!注意!
本稿では様々なタイトルの実績・トロフィーについて触れるため、ゲーム内容に関する
ネタバレが若干含まれている可能性があります。ご了承ください。


世間一般の認識とは異なり、ゲーマーは多分に多忙な身の上です。数多の魅力的なコンテンツに時間を溶かすだけに止まらず、ジャンルによっては独特の社会構造が存在し、オンライン対人戦を主としたゲームではプレイヤー間の厳格な縦意識、猛烈な競争が日夜のように繰り返されています。

そんな中、人知れず熱を帯びているのが“トロフィー・実績”の収集。これは、ステージクリアなどゲーム内で一定の条件を達成することで獲得でき、いわゆる“やり込み要素”として家庭用ゲーム機、各PCプラットフォームの機能として備わっています。

というわけで、たったいまゲーム実績というものを知った方、これまでもこれからも熱心に集め続けている方も含め、この夏休みに1個でも多く収集して周りと差をつけたいプレイヤーのために、トロフィー・実績を獲得しやすいタイトル/ジャンル、そうでない逆の例も併せて紹介します。

獲得しやすい例その1―ADVジャンル
小説を読み進めるような王道のノベルタイプ、2Dや3Dのグラフィックで展開されるアクションタイプなど、悠久のゲーム史の中で格式と伝統を保ち続けている歴史的ジャンルが、アドベンチャーゲームです。


普通にプレイしても面白いですが、今回はやり込みの観点から分析。アドベンチャーゲームはできるだけ多くのプレイヤーに集中して物語を楽しんでもらうために、複雑な操作を必要とせず、選択肢で分岐するストーリー主体のシステムが特徴です。

プレイヤーのスキルを問わずクリアが容易であり、すでにプレイした部分をスキップする機能で複数のエンディングの回収も比較的簡単に行えます。

このジャンルは、やり込みの目安としても分かりやすいステージクリアが実績のほとんどを占める傾向があり、実例として『ウォーキング・デッド(The Walking Dead)』では、ほぼ最初から最後までクリアするだけでコンプリートが可能。

実績の解除が簡単というだけでなく、ゾンビアポカリプスによって崩壊した世界で、綺麗事だけでは語れない非情な選択を繰り返すストーリーも秀逸な作品。物語への深い没入というアドベンチャーゲームの真髄が凝縮されていました。


前述の通り、アドベンチャーゲームと一口に言っても肝心のシナリオやキャラクター、ゲームデザインは万別。実績目当てでタイトルを選んでも全く異なる体験ができるので、常に新鮮な気持ちでプレイ・収集を楽しく両立できるのもオススメポイントです。

獲得しやすい例その2―オフラインでコンプリート
いまでは当たり前のマルチプレイですが、オンライン実績はプレイヤー数の減少、サービス停止などの理由で円滑なプレイができなくなると、それだけ解除も困難になります。マルチプレイでプレイヤーキル、勝利数を何百何千と要求される場合もあり、すべての実績をオフラインで獲得できるかどうかにも留意すべきでしょう。

そういう意味では『コール オブ デューティ(Call of Duty)』シリーズが良い例。FPSジャンルはマルチプレイの印象が強いですが、シリーズの開発を担当しているInfinity Wardが手掛けた『Call of Duty 2』、旧『Modern Warfare』三部作などはオフラインでコンプリートが可能です。


シリーズ恒例の最高難易度「ベテラン」のクリア、協力モードがある旧作ではコントローラーを別途に用意する手間もありますが、不確定要素の多いオンライン実績よりもはるかに安定して収集を進められます。

また、旧作『Modern Warfare』三部作は『3』を除いてリマスター版も配信されており、完全に別作品の扱いなので、新規に追加された実績も含めて慣れた感覚でもう1周、お得にコンプリートを狙える点もポイントが高いです。

獲得しやすい例その3―名作リマスター版
最近の技術的進歩によってゲームが目に見える進化を続ける中、いまもプレイされ続けている古い名作を蘇らせるリメイク・リマスター作品の開発も活発です。ほとんど全てのタイトルに実績が設定されている現在、これらリマスター版にも趣向を凝らしたものが取り入れられて、懐かしい想いと共に収集に勤しめます。

それだけでなく、やり込み実績という概念が興ったばかりの当時と比べ、最新タイトルとして実績の追加や整理が行われた場合は解除条件が緩くなる傾向があるようです。

例として『Mass Effect Legendary Edition(マスエフェクト)』では、オリジナル版『Mass Effect』で75回となっていたアビリティ系の実績がリマスター版では25回、メディジェルも150回から50回と解除条件が引き下げられています。


特定のメンバーを長く連れていることで獲得できる盟友の実績も仕様が変わり、オリジナル版では“ゲームの大部分”となっていたところ、リマスター版ではミッションなどを5回プレイするだけで解除でき、たった1周で全員分の実績を獲得することも可能です。

その他にも調整が施されてコンプリートの難易度が全体的に下がり、さらには実績のグレードが引き上げられたものも多く、より簡単にレア実績を収集できるように。他シリーズのリマスター作品においても複数のタイトルがセットで収録されている場合があるので、1本分の値段でより多くの実績を集められるのも魅力でしょう。

<cms-pagelink data-text="後半は、超レア実績が並ぶ恐怖の苦行タイトル……!" data-page="2" data-class="center"></cms-pagelink>

獲得しにくい例その1―ギャンブルマラソン
ここからは逆に取得が難しい実績、コンプリートするにあたって相当な苦労が予想される例を筆者の実体験も交えて説明していきます。

やり込みとは、まさに自らを高める修行のようなもの。しかし、どんなに努力をしても必ず報われるわけではない“運”によるランダム性の高い実績に挑む場合は、相応の勇気と覚悟が必要になるでしょう。


これまで筆者がコンプリートを目指した数あるタイトルの中で、およそ丸1か月以上もの膨大な時間を注ぎ込み、はては精神崩壊を起こして引きこもった思い出深い作品が『モンスターハンター:ワールド(Monster Hunter: World)』です。

この歴史あるシリーズには“金冠”という概念があり、狩猟対象であるモンスターたちは毎回ランダムの異なるサイズで登場し、その中で最も大きいものが金冠、逆に最も小さいものが最小金冠(最小冠)とされています。

くどいようですが、この最大・最小金冠は完全に運要素。しかも実際に討伐・捕獲するしか確かめようがない上に、歴戦といった高難度のクエストほど出やすいとされ、あらゆる面でプレイヤーに不利な仕様です。

大タル爆弾を物差しにしたりと趣向を凝らした測定法が数多く考案されましたが、いずれも確実なものはありません。

そうして筆者は1か月もの間、1日20時間かけてクシャルダオラの最大金冠だけを探し求めて彷徨うことになり、そんな人の道を外れた責め苦を筆者の代で終わらせるべく、ここにギャンブル染みた実績に対する警鐘を鳴らしておきます。


獲得しにくい例その2―オープンワールド
地平線のかぎり続く広いマップを探索し、無限の自由度を楽しめるのがオープンワールドにしかない面白さですが、時代の流れと共に主流となった箱庭ジャンルは巨大であるが故に、実績収集のプレイヤーにとって物理的な天敵であると言えます。

あの有名な『Fallout 4(フォールアウト4)』も実績の難易度自体は簡単で、理不尽に難しいものや運要素はありません。

ただ、あらゆるものが大きくなりがちなオープンワールドでは、マップを行き来するだけでも重労働。皮肉ながら、広大なマップに隠された小さなコレクション要素を集める必要もあり、同ジャンルの他のタイトルによっては数えきれない種類の武器、アイテムも全て手に入れることを要求される場合があります。

ストーリー分岐からのマルチエンディングなどもオープンワールドによく見られる特徴であり、異なる結末の数だけ周回プレイも必須。取り返しのつかない要素も存在し、この手のジャンルはバグが多いことでも知られているので、実績コンプリートにあたっては念入りに手順を確認して計画を立てる必要があるでしょう。

獲得しにくい例その3―高難度ゲーム
ただクリアするだけでも心が折れるゲーム。そう聞いた段階で大抵のプレイヤーは恐怖しますが、よりにもよって、そのゲームでコンプリートを目指す勇者たちはなおさら絶望せざるを得ません。ゲームクリアは当然ながら実績として組み込まれており、さらなる困難が用意されていることは火を見るより明らかだからです。

その代表例が『ダークソウル(DARK SOULS)』シリーズをはじめとしたソウルライクのジャンル。このジャンルに属する作品は玄人向けの志向が強く、コンマ差で勝敗が決する本格的なアクションのほか、実績についても裏ボスを含む全討伐から装備コレクションまで名実ともに“オールクリア”を要求されがち。

特に、ソウルライクの由来でもある『ソウル』シリーズだけを見ても、ボスドロップの素材で作る武器などを揃えるための周回プレイ。加えて、一部の敵がレアドロップする武器、誓約のレベルアップ報酬のためにマルチプレイでの勝利数、またはオフラインでも取得可能な誓約アイテムを稼ぐべく地獄のギャンブルマラソンも併せて強いられます。

幸いにも続編を重ねるごとに一部の実績が免除され、コンプリートの難易度が相対的に低下しましたが、周回を重ねるごとに敵が強くなる仕様は多くのシリーズで共通であり、マラソンにかかる肉体的・精神的負担も著しく増加。かといってレベルにもよりますが、とりわけオンラインの敵対プレイで勝利するのはかなり難しいです。

ソウルライクは“高難度”が作品の売りでもあり、どんなに理不尽なボス、それに紐づけられた実績を作っても許される大義名分が存在します。このジャンルに挑戦する勇気と時間があるなら、アドベンチャーゲームを10本コンプリートした方が費用対効果、精神衛生の面から見ても賢明でしょう。

今回ご紹介したのは実績に関する知識のごく一部であり、その他にも効率良く収集するテクニックが多数あります。ただ、まるでトロフィーのためだけに制作されたような低価格・低難易度のタイトルが海外製を中心に出回っており、その領域にまで踏み込むのは自分の良心が咎めて気が進みません。

個人的には、実績のために日頃ゲームを遊んでいるわけではなく、AAAタイトルをはじめとした大ボリュームの話題作をプレイする中で、自然と“集めてみたい”と思わせられるタイトルに絞ってコンプリートしてきました。

実績を義務のように捉えると気が重くなってしまいますし、自分が面白いと思ったお気に入りのゲームへの熱意の証として、無理のない範囲で集めてみるのが最初の一歩ではないかと思います。