黒と赤を基調にした伝統衣装に身を包んで登壇した李さんは、「生まれさせられてしまったことに対して、やり場のない怒りと絶望感を抱きながら生きてきました」とこれまでの苦しみを吐露。
また、受賞が発表されてからインターネット上で心無い言葉や誹謗(ひぼう)中傷が投げかけられたことについては、「私が文学を通して、私の文学を通して一貫して抵抗しようとしてきたもの」と一蹴した。
台湾と日本については「大切な場所です」とした上で、「間違いなく私の文学の血肉となっています」と語った。さらに「いつか文芸誌で李琴峰の追悼特集が組まれるその日が来るまでに、あと何作か世を驚かす小説を残すことができたら作家冥利に尽きる」とし、今後の創作活動に意欲を見せた。
選考委員の吉田修一さんは、李さんを「私が想像している以上の大きな世界で注目され、活躍される方だと思います」と語り、「小説を書き続けてください」と激励した。
(楊明珠/編集:齊藤啓介)