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フィリピン大統領府は「ICCの判断を尊重する」と声明を出したが、国内では依然「ドゥテルテ氏の手法こそ国を救った」とする支持が根強い。欧米的な「国際司法」の論理と、社会不安に直面したフィリピンの「現場の論理」との乖離が改めて浮き彫りとなった。
「国家存亡の危機」だった麻薬汚染
ICCが「人道に対する罪」と断じる薬物対策だが、当時のフィリピン社会の惨状を抜きに語ることはできない。2016年の政権発足前、覚醒剤「シャブ」が貧困層から富裕層まで蔓延し、強盗や殺人が日常化。警察や司法関係者までもが麻薬組織から賄賂を受け取り、国家の深部まで腐敗が浸透していた。既存の司法制度は機能不全に陥り、通常の捜査や裁判では麻薬王を裁くことはほぼ不可能だった。
「ダバオ方式」の必然性
ドゥテルテ氏は市長時代に「殺人の都」と呼ばれたダバオを安全都市へ変貌させた実績を背景に、強硬策を全国へ拡大した。捜査に抵抗(ナンラバン)する麻薬売人は現場での殺害も辞さない姿勢を鮮明にした。法の支配を逸脱した暴挙と批判される一方、腐敗した司法を突破する唯一の即効策と受け止められた。実際、治安改善を実感する市民の声は多く、子供が安心して通学できるようになったという評価も広がった。
圧倒的支持率が示すもの
ICC介入に対し、関係者は「主権の侵害」と反論するが、注目すべきは任期末期まで80%超の支持率を維持した事実だ。もし単なる虐殺であれば、民主国家でこれほどの支持は得られなかっただろう。
国際司法の理想と現場の乖離
裁判開始までには最大1年を要するとされるが、国際社会からの批判は強まる見通しだ。だが、ハーグの法廷に座る裁判官が、麻薬に蝕まれ警察すら信じられない路地裏の絶望を理解しているかは疑問である。人権は重要だが、国家の安定と治安があって初めて成り立つ。ドゥテルテ氏の選択は「劇薬」だったが、他に有効な手段があったのかという問いは残る。
ICCの審理は、フィリピンの主権と自国問題を自ら解決する権利への挑戦とも受け取れる。裁判は刑事責任の追及にとどまらず、当時の過酷な現実とドゥテルテ氏の歴史的役割の再評価につながるべきだ。
【編集:af】








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