そろそろ見つかりそうなので。エイリアン発見を公表する為のガイドラインをNASAが発表
 最近打ち上げられたジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、数年以内に天文学に革命を起こすと言われており、我々がこれまで知ることができなかった宇宙の秘密を解き明かしてくれることが期待されている。

 宇宙誕生の瞬間へ向かって過去にさかのぼり、ダークマーターの謎を解き明かすのはもちろん、エイリアンがいる遠い世界を見つけてくれるかもしれない。


 でも本当にエイリアンを発見してしまったら? 世の中を混乱させることなく、政府は世紀の大発見を公表することができるだろうか?

 最近NASAが、地球外生命の発見を公表するためのガイドラインを作成したのは、そんなことを懸念したからだろう。

地球外生命体が発見される可能性は現実的 そのガイドラインは、昨年10月『Nature』に掲載された。もちろん、そんなものを作成したのは、地球外生命体の発見が現実的なものだからだ。これについて、ガイドラインは次のように述べている。

 「私たちの世代が地球外生命を発見する可能性は、現実的なものだ。」

 だから、その時が本当にきたら、それを世間に正確に伝える必要がある。さもなければ、やたらと大袈裟に喧伝されて、社会に無用な動揺や誤解を与えることだろう。


 「この特権的な可能性には責任が伴う。私たちは宇宙で孤独な存在なのかという疑問の重大さと、それに対する人々の関心の高さゆえに、観測結果がその裏付けや観測者が意図する以上の意味で受け止められる可能性がある。」

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NASAの地球外生命体公表ガイドライン このガイドラインでは、一番最初の地球外生命のサインの検出から、最終的な確認にいたるまでの段階が、7つのレベルで分けられている。

 レベルと言っても、地球外文明の発展レベルを表しているわけではない。そうではなく、検出された生物の痕跡(「バイオシグネチャー」や「生物存在指標」という)が本物かどうか確かめるためのステップだと思えばいい。

 たとえば、最初に生物の存在を示唆しているらしきバイオシグネチャーが見つかった段階がレベル1だ。次にレベル2では、これが汚染が原因である可能性が検証される。


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image credit:NASA

政府は本当に真実を公表するのか? こうしたガイドラインがあったからといって、政府が本当に真実を公表するかどうかは別問題だ。

 最近のアメリカ政府は、「未確認航空現象」(UAP、すなわちUFO)について調査する新組織を設立し、その正体を解明するべく本格的な調査に乗り出している。だが過去を振り返れば、ロズウェル事件など、数々の隠蔽工作が行われていた可能性は濃厚だ。

 あるいは政府に真実を公表する意思があったとしても、そうすることが最善であるとは限らない。

 宇宙人の存在を公にする危険性について、TNW誌は映画『メン・イン・ブラック』の台詞を引用して説明する。

 この作品の設定では、地球にはすでに多くの異星人が訪れているが、そのことは一般人には隠されている。
その理由について、あるエージェントはこう述べる。

 「1人の人間は賢い。だが集団になると、愚かで、パニックを起こす危険な動物だ。」

 さて、みんなはその時がきたら、理性的に行動できるだろうか?

References:How should NASA break the news if it discovers alien life in 2022? / written by hiroching / edited by parumo

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