
ノルウェーの研究グループが、なんだか大きな風船みたいな不思議な物体に海で遭遇したそうだ。
その問題のゼラチン質の物体は、10月5日に、調査船「REV Ocean」のダイバーたちが、ノルウェー北西にあるオルスタフィヨルデン(Orstafjorden)で、海の健康状態のモニタリング調査を進めていた際に遭遇した。
人間の大人でもすっぽり入れるだろう幅4メートルもある巨大風船の正体は、イカの赤ちゃんのゆりかごである。つまり、無数のイカの卵がつまった卵嚢だったのだ。
近くにいるダイバーと比較すれば、どれだけ大きいかがわかるってもんだろう。
[動画を見る]
Blekksprutgeleballダイバーが遭遇した巨大なイカの卵嚢 「正体が分かりました!10本の腕を持つイカの卵嚢です!」REV Oceanは公式twitterでツイートした。
深海でない領域をただようイカの卵嚢は、数日もすれば海の中に消えてしまうために、海洋生物学者にとってもめずらしいという。
[画像を見る]
イカの卵嚢は、時には数メートルにも及ぶ巨大な粘液の塊となる。その中には何万個もの卵が入っている。
イカの種類によって卵嚢の形状が異なる イカの種類によって卵塊の形が異なるようだ。例えば、熱帯・亜熱帯海域に分布するソデイカ(Thysanoteuthis rhombus )の卵嚢は、透明な長いチューブに卵の糸が巻き付いた、スリンキー(ばね状の玩具)のような形をしており、最大で43,800個の卵が入っている。
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ソデイカの卵嚢
一方、アメリカオオアカイカ(Dosidicus gigas)の卵塊は透明なビニール袋のようで、4メートルもあるものが2015年にNational Geographicによって撮影された。
[動画を見る]
Giant Ball of Squid Mucus Discovered by Divers |アメリカオオアカイカの卵嚢
アメリカオオアカイカの卵嚢はゆっくりゆっくりと海の底へ向かって沈んでいき、水深150メートルを超えてからイカの赤ちゃんが誕生するという。
卵嚢が大きくなる理由は? 卵嚢がこれほどまでに大きくなる理由は正確にはわかっていない、捕食者から保護する為ではないかと言われている。
これまでの研究から、卵嚢の粘液は保護バリアとして細菌や感染症からイカの赤ちゃんを守っていることが示唆されている。
2012年の論文によると、海洋生物学者が体外受精により実験室でイカを飼育しようとしたところ、卵嚢がないと感染症にかかりやすく、数時間で死んでしまうことがわかった。
卵嚢は最初は小さく、卵が産みつけられるにつれて大きく成長すると考えられている。
てっきり巨大イカの卵だと思ってしまったが、そういうわけではなかったようだね。それにしても深海は相変わらずロマンに満ち溢れていることよ。
REV Ocean/ written by hiroching / edited by parumo
追記:(2022/04/23)本文を修正して再送します。
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』
その問題のゼラチン質の物体は、10月5日に、調査船「REV Ocean」のダイバーたちが、ノルウェー北西にあるオルスタフィヨルデン(Orstafjorden)で、海の健康状態のモニタリング調査を進めていた際に遭遇した。
人間の大人でもすっぽり入れるだろう幅4メートルもある巨大風船の正体は、イカの赤ちゃんのゆりかごである。つまり、無数のイカの卵がつまった卵嚢だったのだ。
近くにいるダイバーと比較すれば、どれだけ大きいかがわかるってもんだろう。
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Blekksprutgeleballダイバーが遭遇した巨大なイカの卵嚢 「正体が分かりました!10本の腕を持つイカの卵嚢です!」REV Oceanは公式twitterでツイートした。
深海でない領域をただようイカの卵嚢は、数日もすれば海の中に消えてしまうために、海洋生物学者にとってもめずらしいという。
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イカの卵嚢は、時には数メートルにも及ぶ巨大な粘液の塊となる。その中には何万個もの卵が入っている。
イカの種類によって卵嚢の形状が異なる イカの種類によって卵塊の形が異なるようだ。例えば、熱帯・亜熱帯海域に分布するソデイカ(Thysanoteuthis rhombus )の卵嚢は、透明な長いチューブに卵の糸が巻き付いた、スリンキー(ばね状の玩具)のような形をしており、最大で43,800個の卵が入っている。
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ソデイカの卵嚢
一方、アメリカオオアカイカ(Dosidicus gigas)の卵塊は透明なビニール袋のようで、4メートルもあるものが2015年にNational Geographicによって撮影された。
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Giant Ball of Squid Mucus Discovered by Divers |アメリカオオアカイカの卵嚢
アメリカオオアカイカの卵嚢はゆっくりゆっくりと海の底へ向かって沈んでいき、水深150メートルを超えてからイカの赤ちゃんが誕生するという。
卵嚢が大きくなる理由は? 卵嚢がこれほどまでに大きくなる理由は正確にはわかっていない、捕食者から保護する為ではないかと言われている。
これまでの研究から、卵嚢の粘液は保護バリアとして細菌や感染症からイカの赤ちゃんを守っていることが示唆されている。
2012年の論文によると、海洋生物学者が体外受精により実験室でイカを飼育しようとしたところ、卵嚢がないと感染症にかかりやすく、数時間で死んでしまうことがわかった。
卵嚢は最初は小さく、卵が産みつけられるにつれて大きく成長すると考えられている。
てっきり巨大イカの卵だと思ってしまったが、そういうわけではなかったようだね。それにしても深海は相変わらずロマンに満ち溢れていることよ。
REV Ocean/ written by hiroching / edited by parumo
追記:(2022/04/23)本文を修正して再送します。
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