同フォーラムはNPO法人、福島台湾経済文化交流協会(福島県)が主催。台湾で福島を応援する活動を行う非営利組織、福島前進団などが協力した。
木野氏は講演で、汚染水の浄化処理の仕組みや処理水の海洋放出後のモニタリング、海洋放出を選択した理由、安全性を示すデータなどについて説明。「大切なのは情報公開」だと述べ、メンテナンスの情報などを含めて世界中に情報を発信し、これを継続していくことが重要だと語った。
木野氏によれば、同フォーラムに協力する団体から「処理水について不安を抱いてる人もいるため、台湾の専門家と意見交換をしてもらえないか」との要請があり、登壇が決まったという。木野氏が海外で処理水について説明するのは初めて。
東京電力福島第1原発での汚染水の浄化処理について講演した清華大学工学システム科学科・研究所の葉宗洸卓越教授は、処理水の放出後に台湾で塩の買いだめが発生したことに触れ、「ばかばかしい」と一蹴。処理水に含まれる放射性物質トリチウムは水の形態で存在するため、純塩に存在することはないと説明した。また、国際原子力機関(IAEA)の調査団が10月下旬に訪日したものの、台湾は国連に加盟していないため、調査団のメンバーには台湾の専門家が含まれていないと指摘。日本政府に対し、全ての利害関係国の専門家を招いて放水口で定期的に海水サンプルの採取をさせた上で、サンプルを持ち帰って分析することを認めるよう呼びかけた。
フォーラムでは木野氏や葉氏らによるパネルディスカッションも行われた。
(名切千絵)