かつてK-POP男性陣と日本の男性アイドルの違いは「化粧の有無」だった。だがコロナ禍を経て、街を歩けば日本人男性も自然にメイクをしている。
新しいK-POPグループかと思えば日本人だった、ということも珍しくない。「男のくせに化粧か!」と叫びたくなる古い感覚も残るが、歌舞伎の舞台化粧を思えば、それも時代の回顧にすぎない。

その他の写真:イメージ

 韓国の美容業界は今、軍隊に所属する20代男性を新たな顧客層として狙っている。PX(軍マート)や将校専用オンラインモールに続々と化粧品ブランドが出店し、軍人向けの販売網を築いている。圧倒的に男性が多い組織で美容法を学ばせ、除隊後も継続して使ってもらうという「囲い込み」戦略だ。

 韓国では大学入試前に美容整形を受ける男性も多く、美的感覚が高い。男性用化粧品にも抵抗がないが、徴兵時に持ち込みが許されるかは曖昧だった。軍御用達の店で購入できるようになれば、無味乾燥な集団生活の中でスキンケアやネイルケアを仲間と共有し、新しい製品に出会う楽しみも生まれる。

 野外訓練では日焼け止めが必須だ。これは女性に限らず、日焼けが体に悪いという医学的根拠に基づき世界的に広がっている。べたつかず長時間キープできる製品を探し、仲間と美容談義を交わす光景も珍しくない。

 過酷な環境下での使用データは、化粧品業界にとって貴重な研究材料となる。
軍隊という特殊な市場を取り込む韓国美容業界の発想は、まさに「ただでは起きない」したたかさを示している。
【編集:fa】
編集部おすすめ