激レアの茶色パンダが進化した。チーザイは二足立ちを覚えた
 過去にカラパイアでもお伝えした、色違いポケモンならぬ、色違いパンダ、チーザイ(Qizai)は、通常なら真っ黒の毛の部分が茶色という希少なパンダで国宝級に珍しいという。

 中国の陝西省の山林の中で母親に育児放棄されていたところを保護され、現在は秦嶺(シンレイ)ジャイアントパンダ研究センターで飼育されている。


 そのチーザイが、どうやら進化したようだ。やけに二足立ちが上手くなっているのだ。なんならそのまま二足歩行もできる。「チーザイはにそくだちをおぼえた」とかいうやつだ。

稀少な茶色パンダのチーザイが二足立ちを覚える 生後2か月で、母親に捨てられ保護された茶色パンダのチーザイ(オス)は、世界で唯一保護された茶色パンダである。

 現在、チーザイは陝西省にある秦嶺(シンレイ)ジャイアントパンダ研究センターで飼育されているが、その毛色の違いからか、母親に育児放棄され、施設では他のパンダにいじめられ、悲しい目にあっていた。


 辛い境遇を乗り越え、13歳になった今、彼は「二足立ち」を覚えたようだ。二足立ちからの二足歩行までいける。

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 研究センターが公開した動画には、飼育係が棒の先に食べ物をつけてチーザイの顔の前にかざすと、それを取ろうとしたチーザイが後ろ脚だけで立ち、前脚を食べ物に伸ばす姿が捉えられている。

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World's only captive brown panda takes more exercise for upcoming breeding season二足歩行は体力トレーニングの一環 実は、この動作は体力トレーニングの一環として行われているという。

 同センターでは、通常飼育下のパンダ全てに春の繁殖期前の1日2回、この体力トレーニングを行うそうだ。

 このように訓練させることで、パンダは脚を強化し、スタミナと繁殖能力が向上すると専門家は述べている。


 メスのパンダは1年に1回、48時間しか発情しない。オスのパンダにとっては、その2日間が頑張り時というわけだ。

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チーザイの赤ちゃんを望む声 茶色パンダが初めて秦嶺(シンレイ)山脈で発見されたのは、1985年のことだそうだ。

 チーザイは、2005年に最初に認識されたジャイアントパンダの亜種とされ、茶色と白色の毛皮に加えて、四川省の亜種よりもより小さくて丸い頭蓋骨と短い鼻が特徴だ。

 アメリカの獣医で保全写真家の国際メンバーでもあるキャサリン・フェンさんは、次のように述べている。

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World's only captive brown panda QiZai thrives in NW China
パンダの茶と白の着色には、遺伝的根拠があると思われます。
2重劣性遺伝子や遺伝子の組み合わせ、または希釈因子遺伝子の結果である可能性があります。
 ちなみに、チーザイの母親は白黒のパンダだったそうだ。

 繁殖期も短く、繁殖力もあまり強いとされていないジャイアントパンダは、世界自然保護基金の調査によると、現在主に四川省の高地の山々やチーザイが保護された陝西省の山林に、わずか1864頭のみが生息しているという。

 センターでは、2018年に18歳のメスのパンダとの交尾をチーザイに試みたが、妊娠には至らなかった。その後2020年の3月も、6歳のメスを含む数頭のメスパンダとの交尾を試みるも、失敗に終わったという。

 センター職員らは、今度こそ希少な茶色パンダの子孫をと期待しているようだ。


 今回の体力トレーニングを受けたチーザイが精力もアップし、繁殖に成功するのかどうか、気になるところだ。

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written by Scarlet / edited by parumo

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