民家に突然人間の頭蓋骨!アナグマが墓を掘り起こして人間の遺骨を運んでいた
 イギリスの住宅街では、野生のリスやキツネ、ハリネズミなどをよく見かけることがあるが、アナグマ(ヨーロッパアナグマ)もその1種だ。

 ある日突然自分の庭に人間の頭蓋骨を見た住民は、恐怖で戦慄したがすぐにの犯人が明らかとなる。


 犯人はなんとアナグマだったのだ!墓地に巣を作ったアナグマたちは、埋められた遺骨を掘り起こしては、民家に運び出していたのだ。

民家の庭にゴロンと人間の頭蓋骨が落ちていた ウエスト・ミッドランズ地方ダドリーに住むアン・マザーズさん(88歳)は、ある日庭に人間の頭蓋骨があるのを見て、恐怖に慄いた。

 すぐに娘のロレーヌ・ロイドさん(60歳)に連絡すると、ロレーヌさんは警察に通報した。

 駆け付けた警察は、アンさんの敷地を“事件現場”として封鎖した。だがのちにその犯人が明らかとなる。人間ではなく野生のアナグマだったのだ。


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Elderly gran spooked after human skull and bones dumped in her garden by BADGERS | SWNSアナグマが墓地から遺骨を掘り起こしていた アンさんの家は、教会墓地のちょうど裏手にある。アナグマは墓地を巣にしていたようで、そこから掘り起こした遺骨を、公共の歩道を経由してアンさんの庭に運び込んでいたようだ。

 アナグマは、穴掘りをして巣を作り、地下に複数の部屋と出入口を作り、巨大な地下通路を張り巡らす。地下通路は長さ80mに及ぶ。通路をつくるのに人間の遺骨が邪魔だったのだろう。

 庭からは頭蓋骨の他にも大腿骨やあごの下部の骨など数点の遺骨が見つかった。
これらは、誰かの愛する人だった遺骨なんです。こんなふうに掘り起こされてしまうなんて恐ろしいことです。
 このように話すロレーヌさんや近所住民らは、評議会に路地を閉鎖するよう求めた。

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イギリスではアナグマの墓荒らしはよくあること イギリスでの、野生のアナグマによる墓荒らしはこれが初めてではない。地域によっては定期的にアナグマが掘り起こした穴が墓のあちこちに見られるという。

 ちょうど1年前の今頃も、北西部ノーサンバーランドのベリック=アポン=ツイードでアナグマの群れが墓を荒らしているというニュースが報じられた。


 墓地で巣を作って繁殖している群れが、墓を掘り起こしていたのだ。当時、墓地で一度に40匹のアナグマを見た住人もいるという。

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'Grave robbing' badger colony wreaks havoc digging up gravestones at cemeteryイギリスではアナグマは保護対象 かつてイギリスでは、アナグマは、田畑を荒らすことから駆除対象となっていたが、現在では法の下で保護されるべき野生生物となっている。
アマグマは法で保護されているので、誰もアナグマに危害を加えたくはないのです。ですが、私たちの愛する人が眠る埋葬地も破壊してほしくありません。解決は難しいでしょう。
(アナグマ目撃者)
 確かに、誰かの墓がアナグマによって荒らされ、遺骨が持ち出されているという事態は深刻だ。

 今回、ダドリーで嘆願書を評議会に提出した評議員のシャズ・サリームさんは、このように述べている。
この問題が住民にとってトラブルとなっていることから、アナグマの群れを地域から移動させてはどうかという案を評議会に提出しました。

野生のアナグマが土を掘ったり、餌を探したりするのは自然な行為ですが、遺体が眠る墓地を掘り起こして骨を取り出し、墓を破壊するのは自然なことではありません。

墓地からアナグマを人為的に取り除く権利は、私たちにはあります。とはいえ、アナグマは保護されるべき種なので、解決のために専門の生態学者と協力して対処していく予定です。


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 アナグマの保護おいては、特定の状況下でのみ許可され、環境省「ナチュラル・イングランド」からの特別な許可が必要となる。

 そのため、アナグマを勝手に移動させたり、墓を掘り起こす行為を防止するための措置を講じたりすることは、非常に困難となっている。

 ひとまず、正式な解決法が出るまでは、各地域がアナグマによる被害を最小限に抑えるため、毎日の墓地監視に加えて引き起こされた墓の損傷を特定して修復するという対応を行っているということだ。

References:A Badger Kept Bringing Human Remains To One Woman's Garden | IFLScience/ written by Scarlet / edited by / parumo

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