ヤマシンフィルタは5月26日、信州大学と共同で高機能ナノファイバーを軸とした次世代機能素材の共同研究発表会を開催した。ヤマシンフィルタの山﨑敦彦代表取締役のほか、信州大学繊維学部の金翼水卓越教授が登壇し、2030年の製品化に向けての具体的な取り組みとなる「SHIN-PROJECT」を発表した。


 「SHIN-PROJECT」では、素材開発から用途開発、市場展開までを一貫して推進し、2030年までの新素材事業の売上高213億円(構成比43%)を目指す。
 山﨑敦彦代表取締役は「自社で開発してきた従来のナノファイバー技術を駆使して、新たに熱、電磁波、音も遮断できるんじゃないかと思い、新たなマーケット分野に挑戦しようと、今回、信州大学に声をかけさせてもらい、共同開発が実現しました。今後の発展は技術開発にあると思っています。これからは社内の営業部も拡大して、医療や介護の分野のほかにもアパレル企業や宇宙服などにも使用してもらえるよう多岐にわたり、ナノファイバーを用いた製品を製造していきたい」とあいさつした。


 建機用油圧フィルタ分野で国内トップの実績を持つヤマシンは、70年にわたり特定の要素を選別し、制御する技術を磨き続けてきた繊維素材会社だ。同社は世界で初めてガラス繊維を用いたナノファイバー技術を開発し、現在に至るまで世界中で高いニーズを獲得している。


メルトブロー法で生産するナノファイバーは、量産性に優れており、空気を通すが、水は通さない、軽量で薄く、超撒水で高性能のうえ、環境にも優しい。現時点では、パリコレに出展するアパレル企業や、ゴルフウェア企業などの採用が決定している。


 信州大学は、国内で唯一となる繊維学部のある国立大学で、45名が所属するナノフュージョンテクノロジー研究グループを立ち上げており、ナノファイバー技術の可能性を目指して研究を進めている。
 金教授は「今回の共同開発は単なる大学の研究ではなく、生活の中に広がるモノづくりを目指し、社会でひとつのプラットフォームになるように誠心誠意を尽くして取り組んでいきたい。また医療や介護の負担を減らすなど見えないインフラにも対応していきたい」と話す。

 
 今後は6つのテーマに分かれた開発スケジュールを元に、3年ごとに、ろ材開発やナノファイバー技術と、信州大学の繊維・素材研究の製品化を進め、2030年に向けて防水、透湿、断熱、センシング、電磁波制御など幅広い分野で次世代機能素材の可能性を最大限に引き出し大量生産していくことを目指す。


 




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