4月12日に開催された第93回自民党大会は、ソプラの歌手・鶫(つぐみ)真衣氏(38)による国歌斉唱で開幕。鶫真氏といえば、“自衛隊の歌姫”とも称される現役の陸上自衛官だ。

「鶫氏は音大卒業後、’14年に陸上自衛隊初の声楽要員として入隊。’22年から中央音楽隊に配属されています。党大会では、冒頭で“現役自衛官兼ソプラノ歌手”である旨が司会者から紹介され、鶫氏は制服を着用の上で登壇し、国歌斉唱をリード。自民党の北村経夫参院議員(71)がSNSで明かしたところによると、党大会における自衛官の国歌斉唱は初めてとのことです」(政治部記者)

党大会終了後、小泉進次郎防衛大臣(44)はXで制服姿の鶫氏と握手する2ショットを公開し、《今日は一年に一度の自民党大会。全国から党員らが結集する自民党にとって重要な場で国歌斉唱の大役を担ってくれたのが、陸上自衛隊の鶫真衣(つぐみ・まい)さん》と報告。

続けて、《凛とした君が代が大会場に沁み渡りました。鶫さんをはじめ自衛隊の音楽隊を誇りに思います》と感想を記したのだが……。現役自衛官が制服着用で党大会に出演し、その肩書きが明示されてたことをめぐって、自衛隊法61条(政治的行為の制限)の「政治的行為」に該当するとし、中立性の観点から批判が噴出した。

防衛省は本紙の取材に対し、「当該自衛官は、職務ではなく、私人として、イベント会社からの依頼を受けて、国歌を歌唱したものです」と説明。同法との兼ね合いについては、「隊員の政治的行為の制限について定められていますが、国歌を歌唱することが政治的行為に当たるものでもなく、今回の件は、自衛隊法違反に当たらないと認識しています」と明かしている。

自民幹部、所管の小泉氏に説明を求める声が上がる中、鈴木俊一幹事長(73)は13日の会見で、党大会を企画する会社が「(鶫氏)個人に対してお願いした」と話し、「国歌斉唱に政治的意味合いはない」と政治的行為には該当しない旨を説明。

いっぽう、小泉氏は14日の国会で「国歌斉唱は政治的行為にあたるものではなく、自衛隊法違反に当たらない」と強調。

さらに、鶫氏の出演について「イベント会社からの依頼と聞いている。依頼をされたうえで服務の方に相談したが、最終的に私の方に報告が上がってこなかった」と経緯を説明。

制服着用については「着用義務があり、公務でなくても制服を着ることに問題はない」と述べた。なお、小泉氏は先述のX投稿を13日時点で削除していたが、その経緯について、同日の閣議後会見では「事実関係等を確認するため、一旦投稿を取り消すこととした」と話している。

このように、制服を着用した上での国歌斉唱には何ら問題ないという認識で一貫しているが……。

「そもそも、問題視されているのは国歌斉唱という行為ではなく、自衛官が肩書きを明示した上で政党のイベントに出席したことですが、その点に関する評価には消極的なようです。いずれにせよ、私人だから問題ないと言い切る説明はかなり無理筋でしょう。また、“イベント会社の依頼”“報告が上がってこなかった”と説明していますが、他責にも聞こえ、そのような発言が党幹部や閣僚としてふさわしいと言えるでしょうか」(前出・政治部記者)

実際、Xでも一連の騒動における問題点や、鈴木氏、小泉氏の発言をめぐって、以下のような疑問の声が上がっている。

《今になって小泉大臣が「私人だった」と。いくら何でもそれは無理》
《だから、国歌を歌うことが違反じゃなくてさ 党大会にどういう立場で来てたのかのつじつまが合ってないから批判されているんだろ》
《自民党の他責思考、どうにかならんの?一応 国の代表だよね??》

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