東大生、京大生の就職人気企業はどこ?

就活サイト「ONE CAREER」を運営するワンキャリア(東京都渋谷区)は2023年6月13日に発表した「東大・京大25卒就活人気ランキング」によると、トップ10の中にはコンサル・シンクタンクが7社入り、安定した人気がうかがえた。

では、ほかにはどんな会社が挙がっているのか。

トップ30を見ていこう。

トップ30までにコンサル・シンクタンク12社 商社5社 変わらぬ人気見せる

この調査は、2023年5月26日までの間に、就活サイト「ONE CAREER」ユーザーのうち、東京大学と京都大学、または同大学院に在籍する2025年卒学生の1676人を対象に、「ONE CAREER」における企業別のお気に入り登録数をもとに集計した。

さっそくランキングを見てみると、1位は「野村総合研究所」(前年から順位変わらず)、2位は「ボストン コンサルティング グループ」(前年同期比6順位上昇)、3位は「デロイト トーマツ コンサルティング」(同7順位上昇)、4位は「アクセンチュア」(同3順位上昇)、5位は「ベイカレント・コンサルティング」(同7順位上昇)となった。

1位から10位までの間に、コンサル・シンクタンクが7社入っている。

唯一入った商社は「三菱商事」(6位)だが、昨年度と比較して4位順位を落とした。また、メーカーからトップ10に入ったソニーグループは、前年同期比と比較して12ランクアップとなっている。

11位から20位までを見てみると、ここでもコンサル・シンクタンクが4社入り、商社も4社ランクインしている。しかしながら、11位の「三井物産」は8ランクダウン、18位の「住友商事」は2ランクダウン、14位の「伊藤忠商事」は1ランクアップ、19位の丸紅は4ランクアップなど、各社によって順位変動は大きかったようだ。

さらに30位まで順位を広げてみると、IT系の企業では15位のNTTデータと21位のサイバーエージェントがそれぞれランクアップした。

なお、トップ30の中で、ランクアップの数字が大きかったのが26位の「三井住友銀行」で23位順位を上げたことになり、銀行の安定した基盤に人気があるのかもしれない。

同社は、次のように分析する。

「6月は早期から就活に取り組む学生の傾向が結果に反映されやすい時期です。

ここ数年の傾向として、早期に内定が獲得できるコンサルティングファームが上位にランクインしています」
「25卒でもトップ10のうち7社はコンサルティングファームが入るなど、コンサル人気は変わらない状況といえるでしょう。
その他の業界でも商社、デベロッパーなど毎年人気の業界が上位に来ています。25卒の人気企業は全体的には大きな変化はなく、安定志向がうかがえる顔ぶれでした」
「この結果は、早期から就活に取り組む学生たちの志向性や傾向を反映したものであり、コンサルティングファームで成長機会を掴み、幅広いキャリアパスにつながることから高評価を得ていると考えられます」
外資金融は大きく順位を上げる 東大生・京大生が注目するスタートアップ企業は?

一方で、アメリカでの銀行破綻や大規模な人員削減など、ネガティブなニュースが続いている外資系金融機関だが、今回の調査結果では、ランキングの順位を上げる企業が目立ったという。

「ゴールドマン・サックス」が8位順位を上げ24位に。「モルガン・スタンレー」は12位上げて30位になり、「J.P.モルガン」は2位順位を下げて55位にランク入りを果たした。

同社は以下のように解説している。

「外資系金融機関は、金融の専門性が身に付く点や、高い年収などで以前から人気のある業界です。
将来の転職を前提に就活をしている25卒の中には『入社先が破綻しても、それまでにスキルを身に付けられれば転職できる』と考えている層もいるのかもしれません」

東大生と京大生が注目しているベンチャー・スタートアップ企業はどこか。傾向としては、過去の人気企業が上位を占める一方で、順位を下げた企業もあったという。

上位に入ったスタートアップ企業では、BtoB事業を展開している会社が目立った。なかでも、大きく順位を伸ばしたのは276位の「セーフィー」で653ランクのアップとなった。

同社はこう説明する。

「セーフィーは、セキュリティ技術の革新性と信頼性が認められ、企業への導入実績を順調に伸ばしています。
『ONE CAREER』に投稿されたクチコミでは『映像におけるプラットフォームを作りたいという大きな夢に非常に惹かれた』といった声があることからも、事業としての成長性を見て、これらの企業が選ばれていると言えるでしょう」