(台北中央社)立法院(国会)は29日の本会議で、行政院(内閣)原子能委員会(原子力委員会)を中央3級独立機関の「核能安全委員会」に改編する関連法案を可決した。独立機関とすることで原子力安全規制組織の独立性を高め、原子力安全を確保する。


行政院は昨年、核能安全委員会の設置を含む組織改編法案を閣議決定していた。現行の原子力委は行政院の下に2級部会(省庁)として置かれている。

原子力委は今年4月に提出した資料で、東京電力福島第1原発事故以降、原子力発電を利用する世界各国が原子力規制機関の独立性や規制効果の向上を積極的に検討していると指摘。行政院は国際原子力機関(IAEA)の要求を鑑み、各国の組織設計などを比較しながら台湾の原子力規制機関の運用形態を改めて調整したと説明した。

可決された核能安全委組織法では、同委は独立して職権を行使すると明記。5~7人の委員を置き、そのうち1人を主任委員(閣僚)にすると定めた。
原子力や放射能、核物質、放射性廃棄物に関する規制の策定や原子力安全の管理、原子力事故に関連する整備や対応、復旧の監督や調整などの業務を担う。

原子力委の官僚によれば、核能安全委の業務は原発の退役や高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の処理が主軸になる見通し。人員配置や予算規模は現在と変わらないという。施行の詳しい時期は未定だとした。

(王揚宇/編集:名切千絵)