鹿野は小学生の頃から昆虫採集を始め、その後日本統治時代の台北高等学校に進学。民族学にも興味を抱き、当時紅頭嶼と呼ばれた東部の離島、蘭嶼では約200日間滞在して研究に没頭した。劉さんは今月上旬、鹿野の台湾での活動をまとめた書籍「流火―鹿野忠雄的台湾養成」を出版。ドキュメンタリーは約2年にわたって劉さんに密着した。
16日に台北市内で開かれた記者会見で劉さんは、約100年前に鹿野のように台湾をくまなく踏破した人は決して多くないとした上で、鹿野がどうやって育ったのかや、台湾を自身の主な活動拠点にした姿勢に興味を持ったと説明。書籍は「硬い内容になってしまった」としながらも、ドキュメンタリーでは比較的容易に鹿野の世界に入り込めるだろうと語った。
プロデューサーの徐蘊康さんは、劉さんが鹿野の足跡をたどる様子や、文学、自然、博物学を探究する姿を見られるとアピール。書籍の編集を担当した劉さんの妻、朱恵菁さんはドキュメンタリーについて、鹿野が生きた時代を立体的に表現しただけでなく、真実の劉克襄をはっきりと見られると語った。
ドキュメンタリーは20日にユーチューブチャンネル「芸術很有事」でも公開される。
(邱祖胤/編集:齊藤啓介)