2026年4月29日、フィリピン南部ミンダナオ島・ダバオ市の朝は、まさに沸騰していた。午前10時、ベランダの温度計の針、信じがたいことに40度を突破。
空は突き抜けるような青さだが、降り注ぐ日光はもはや暴力的なまでの熱を帯びている。特筆すべきは湿度の低さで、35パーセントを下回る乾いた熱風が、肌をジリジリと焼き上げる。

その他の写真:街角のハンバーガー店「ミニッツバーガー」

 そんな極限状態でも、街角のハンバーガー店「ミニッツバーガー」は、いつものように香ばしい匂いを漂わせていた。壁のないオープンキッチンでは、店員が鉄板を前に奮闘中だ。上からは太陽(トタンの屋根)、前からは調理の熱気という二重苦。パテが焼けるジューシーな音以上に、この現場の過酷さを物語っている。

 しかし、注文をさばく店員の表情はどこか涼しげだ。「この暑さがスパイスさ」と言わんばかりのフィリピン流の楽観主義には、脱帽するしかない。客席で冷たい飲み物を手に、熱々のバーガーを頬張る。口の中も外も灼熱だが、この熱気こそが南国の活力そのものなのだ。ダバオの夏は、鉄板よりも先に人々の情熱で焼き上がっていた。
【編集:Eula】
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