ドジャースが同地区対決を制して、貯金の数を今季最多タイとなる17に戻した。
 現地時間2日(日本時間3日)、ナ・リーグ西地区の首位を走るドジャースは敵地チェイス・フィールドでダイヤモンドバックスと対戦。
ドジャース打線が先制攻撃を見せ2回までに4点を挙げると、先発マウンドに上がったエリク・ラウアーが5回途中まで2失点の粘投で試合をつくった。

大谷翔平が完全復調した“本当の理由”…ロバーツ監督の決断で消...の画像はこちら >>
 ドジャースは7回に2点を追加し、リードを4点に広げたが、ダイヤモンドバックス打線も必死の抵抗。最後は1点差まで詰め寄られたドジャースだったが、最終回のマウンドに上がったタナー・スコットが何とか無失点で切り抜け、粘るダイヤモンドバックスを振り切った。ドジャースはこれで、この日敗れたパドレスとの差を今季最大となる6ゲームに広げた。

大谷復調の裏にあったロバーツ監督の決断

 前日の試合で1-4と完敗を喫したドジャース。迎えた3連戦の第2戦で、嫌な流れを断ち切ったのは他でもない、1番・指名打者で先発出場した大谷翔平だった。

 大谷は初回にいきなりライトへの二塁打を放ち出塁すると、その後、フレディ・フリーマンの2ランで、先制のホームを踏んだ。さらに第2打席はタイムリー三塁打で走者2人が生還。第3打席以降は、一塁ゴロ、敬遠、三振と、猛打賞は逃したが、大谷の打撃がチームの勝利に大きく貢献した。

 一時は2割3分台まで落ち込んでいた打率も、気づけば3割目前までV字回復。あとは4試合遠ざかっている本塁打が待たれるところだろう。

 そんな打者・大谷の復調に大きく寄与したのが、デーブ・ロバーツ監督が約1週間前に下したある決断だ。それが、2番にアンディ・パヘスを配置したことである。


 今季のドジャースは開幕から2番打者に苦労してきた。開幕当初はFAで移籍してきたカイル・タッカーがその役割を担っていたが、昨季までの打棒を披露することができず。1か月足らずで4番に“降格”。その後もなかなか本来のパフォーマンスを発揮できないでいる。

 代わって2番に“昇格”したのは、それまで主に4番を打っていたフレディ・フリーマンだ。しかし、それまで3割近い打率を残していたフリーマンも2番を打つようになると、憑りつかれたように打撃不振に陥り、打率は2割6分台まで低下。その後、ムーキー・ベッツの戦列復帰に伴い、2番の座をベッツに譲った。

 そして昨季の指定席を任されたベッツもなかなか打撃の調子が上がらず。こちらも5月下旬に4番“降格”となっている。

“魔の2番”問題を解決したパヘスの存在感

 スター選手が入れ替わり立ち替わり、2番を務めるも、固定できなかったドジャース。しかし、先月下旬にようやく最適解を見つけたようだ。

 それが、先月26日に2番に抜擢されたパヘスである。パヘスは今季開幕から打撃好調で、4月を打率.321で終えると、5月には月間8本塁打をマーク。
下位打線を打つ機会が多かったにもかかわらず、ここまで両リーグ通じてトップの51打点を挙げている。

 ドジャース打線にとって、そして大谷にとって、2番打者の存在は極めて重要なのは言うまでもないだろう。もし2番打者が不調なら、相手バッテリーは大谷とまともに勝負をせず、四球覚悟で厳しいコースを攻めることができる。しかし、2番打者が当たっていれば、大谷と勝負をせざるを得なくなり、それだけ甘いゾーンに入る投球も多くなる。

 今季開幕から打者・大谷の調子がなかなか上がらなかったのは、直後を打つ2番打者の不振も一因だったのではないだろうか。

タッカーもベッツも苦戦したドジャースの2番事情

 ここで改めて今季のドジャース打線で2番を務めた主な打者の成績をまとめてみた。

【主なドジャース2番打者の当該打順での打撃成績】
タッカー:21試合 打率.238、2本塁打、11打点
フリーマン:18試合 打率.211、0本塁打、5打点
ベッツ:11試合 打率.149、1本塁打、2打点
パヘス:7試合 打率.333、2本塁打、5打点

 ご覧の通り、パヘス以外の3人はそろって低調な成績。前日(現地時間1日)時点で、ドジャースの今季の2番打者がマークしたOPSはメジャーワースト3位の.613に留まる。

 主にベッツがその役割を担った昨季のOPSが.742でメジャー19位。昨季もやや物足りない成績だったが、今季はそれに輪をかけて悪い数字だ。タッカー、フリーマン、ベッツという強打者3人がスランプに陥った“魔の2番”で結果を出しているパヘスの存在は大きいと言わざるを得ないだろう。

大谷への四球激減が示すパヘスの価値

 そのすごさは、パヘスが2番を打つようになってから大谷がほとんど歩かされていなかったことからも分かる。

 現地2日の試合で大谷は敬遠で歩かされたが、それまで29打席連続で四球がなかった。
大谷が歩かされなくなったのは、ちょうどパヘスが2番を打ち始めたタイミングとシンクロしている。

 今後、打者・大谷が完全復調するかどうか。それは2番打者の役割も大きいだろう。パヘスがそのカギを握っていると言っても過言ではない。

文/八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊】
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。
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