聞いたので、最近は豆乳ヨーグルトを食べてます。果物も1種類だけじゃなくて、オレンジ、イチゴ、キウイなど五色を気にして選んでいます。

――舞台の稽古などに入ると、食生活が乱れてしまいそうですが。

そうですね。昼はお弁当が多くなるし、パスタやお蕎麦などになってしまいがちですよね。なので、スティック状にしたにんじんや大根、キャベツ、ミニトマトを稽古場に持って行って、それをポリポリ食べたりしています。
お菓子を食べるよりも全然いいかなと思って。

――それなら、わたしたちにも真似できそうです。

夜寝る前に、「今日は五色取れてたかな?」って思い返してみるんです。で、「あ、たんぱく質が足りなかったかな?」って思ったら、納豆だけ食べたり(笑)。なんとなく帳尻が合えばいいんじゃないかしら。

頑張るあなたへ、心に寄り添う「あめちゃん」を

――最後になりますが、映画を観てくださる方へメッセージをお願いします。

今、60代や70代の方って、介護や仕事で重い悩みを抱えて懸命に生きている方が本当に多いですよね。この映画は、そんなみなさんに「ちょっと一息つきましょう」と呼びかける作品になればいいなと思っています。

劇中で三田佳子さん演じる豊子が、街の人に「あめちゃん」を手渡して笑顔にするシーンがあるのですが、この映画自体が、みなさんの心にそっと寄り添う「あめちゃん」のような存在になれたら、これほどうれしいことはありません。

※高畑淳子さんのインタビューは、月刊誌『家の光』2026年7月号にも掲載されています。
https://www.ienohikari.net/press/hikari/

プロフィール
たかはた・あつこ/1954年、香川県生まれ。
1976年に劇団青年座入団。
近年の主な出演作は、映画『おいしい給食』シリーズ、『風のマジム』、ドラマ『対決』など。
舞台『おだまり、お辰!』(明治座、6月12~21日)に出演。

映画情報
『お終活3 幸春!人生メモリーズ』
熟年夫婦の千賀子(高畑淳子)と真一(橋爪功)は娘の結婚騒動に振り回されるなか、認知症を患った後輩の母親・豊子(三田佳子)を預かることに。
病と向き合う家族の姿をとおして、人生のしまい方や、「忘れても消えない心」を見つめ直していく。ハートフルコメディシリーズ第3弾。
2026年5月29日(金)より全国公開中
配給: イオンエンターテイメント
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