9月30日に肺がんのため72歳で死去した落語家の六代目三遊亭円楽さん。故人の追悼コーナーを設けた10月2日放送の『笑点』(日本テレビ系)の平均世帯視聴率は17.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だった。

「前週と比較して視聴率が約7%も上昇しており、くしくも円楽さんの“不動の人気”を証明する形になりました。円楽さんは‘77年からレギュラーに抜擢後、大喜利では“腹黒”のキャラクターで人気を集め、45年の長きに渡り同番組の中心メンバーとして活躍。

今年1月に脳梗塞で倒れ、入院。『笑点』も休まざるを得なくなり、2月放送分から亡くなる直前まで桂文枝さん、文珍さんや春風亭小朝さん、立川志らくさんといった大物落語家のゲスト出演でその穴を埋めていました。一部で今年の年末に円楽さんの降板が発表されるとありましたが、番組としてはずっと“席”を空けて待っていたそうです」(日テレ関係者)

円楽さんは16年、司会者が桂歌丸さんから春風亭昇太(62)へと変わった当時の本誌のインタビューで、『笑点』における自らの“天命”をこう語っていた。

「要するに、大喜利をコーディネートしていかなくちゃいけない。

年寄り連中と若手の間のジョイント役、あるいは大喜利のメンバーとテレビ局とのジョイント役として。これが、これから『笑点』=大喜利で、私がはたすべき役割だと思っています」

『笑点』を愛し、視聴者からも愛された円楽さん。日本テレビが苦慮しているのは『笑点』の後任だという。

「正直、『笑点』において、円楽さんは何人にも代えがたい存在。大物落語家の方も『円楽さんの後なんて、とてもじゃないが私には務まらない』と漏らしていたそうです。しばらく“空位”にするしかないという話も聞こえてきました」(前出・日テレ関係者)

そこで浮上したのが、『笑点』の大幅なイメージチェンジ案だという。

■『大人AKBオーディション』の最終選考に残ったことも

「“あの人”の可能性は大いにある」

そう語るのは、落語界に精通した演芸ライターだ。

「次は『笑点』で初めて女性落語家が選ばれるのではないでしょうか。それも蝶花楼桃花一択と言っていいでしょう」

蝶花楼桃花(41)はもともと女優志望で‘14年にはアイドルになるため『大人AKBオーディション』の最終選考に残ったことも。‘17年には短編映画の主演も務めるなど、マルチに活躍している女流落語家だ。

「桃花は春風亭小朝の弟子で、今年3月に真打に昇進。『笑点』の若手大喜利や女流大喜利にも出演しており、9月4日放送の『笑点』では満を持して大喜利のゲスト回答者として登場しました。

社会風刺を交ぜた正統派の回答とアラフォー女子の自虐的なキャラを活かして反響は上々。落語界では以前から“上手い、可愛い、華がある”三拍子揃った新星と話題で、レギュラーメンバーの大御所たちからもかわいがられている逸材です」

前出の日テレ関係者も言う。

「『笑点』のデータ放送では、視聴者が座布団をとったり、あげたりできる機能が備わっているのですが、桃花さん出演回の放送後は、桃花さんが2万9253枚とメンバーで最高得票を獲得したのです。スタッフもあまりの反響に驚いていたとか」

演芸ライターが続ける。

「あまりにも円楽さんの死が突然だったこともあり、よりフレッシュな落語家が選ばれるのではないでしょうか。ほかにも若手実力派の春風亭一之輔や、桂宮治を生んだ落語ユニット『成金』(現在は解散)のメンバーはいいものをもっておりそこから選ばれる可能性もあります。

いずれにせよ、よく“メンバーの若返りを図っている”などと言われていますが、こうやって自然と新陳代謝していくのが『笑点』の強みです」

円楽さんを失った『笑点』は大きな転換期を迎えるかもしれない。