7日、学歴詐称疑惑で静岡県伊東市の前市長を辞職していた田久保眞紀氏(56)に対し、市民の有志が監査委員へ住民監査請求を行った。現在の伊東市長・杉本憲也氏(44)に対し、市議会議員選挙と市長選挙に要した費用およそ8,200万円あまりを請求するよう勧告することを求めているという。

「伊東市の監査委員に対し監査請求を行なったのは、市民有志でつくる団体『田久保前市長×1億円請求プロジェクト』のメンバーです。7日に会見を開いた同団体の関川永子代表は、“説明責任を果たさない政治は許されない”と話しており、昨年10月の市議選と12月の市長選にかかった費用に対し、公費支出の違法性を問うとしています」(地方紙記者)

田久保氏は、2月14日に自宅に静岡県警による家宅捜索が入ったと報じられた。その後、市議会で虚偽証言をしたとする地方自治法違反容疑で静岡地検に書類送検され、3月27日にも有印私文書偽造・同行使の疑いで追送検されていた。同月30日には、卒業証書を偽造した罪などで在宅起訴されていた田久保氏だが、捜査が進むにつれて明らかになったのは、その計画性と悪質さだ。

「捜査関係者への取材や一部報道によると、田久保氏は卒業証書の偽造のための東洋大学長や法学部長の印鑑を業者に発注した“大胆すぎる偽装工作”を行なっていたそうです。報道が事実であれば、提出を求められた直後に印鑑を偽造してニセの証書を作り、市議会議長らに“19.2秒チラ見せ”していたということになります。当初の“卒業したと勘違いしていた”発言は真っ赤な嘘ということになり、市民団体が主張する“2度の不必要な選挙”に対する公費支出の違法性は、妥当と言えるかもしれません」(前出・地方紙記者)

住民監査請求が行われた件がネットニュースで報じられると、コメントでは田久保氏に対する責任を問う、以下のような声があがっていた。

《この問題がこんなに大きくなる前に卒業と記載したことは誤りですと認め謝罪していたら市民の反応はどう変わってたのかな?とも思う》
《学歴詐称が公になったとき、素直に認めて対処してたら、こんなに大事になることはなかったのに。益々ドツボにハマり愚かでしたね。》
《嘘をついた代償は大きいね。愚かとしか言いようがない。》
《1つの嘘から始まってついに8000万円の請求。

誠実に生きる大切さを教科書に載せたい。》
《ご自身の学歴詐称、その後の対応の責任と代償は非常に大きいと思います。》

昨年2月には、田久保氏が書類送検されたことを受け、裁判で有罪になった場合などは損害賠償を求める構えを示していた杉本市長は、「給与返還や、場合によっては損害賠償請求の手続きは、市が取るべきものなのでしっかり対応したい」と報道陣に向けて語っていた。だが、別の地方紙記者によると「住民監査請求が認められるかは難しいかもしれない」とも。

「同請求で思い起こされるのは、最近では大川原化工機冤罪事件の例があげられます。同社側が’25年11月に東京都に住民監査請求を行ったことを受けて、’26年1月に東京都が払った約1億8500万円の賠償金をめぐり、都の監査委員が警視庁公安部で違法な捜査を行ったとされる元幹部ら3人に対し計528万円の負担を求める“異例”の勧告を行いました。

しかし、全国の都道府県で監査請求があったもののうち、認められたのは年に数件ほどで、’21年度では1件も認められなかったということも。それだけ住民監査請求が認められるハードルは高く、田久保氏の場合もどうなるかは不透明といえるでしょう。また、市民団体が主張する市議選と市長選の選挙費用も、両方を求めるのは少々厳しいかもしれません」(前出・別の地方紙記者)

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