そこで今回は、正式サービス版を実際に遊んで感じた手触りや魅力をまとめたプレイレポートをお届けします。本作をプレイするかどうか、その判断材料のひとつとして役立てていただければ幸いです。なお、今回のプレイ環境はPS5版となります。
■現代都市「ヘテロシティ」と“異象”の存在
『NTE』の舞台は、現代的な大都市「ヘテロシティ」です。この街では、“異象”と呼ばれる不可解な現象が頻発しており、人々の生活に悪影響を及ぼすケースも確認されています。その影響は大きく、専門の対処機関が設けられるほど深刻な状況にあります。
プレイヤーが操作する主人公は、そうした公的機関では手が回らない依頼を引き受けながら、“異象”の正体や背景へと迫っていきます。
物語序盤から本作独自の用語が登場しますが、細かい設定などは遊びながら覚えていく形でも問題ありません。全てを正確に理解するよりも、少しずつ慣れていく心持ちで遊ぶくらいでも十分です。
そして、こうした説明だけでは語りきれない部分にこそ、実際にプレイして分かる『NTE』の魅力が詰まっています。
■テンポと手応えを両立したアクションバトル
本作のゲーム性の軸はアクションRPGです。“異象”への対処では戦闘が発生することが多く、メインストーリーだけでなく、任意で挑む戦闘やイベントが各地に用意されています。
バトルは全体的にスピーディでありながら、攻撃のヒット時にはしっかりとした手応えがあります。ハイスピードながら攻撃を軽く感じるアクションRPGもありますが、『NTE』は軽快さと重みのバランスが良く、操作する楽しさが心地よさに直結しています。
攻撃手段は複数用意されているものの、1キャラだけに絞ってみると、アクションはそれほど複雑ではありません。通常攻撃のほか、クールタイムが発生するスキルやいわゆる必殺技なども揃っていますが、戦況に応じて使う場面もあるため、通常攻撃が基本になります。
ただし、スキルなどを使用するためのリソースはそれほど重くはないため、いち戦闘でも複数回の発動が可能です。そのため、「ここぞ」という場面でしか発動できない、といった使いにくさは感じません。
また、複雑ではないものの、戦闘中の選択肢が少ないわけではありません。本作はパーティ制を採用しており、いつでも操作キャラを切り替えられます。それぞれの通常攻撃・スキル・必殺技を組み合わせられるため、4人編成なら4人分の選択が加わり、アクションの幅を広げてくれます。
そして、バトル面で特に印象的だったのが「極限回避」の存在です。いわゆる“ジャスト回避”に近いシステムで、成功時には無敵時間が発生し、直後の反撃が強力な一撃へと変化します。
こうしたシステムは他のゲームにもありますが、本作の極限回避は非常に心地よい塩梅でした。
“ジャスト回避”と聞くと、「死にゲー」のような精密な操作を要求されるのでは、と気負う人もいることでしょう。実は筆者もそのひとりで、正直苦手意識があります。しかし、『NTE』では極限回避がよく決まりました。
筆者は、ソウルライク系のゲームで「難易度:ノーマル」より上は決して選びません。その程度の腕前でも、本作の極限回避はたびたび成功し、心地よさを存分に味わうことができたのです。
『NTE』のバトルは、アクションが得意でなくても成功体験を得やすいように思います。そのおかげで、回避から反撃へと繋げる一連の流れも生まれやすく、強い爽快感を味わえる構造になっています。
■都市型オープンワールドが生む“日常と非日常”
『NTE』のもうひとつの柱が、都市生活を体験できるオープンワールドです。ヘテロシティはエリアの区切りが少なく、自由に移動できる広大なフィールドとして構築されています。
海辺を走ったり、花が咲き誇る場所を眺めたり、高所から街並みを見渡したりと、あてもなく散策するだけでも様々な発見に出会えます。
徒歩移動だけでなく、車やバイクによる移動も可能ですし、散策に興味がなければファストトラベルもあります。
また、探索の魅力は景観だけに留まりません。育成素材の収集やイベントの発見に加え、街中で突発的に“異象”やトラブルに遭遇することもあります。そうした平穏な日常の中に、突如として非日常が入り込む構造が、都市型ならではの没入感を生み出しています。
そして、“異象”の対処方法が一様ではない点も、興味深く感じました。単純にバトルで解決する場合もありますが、別世界に飛ばされて法則を読み解いたり、事故の映像を巻き戻して原因を追究するなど、初日のプレイだけでも様々な“異象”に出会いました。
それぞれの“異象”に相応しい対処法を用意するのは、おそらくかなりの手間だったろうと思います。すべてをバトルで片付けるようにすれば、開発する上で楽なのは確かでしょう。
しかし、バトルだけで解決してしまえば、“異象”は「単なる敵」という認識になりかねません。力押しで解決できる現象に、謎めく不可解さを覚えるのは困難でしょう。
あえて手間をかけ、様々な対処法を表現したことで、超常現象である“異象”の異常性や奥深さが際立ち、特別な存在として感じられたのだと思います。日常に潜む非日常感を、手間をかけて丁寧な手法で描いた点にも、好感を覚えました。
■『NTE』で味わった“ちょっとずつ食べたい”プレイ感
プレイを通じて、アクションの快適さと“異象”の豊かな表現、そしてこうした要素を支える都市型オープンワールドの広がりを強く感じました。こうした魅力を持つ一方で、気になる点も皆無ではありません。
まず、設定面で独自要素が多いだけでなく、システム面の情報量もかなり多く、把握するだけでも時間がかかります。また、UIも階層構造が複雑で、慣れるまでは操作に戸惑います。これは「できることの多さ」の裏返しとも言えますが、負担が大きいのも事実です。
そのため『NTE』は、一気に消化してしまうより、毎日少しずつ楽しむスタイルがいいかもしれないと、個人的に感じました。いきなりオープンワールドの全域を探索しようと思ったら、時間もかなりかかる上に、調べ尽くした後の世界は味気なく感じてしまう恐れがあります。
知りたいと思う気持ちに間違いはありませんが、情報や世界を最初に食らい尽くしてしまうより、『NTE』に詰め込まれた刺激を少しずつ味わっていくのが、ちょうどいいバランスかもしれません。
例えるなら、詰め合わせのお菓子をちょっとずつ食べたり、毎日アドベントカレンダーを開けるようなスタイルだと、本作の魅力をより実感しやすいでしょう。
『NTE』は、爽快なアクションと都市探索、そして“異象”という独自要素を組み合わせた意欲的なタイトルです。また、今はサービス開始直後なので、今後のアップデートによってさらに進化していく余地も感じられます。
今回お伝えした実感は、あくまでひとりのプレイヤーが感じた意見に過ぎません。


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