2017年に発売を開始したニンテンドースイッチは、まもなく5年の歩みを刻みます。一般的なゲームハードのサイクルだと、終盤に向かいつつあるタイミングですが、スイッチの人気は今も衰えを見せず、この2022年も数多くの注目作がリリースされる予定です。


しかもその勢いは、先日行なわれた「Nintendo Direct 2022.2.10」の発表を経て、更に加速することが判明。期待感高まる作品の数々が、今年発売されるラインナップに並ぶ形となりました。

こうした注目作をいくつか遊ぶだけでも、年間を通したゲームプレイのスケジュールをそれなりに占める形になりそうですが、より深く味わいたいと考えた場合は、その関連作のプレイも予定に組み込む必要があります。

また、ネタバレを警戒したり、周囲やネット上の盛り上がりに加わりたいと思ったら、新作は発売日から遊びたいもの。となれば、関連するゲーム作品はその日までに一区切りつけておくのがベターでしょう。

そこで今回は、発売時期が決まっているスイッチ向け(併売含む)注目作を取り上げ、体験しておきたい関連する作品をピックアップ。この情報を元に、発売日までに何をどのタイミングで遊べばいいか、逆算していただければと思います。

人気漫画「金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿」では、完璧な計画を行うために犯人たちがキツキツのスケジュールに追われ、「やることが…やることが多い…!!」といったセリフと共にコミカルな姿が描かれました。

ですが、注目作+関連作のプレイスケジュールも人によってかなりタイトなものになるため、うかうかしていると「やることが多い…!!」と、同じように悪戦苦闘してしまう可能性が。犯人たちの二の舞を演じないよう余裕を持ってプレイするために、あらかじめスケジュールを把握しておきましょう!

■今月発売タイトルの関連作……はさすがにキツイか!?
今後のスイッチに登場する注目作としてまず外せないのが、発売したばかりの『刀剣乱舞無双』でしょう。無双シリーズとのコラボレーションにより、『刀剣乱舞』が3Dアクションゲームになります。オリジナル版とゲームジャンルが変わったことで、これを機に遊んでみるかと考えている方もいることと思います。


関連作として最も重要な位置を占めるのは、やはり原作の『刀剣乱舞-ONLINE-』でしょう。ですがこちらの作品は、サービス開始から7年もの月日を経ており、積み上げた歴史やエピソードも相当量にのぼります。

そのため急場しのぎで情報を詰め込むよりも、ありのままに刀剣男士たちの無双アクションを楽しみ、その後原作への興味が湧いたら『刀剣乱舞-ONLINE-』に触れてみるといいかもしれません。遡る形でコンテンツを楽しむというのも、独特の面白さがあります。

また今月発売のラインナップでは、『ソフィーのアトリエ2 ~不思議な夢の錬金術士~』も気になるところ。『アトリエ』シリーズは世界観を共有作品は多数ある一方で、主人公が交代するのがつきものでした。

『ソフィーのアトリエ』の後も、不思議シリーズ第2作として『フィリスのアトリエ ~不思議な旅の錬金術士~』が当時登場しています。ですが、主人公が続投した『ライザのアトリエ』シリーズに続く形で、ソフィーが主役となる本作がこのたび発売されます(2月24日)。

広い意味での関連作として考えると、これまでの不思議シリーズ3作品(ソフィー、フィリス、リディー&スール)に挑むというのも手ですが、発売まであと数日なので、主人公繋がりという点から『ソフィーのアトリエ』に絞って挑むのが良さそうです。

とはいえ、あまり容易な話ではありません。あくまで時間に十分余裕がある方のみ、プレイを視野に入れてください。なお、『ソフィーのアトリエ ~不思議な本の錬金術士~ DX』が、スイッチやPS4、Steam向けにリリースされているので、今遊ぶならそちらがお勧めです。


■3月下旬までの時間を使って、『星のカービィ』シリーズをやり込むのも一興かも?
スイッチの注目作は数多く、例えば今年3月だとまず『トライアングルストラテジー』が登場します。が、こちらは完全新作なので、物語や世界観的な意味で直接繋がる関連作はありません。この『トライアングルストラテジー』を含め、そういったタイトルは今回見送らせていただきます。

それを踏まえた上で、関連作を持つ3月の注目作といえば、『星のカービィ ディスカバリー』が本命と言えるでしょう。アクションを中心に様々なジャンルで活躍する『星のカービィ』シリーズの最新作であり、初の3Dアクションになります。

『星のカービィ』シリーズは、その歴史が非常に長く、今年で30周年を迎えます。そのため関連作は非常に多く、よりどりみどりな状況です。とはいえ、現行ハードで遊べるものは必然的に限られてくるため、例えばスイッチで遊べる『星のカービィ』シリーズに絞るのもひとつの手です。

まずは、シリーズ初のスイッチソフトとしてリリースされた『星のカービィ スターアライズ』をお勧めします。過去作に登場したキャラクターが数多く出るので、取り急ぎの予習としてはアリかと思います。

また、有料サービス「Nintendo Switch Online」で、『星のカービィ 夢の泉の物語』『星のカービィ3』『星のカービィ スーパーデラックス』『カービィボウル』が遊べます。既に加入していれば、追加料金なしでプレイできるので、まずは触ってみて、感触が良かったものを続けてプレイする、といったスタイルでも良さそうです。


『星のカービィ ディスカバリー』の発売日(3月25日)まで1ヶ月以上空いているので、猶予はそれなりにありますが、油断しているとあっという間。プレイしたいタイトルをあらかじめチョイスし、計画的に取り組みましょう。

■『クロノ・クロス』がリマスターで復活! その前作を遊んで備えよう
4月7日に登場するのは、初リマスターを遂げる『クロノ・クロス:ラジカル・ドリーマーズ エディション』です。本作の復活が明らかとなった際、SNSなどで見せた盛り上がりだけでも、相当数のファンが本作を支持していることが窺えます。

そしてオリジナル版の『クロノ・クロス』は、『クロノ・トリガー』の続編として当時発売されました。そのため、やはり関連作となる前作をプレイしておきたいところです。

ただし、残念ながら『クロノ・トリガー』のスイッチ版は現段階でリリースされていません。今『クロノ・トリガー』を遊ぶ場合、手軽に選べるのはiOS/Android版でしょう。これなら場所も選ばないので、電車での通勤や通学なら、その時間を利用して少しずつ進められます。また、PCを持っているなら、Steam版という選択肢もあります。

■無双アクションに備え、シミュレーションゲームの骨太な道のりに着手せよ!
一騎当千の爽快アクションが楽しめる『無双』シリーズと、シミュレーションRPGの草分け的存在の『ファイアーエムブレム』(以下、FE)シリーズによる新たなコラボレーションタイトル『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』(以下、FE無双 風花雪月)が、6月24日に発売決定。

コラボ第1弾の『ファイアーエムブレム無双』は、『FE』シリーズの複数作品から登場キャラクターが集結しましたが、この『FE無双 風花雪月』は1作品に絞っており、その分より深く世界を描くものと思われます。


その1作品とは、2019年7月に発売された『ファイアーエムブレム 風花雪月』(以下、FE 風花雪月)。教師となって教え子を導く第1部と、成長した生徒たちがかつての学友と刃を交える第2部を通し、歯ごたえのある戦略性と重厚な物語で公表を博しました。

『FE無双 風花雪月』では、『FE 風花雪月』で描かれなかったストーリーが紡がれるため、その新たな展開を深く味わうには、過去の話──つまり、『FE 風花雪月』の物語を知っておくのがお勧めです。

ネタバレになるので多く語れないのが口惜しいところですが、『FE 風花雪月』をしっかり遊ぶと、『FE無双 風花雪月』が明示している“あり得たかもしれない、もう一つの物語”に期待する方が多いのも納得いただけると思います。

しかし、『FE無双 風花雪月』に備える意味で『FE 風花雪月』をプレイする場合、ひとつ注意点があります。それは、一通り把握しようとすると、複数回のクリアが欠かせない点です。

こちらも詳しく語るとネタバレになるので詳細は避けますが、全ての主要キャラクターを深く知り、物語も全般的に踏まえようと思ったら、繰り返しプレイが必須となります。また、DLCでサイドストーリー「煤闇の章」があり、出来ればこちらも押さえておきたいところ。

幸い、クリア後のデータ引き継ぎ要素があるので、繰り返しプレイ自体は苦になりませんが、相応のプレイ時間がかかるのも事実。6月24日までまだ4ヶ月近くあるので、後回しになりがちかと思いますが、「一月で1週クリア」くらいの目安で着実に進めておくのが吉です。

■発売は9月だから余裕? 否、関連作の多さに要注意
今回取り上げる最後の作品は、『ゼノブレイド3』です。広大なフィールドを駆け抜け、シームレスなバトルで没入感を促す『ゼノブレイド』シリーズの最新作が、今年9月に発売される予定です。


「まだ半年以上も先だし、焦る必要はないのでは」と考える方が多いかと思いますが、関連作のプレイ予定という意味では、複数回のクリアを目指す『FE 風花雪月』以上に厳しいスケジュールになる恐れがあります。

まず、タイトルの数字からも分かる通り、本作はシリーズのナンバリング3作目。これまでのナンバリング作品は主要キャラが一新されてきましたし、本作も新たな面々が主軸となるものと思われます。

ですが、本作について言及した任天堂公式のツイートで、「ゼノブレイド1と2、2つの世界の未来をつなぐ物語」と明言されており、過去作とストーリー面で深く関わる可能性を示唆しています。そのため、より深く楽しもうと考えた場合、やはり過去の関連作は避けて通れません。

『ゼノブレイド』シリーズはいずれもRPG作品。当然、初代も『2』も相応のボリュームがあるので、まず2本のRPGをクリアする必要があります。初代はWii向けソフトでしたが、幸いスイッチ向けにリマスターした『ゼノブレイド ディフィニティブ・エディション』が出ているので、ハード面で悩む心配はありません。また、初代に限っていえばNewニンテンドー3DS版という選択肢もあります。

そして、この2本だけではなく、『2』の追加コンテンツとして登場した『黄金の国イーラ』のプレイも視野に入れた方がいいかもしれません。『黄金の国イーラ』は『2』の過去を描いており、文字通りの意味で直接繋がっている作品です。『ゼノブレイド3』は『2』との関係性もあるので、この『黄金の国イーラ』も押さえておくのが最善でしょう。


つまり、『ゼノブレイド3』の物語に備えようと思った場合、初代と『2』、そして『黄金の国イーラ』と、計3本のRPGをクリアしなければなりません。『黄金の国イーラ』は追加DLCなので、他2本ほどのボリュームでこそありませんが、ちょっとしたサブクエスト程度の規模とはかけ離れているので、やはり油断できません。

『ゼノブレイド3』まで半年以上あるとはいえ、関連作は3本ものRPG。ペースだけで言っても、二月に1本がクリアのペースです。ここに、他のゲームのプレイ予定も加われば、その厳しさは誰の目にも明らかでしょう。

今回、直近から最長で半年先のタイトルまで、計6本のスケジュールと関連作を紹介しました。原点がすでに長い歴史を持つため、備えるための事前プレイは難しい『刀剣乱舞無双』を除いても、5本の注目作に関連する各タイトルにいつ取り組まないといけないか、自身の予定と照らし合わせることで、そのスケジュールが見えてくるかと思います。

■『刀剣乱舞無双』:2月17日発売
・原点の『刀剣乱舞-ONLINE-』を今から一通り履修するのは無茶振り! 『刀剣乱舞無双』を遊び終えてからじっくり向き合おう。
■『ソフィーのアトリエ2 ~不思議な夢の錬金術士~』:2月24日発売
・同じ主人公の『ソフィーのアトリエ ~不思議な本の錬金術士~ DX』を遊ぼう。
・ただし無理をしない範囲での一考を。
■『星のカービィ ディスカバリー』:3月25日発売
・直近の作品なら『星のカービィ スターアライズ』が良さげ。また、「Nintendo Switch Online」会員なら、『星のカービィ 夢の泉の物語』『星のカービィ3』『星のカービィ スーパーデラックス』『カービィボウル』から好みの作品を選んで遊ぶのも吉。
・猶予は1ヶ月以上あるので、複数作品のクリアも目指せる。
■『クロノ・クロス:ラジカル・ドリーマーズ エディション』:4月7日発売
・前作の『クロノ・トリガー』を押さえておきたい。
・スイッチでは遊べないので、iOS/Android版かSteam版で。
・2ヶ月近くあるので、他の予定とぶつからなければ問題なし。
■『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』:6月24日発売
・“描かれなかったもう一つの物語”をより深く味わえる可能性があるので、『FE 風花雪月』を一通り遊ぶのがお勧め。
・物語だけでなく、登場人物と関係性の予習にもなる。
・ルートが複数あるので、繰り返しプレイを視野に。
・発売まで4ヶ月以上あるものの、物語全般を押さえるため、今から遊び始めるくらいの気持ちで。
・コラボ第1弾の『ファイアーエムブレム無双』は、基本的なシステムや遊び方の予習になる可能性あり。ただし、こちらの物語は完全オリジナルなので、プレイはお好みでOK。
■『ゼノブレイド3』:9月発売
・初代と『2』、2つの世界の未来を繋ぐ物語が描かれるため、2作品ともクリアしておくのが良さそう。
・また、『2』のDLC『黄金の国イーラ』もクリアしておくと万全。
・発売まで半年以上あるが、初代・『2』・『黄金の国イーラ』を一通り遊ぶ場合は、2ヶ月に1本のペースがクリアの目安。
・初代のプレイを『ゼノブレイド ディフィニティブ・エディション』で済ませる場合、全てスイッチで遊べる。
例えば『FE無双 風花雪月』と『ゼノブレイド3』の関連作をクリアしようと思った場合、『ゼノブレイド3』発売が9月なので、事前クリアの期限を8月いっぱいまでと考えると、約6ヶ月半でシミュレーションRPGの『FE 風花雪月』と、RPGの『ゼノブレイド』初代と『2』、『黄金の国イーラ』の3作を終わらせなければなりませんし、発売を迎える『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』のプレイも待ち受けています。

しかも、『FE 風花雪月』の複数回クリアを含めて考えると、半年ほどの猶予があっても心もとなく感じることでしょう。さらに、この期間に登場する完全新作ゲームもありますし、今年の夏には『スプラトゥーン3』も発売予定と、まさに「やることが…やることが多い…!!」状態です。

どのタイトルをいつ遊ぶか。また、関連作はどこまで手を出すのか。スイッチの猛攻は予想以上なので、早め早めに決断し、予定を立てておくのがお勧めです。

ちなみに、年内発売予定まで範囲を広げると、ここに『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の続編 と『ベヨネッタ3』が加わり、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』および『ベヨネッタ』『ベヨネッタ2』が関連作としてプレイ候補にその名を連ねます。いやもう本当に、やることが多すぎる……!!
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