2019年頃から数年間にわたり流行した新型コロナウイルス(武漢肺炎とも呼ばれる)だが、五類の「単なる風邪」に分類されたことから、「オミクロン」以降の変異株に関する情報は以前ほど伝わってこなくなった。

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 その後、南アフリカで初めて報告された新型コロナウイルスの新たな変異株「BA.3.2」が、世界中で流行の兆しを見せている。
この変異株は潜伏期間が長いことから、通称「Cicada(セミ)」と呼ばれている。2026年2月11日時点で世界23カ国、4月現在では33カ国での感染が確認されている。

 すでにアメリカ、日本、韓国では感染状況が把握されており、今年1月には東京都内の医療機関の検体からも感染例が確認されている。

 ややこしいのだが、全く別のウイルスであるにもかかわらず、日本では五類に分類されている。この南アフリカ由来のウイルスもまだ正式な名称がないため、注意しないと日本では五類に組み込まれてしまう危険性がある。つまり、この特定の型だけを詳細に調査する体制は整っていないのだ。

 BA.3.2は、直近に流行した変異株「JN.1」の仲間と比較して、ゲノムを構成する塩基が70-75個程度変化していると言われ、これまでの免疫やワクチンの効果が十分に発揮されない危険性も持っている。

 WHO(世界保健機関)はパンデミックは起こらないだろうと楽観視しているが、ウイルスはいつ豹変するかわからない。国の財政や医療制度のために、似たような病気をひとまとめにして研究すら後回しにされているのであれば、「セミ」はもっと恐れられてしかるべきではないだろうか。
【編集:fa】
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