ローマ帝国皇帝「カリグラ」の豪華船の飾りか?ネミ湖の底で大理石の頭部が発見される
 イタリア・ローマのラツィオ州にある湖「ネミ湖」周辺は、綺麗な水と空気、美しい風景、涼しい気候という絶好の条件によって、ローマ帝国時代から皇帝や貴族などの別荘地として知られてきた。

 かの有名な第3代ローマ皇帝カリグラが建造させた2隻の船が発掘されたのも、このネミ湖だ。

 今回、ネミ湖で行われている湖底の定期清掃中に、大理石の頭が沈んでいるのが発見された。この遺物は、カリグラ皇帝がかつて所有していた豪華船の飾りではないかという憶測が広がっている。

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Eccezionale ritrovamento sul fondale del lago di Nemiネミ湖底で大理石の頭を発見 イタリアのニュースサイト『La Repubblica(ラ・レプブリカ)』によると、6月末にカステッリ・ロマーニの町にあるネミ湖で定期清掃が行われた際、湖の底に大理石の頭が沈んでいるのを清掃中のダイバーが発見したという。

 今のところ、発見物の正確な性質について公式の確認はなく、地元行政は「発見された場所の完全性と繊細さを尊重する」よう国民に呼びかけていると地元メディアは報じている。 巨大な2隻の船が沈んでいたネミ湖 西暦1世紀のカリグラの治世下に建造された2隻の豪華な儀式用の船は、何世紀にもわたって湖面18メートル下に沈んでいたが、15世紀ころから遺物の引き揚げ作業が行われた。

 その後、この考古学的遺跡は、ベニート・ムッソリーニが湖の排水を命じた後、1928 年から 1932 年にかけて回収され、近くの専用博物館に保管されていたが、第二次世界大戦中の 1944 年5月31日の夜に火災で焼失した。

 今回、湖底から発見された大理石の頭部は、カリグラ皇帝の豪華船の1隻を飾っていたのではないかという憶測が広がっている。

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 というのも、大きい方の船は大理石の床とモザイク、噴水、暖房、配管、浴室を備えた精巧な水上宮殿だったと考えられているからだ。

 今でもそれぞれの大型船の目的は、依然として憶測の源となっているだけに、ネミ市長は「この発見がカリグラの歴史とその遺産に新たな光を当て、ネミ湖の深さに隠された秘密が再び明らかになることを望んでいる」と声明を発表している。

約2000年の時を経て引き上げられたカリグラ皇帝の船(1931)

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After Nearly 2,000 Years - Sound Version (1931)

References:Marble head found at bottom of Lake Nemi near Rome/ written by Scarlet / edited by parumo

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