「汗を出す汗腺は2つあります。ひとつは全身にある『エクリン腺』で、体温を調節して汗を出します。

もう一方の『アポクリン腺』は脇の下や陰部に多くあり、こちらが主にイヤな臭いを発生させます」

そう話すのは、女性の肌のデリケートな悩みについてのアドバイスに定評がある内科医・皮膚科医の友利新先生。汗をかく機会が多い暑い夏は、この汗腺の詰まりなどが臭いトラブルの原因となるという。

そこで友利先生がアドバイスするのは、日常生活のなかで「洗う」観点から毎日の習慣を見直し、体臭につながるもとを断つことだ。気になる臭いのもととなる汚れを洗い流すためのポイントを見ていこう。

【1】ボディソープは「殺菌成分」のあるものを

汗に雑菌が混ざった臭いを殺菌効果する「イソプロピルメチルフェノールとグリチルリチン酸ジカリウム」の成分の入ったせっけんやボディソープで洗って、ニオイの発生を防ごう。

【2】衣類の洗濯は「お湯モード」で

洗濯物はお湯洗い機能でしっかりと洗い、皮脂汚れを落としたい。

機能が付いていない場合でもクイックモードや時短モードは避け、きちんと洗浄することを心がけたい。

【3】足の指の間までしっかり洗う

体や頭、髪の毛はしっかり洗っていても、足の指と指の間の洗い方が不十分という人は意外と多い。足の裏の角質もニオイのもととなるため、きちんと洗う習慣を。

■洗顔時の保湿が大切

【4】洗顔時はきちんと保湿を心がける

顔に分泌された皮脂や汗が残ったままだと、これもニオイのもとに。洗顔はしっかり行おう。同時に、過剰皮脂を招く原因となる肌の乾燥を防ぐために保湿ケアもぬかりなく。

「体を洗うときは、全身くまなく。なおざりにしがちな足の指の間もしっかり洗いましょう。そして、洗ったらしっかり乾かすこと。足の裏は蒸れやすいので、きちんと拭いて乾かしてください。また最近は髪を洗うのにシャンプーを使わない人もいますが、それでは皮脂汚れやベタつきをきちんと取り除くことができません。シャンプーを使って汚れを洗い流すようにしましょう」(友利先生・以下同)

そして、自分の体だけでなく、身に着けるものもきちんと洗うようにしたい。

「衣類についた皮脂の汚れも、臭いの原因のひとつ。洗濯物は40度以上のお湯で洗うことで、皮脂の汚れが落ちやすくなります」

体や衣服の洗い方に注意して、気になる臭いのケアをしよう。