初のオリジナル曲「愚痴り合い」は総再生回数1200万回超え。TikTokフォロワー68万人の女の子担当・りみーとYouTubeフォロワー35万人の男の子担当・とくみくすからなるASOBI同盟がシングル「誰も彼も何処も何も知らない」をリリースした。
TVアニメ『天国大魔境』エンディングを彩る「誰も彼も何処も何も知らない」。聴けば聴くほど『天国大魔境』の世界を感じさせる歌詞に、中毒性の高いメロディ、一筋縄ではいかない遊び心に溢れた構成で、随所にそのセンスを発揮している。結成してわずか半年でタイアップを掴んだ新星ユニットの楽曲はいかにして生まれているのか、その創作意欲の源とは何か。彼らの辿ってきた足跡を追いながらASOBI同盟の実像に迫る。
INTERVIEW & TEXT BY 逆井マリ
ASOBIの同盟を組むまでの道のり
──ASOBI同盟は文字通り遊びから始まったユニットだそうですね。その道のりをお伺いさせていただけますか?
とくみくす 最初は僕の片思いから始まったんです。Twitterで初めて歌っているところをたまたま見かけて。「この子の声、めちゃくちゃ良いな!」って。声に特徴があって、かわいいけれど芳醇でスモーキーな雰囲気がある。しかも事務所も一緒。それで「いつか一緒に音楽をしたいな」と思っていました。
──その後、無事に両思いになった……ということで大丈夫ですか?
とくみくす 今も片思いですよ(笑)。ずっと手のひらの上で転がされていますね。
──(笑)。でも、一緒にやろうと誘われたときはふたつ返事で?
りみー 先輩だったので、断るのも……(笑)。
とくみくす 嫌々かい!(笑)。
りみー そこから遊びでコラボをしていて「そろそろユニットを組む?」という話になりました。
──りみーさんの中で、とくみくすさんのお人柄や音楽の印象はどんなものだったのでしょうか?
りみー 実は元々学校も一緒だったんですよ。学年はまったく違うので学校で会ったことはなかったんですけど、さらに事務所も一緒と接点が多くて。しかも優しいんですよね。だから最初から「優しいお兄ちゃん」という感じで親しみがありました。
──りみーさんは元々音楽をやられていたんですよね?
りみー はい。でもYouTubeを始めるきっかけをくれたのは相方でした。
とくみくす 学生時代に音源/映像編集の勉強をしていたので、最初はYouTubeコラボのお誘いをしました。でも今では妹(りみー)に引っ張ってもらっている状態ですね(笑)。
──お二人の音楽的なバックボーンについてもぜひ教えてください。
りみー 私は物心ついた頃からダンスをやっていて。ダンスから音楽に入って、「音楽が好きだな、歌が好きだな」って思って音楽が身近にあるのが当たり前の生活になっていました。そのあと、もっと色んな音楽をやってみたくて、吹奏楽を始めたりもしました。
──でも音楽にまつわることをずっとやられていたのですね。
りみー そうですね。シンガーになりたいとはずっと思っていました。
──「音楽が好き」と気づいたきっかけはなんだったんでしょうか。
りみー お母さんと一緒にカラオケに行ったときに、お母さんが「歌、上手いね」と言ってくれたんです。そう言ってもらえたのが、純粋に嬉しかったのを今でもすごく覚えていて、それが音楽を好きになったきっかけだったと思います。
──ではとくみくすさんの音楽遍歴についても教えてください。
とくみくす 僕は幼い頃からドラムを習っていました。でもあまり上手くならなくて。にそれからしばらく経って、父にコブクロのライブDVDを買ってもらったんです。そのときに、小渕(健太郎)さんの姿を見て「ギターを弾いてみたい!」と思いました。でも、正直体感的に「始めるのが遅いな」と感じていて。ここからギターのプロになるとしたらめちゃくちゃ努力しなきゃ、と思ってたくさん練習をしていましたね。
──とくみくすさんのプロフィールには「アコースティックロックシンガー」とありますが、当時はどのような音楽性だったのですか?
とくみくす ELLEGARDEN、BUMP OF CHICKEN、RADWIMPS、SiMなど、いわゆる邦ロック系を好んで聴いていたので、音楽性的にはそういった雰囲気だったと思います。その後はディープ・パープルやレッド・ホット・チリ・ペッパーズ 、グリーン・デイなど洋楽に行き「やっぱり弾き語りがいい!」となって。相方を見つけて今という感じです。
──大学が一緒というお話がありましたけども、専攻も一緒だったんでしょうか?
とくみくす これも偶然なんですけど、2人とも同じ専攻だったんですよ。
りみー 私の場合は海外にずっと興味があって、留学をしたかったんです。
とくみくす ああ、そうかあ。僕は大学生活を楽しんでいましたけど、りみーのときは大学生活がずっとコロナ禍になってしまったもんね。
りみー でもコロナ禍になったことでYouTubeを始められたので。コロナ禍になっていなかったら、海外に留学していたかもしれません。そういう意味では、本当に何があるかわからないなと……。
お互いバツイチ 離婚は避けたい(笑)
──最初はぎこちなかったというお話がありましたが、でも現在まで同盟が続いているということは歯車が合ったということですよね?
とくみくす りみーがめちゃくちゃしっかりしているんです。僕は音楽活動以外、何もできないんですよ。LINEの返事も遅いですし、SNSも得意じゃないですし。でもりみーはそのへんもしっかりしてて。
りみー ASOBI同盟の曲作り担当(とくみくす)で、私は運営担当ですね(笑)。
──ユニットではなく、同盟と名乗るのは何か理由が?
とくみくす 先ほどお話ししたとおり、元々僕らはそれぞれ別のユニットを組んでいて、お互いにソロになったあとにASOBI同盟を組んでいます。
りみー ユニットだといつか解散しちゃうかもしれないじゃないですか。お互いに解散歴があるから、バツイチなんですよ(笑)。バツ2にはなりたくないしなぁ、と。ソロもやりつつ、同盟くらいであれば、離婚の危機はないんじゃないかなって(笑)。
──気軽な気持ちで。
りみー そうですね。遊び心を忘れずに2人で楽しくやっていこう、と。
──でも音楽には真剣に向き合っている。そのバランス感覚ってどういうものなのかなと。
りみー 気持ちに変化があったような気がするんですよね。
とくみくす 一言一句同じ気持ちです。最初は成り行き任せの気持ちでスタートしたんですけど、時間が経ってきて「大事にしたい」と思うようになりました。また『天国大魔境』は元々すごく大好きな作品でファンだったんですよ。だからすごくテンションが上がって、自分たちのモチベーションにも繋がりました。特にりみーはマンガをすごく読むんですよ。
りみー ジャンル関係なくマンガが大好きで。元々「月刊アフターヌーン」(『天国大魔境』の原作が連載されている)も買って読んでいたのですごく嬉しいです。
アイデアが溢れて12曲制作!?
──『天国大魔境』EDテーマの「誰も彼も何処も何も知らない」は1年前から温められていた曲だそうですね。
とくみくす そうです。お話をいただいてテンションが高まっていたので、その勢いのまま12曲、作ったんです。その中からいちばん良いものを選んで渡しました。そしたらOKをいただいて。
レーベルスタッフ メロディはその時にいただいたものからほぼ変わっていないですね。
──じゃあ本当にCDにも収録されている“ファーストテイクver.”のような形だったんですか?
りみー 本当にあんな感じでした。
とくみくす 「昨日作ったやつやってみようぜ」っていう感じで。
──12曲あったなかで「誰も彼も何処も何も知らない」に惹かれた理由というのはなんだったのでしょうか。
とくみくす いちばん作品とマッチしているように感じていたんですよね。
りみー あと歌っていていちばん楽しかったです。
とくみくす 展開が多いんですよ。どんどん未来に希望を持ってもらえるように、と思って作っていました。Aメロは少しだけ暗め、Bメロでふわっと広がって、サビで「旅に出ちゃうぜ」という感じの構成になっています。
──“どうして”のニュアンスもどんどん変わっていくような気がします。ロードムービーを見ているような気持ちになるというか、時間が経っていくような気がして。
とくみくす 嬉しいです。この曲は歩いていくイメージなんです。
──アニメサイドからリクエストはあったのですか?
レーベルスタッフ 発注の段階では今おっしゃっていたロードムービーといったワードや、絶望からの希望といった大枠の世界観はアニメサイドからはいただいていました。
りみー 『天国大魔境』は命のことに触れたり、時にはエグみのあるシーンもあったりする作品だからこそ、明るく終われたらいいよねって。
──歩いていくイメージとおっしゃっていましたが、曲調も歩くテンポですよね。
りみー そうですね。夜中コンビニに行く時に聴いてもらえたら嬉しいなと。それくらいのテンションで、楽しく聴いてもらえたら良いなと思って、あの雰囲気になりました。
──曲の制作はどのように?
とくみくす りみーがキーワードやパンチラインを出してくれるんです。そこからメロディをつけて、作詞をしてもらうってことが多いです。
──今回で言うとりみーさんからどんなアイデアが出ていたんですか?
りみー “どうして”のところやタイトルですね。「誰も彼も何処も何も知らない」。誰も彼も、ってワードはありますけどそれだと短いのでもう少し長くしたいなと思っていました。誰も彼も知らない天国に行きたい、誰も彼も知らない外の世界を見に行きたい……。登場人物たちはその場所もわからないわけじゃないですか。だから、“知らない”というワードを入れたいなと。それでこの言葉が生まれました。
──すごくリズミカルな言葉ですよね。
とくみくす その意味も面白いし、聴こえ方も面白いなと。僕らにとってベストな言葉だなと思っていました。
──りみーさんはいつもどんなところから、そのアイデアのインスピレーションを得るんですか?
りみー 座って作るというのが得意じゃなくて。帰り道の電車の中や、動画編集しながら、「あ、これ良いな」って。
──マルチタスクだ……!
とくみくす そう、りみーはマルチタスクなんですよ。少し話がそれてしまうんですけど、昨日、昼間に自分たちのYouTubeの撮影をしていたんですよ。で、そのあと別のお仕事の収録に行って、ご飯を食べて、本屋さんに寄って、アイスを買って、週末のフリーライブの練習をして……という僕らとしてはハードな1日だったんです。で、そしたら夜に昼間に撮影した動画が歌詞が全部入った状態でアップされていたんですね。
──えっ!
とくみくす いつその作業してたの!?と。もう僕はわからないです。りみーが2人いると思っています(笑)。
──実際どのタイミングで作業されていたんです?
りみー 内緒です(笑)。
とくみくす 僕はめちゃくちゃシングルタスクなんですよ。シャットダウンしないと作業ができないタイプだから、りみーとは真逆ですね。
──足りないところを補いながら、自分の能力を発揮しているって、最強の同盟じゃないですか!
りみー 私は曲作りはできないし、相方のようにギターは弾けないんですよね。けど、編集をしたり、イラストを書いたりするのは得意なので、足りないところを補いあえてるなって思います。
レコーディングで意識したのは2人の声の混ざり方
──レコーディングはどのような雰囲気でしたか?
とくみくす 固くならず、とにかく楽しくやりました。最初は2人で楽に歌ったものをボイスメモのような感じで録音していたんですけど、それに近い感じだなと。
──歌うときに意識されていたことというと?
りみー この曲に限ってというわけではないのですが、2人で歌うところもあれば、ハモりで入るところもあって。その混ざり具合をいつも意識しているんです。例えばカバー曲で動画を録るときも最初に(とくみくすが)録ったボーカルをもらって、そこにハモりを重ねていくんですが、2人の声がいい形で混ざるように、聴いていて違和感がないように、というのは意識していますね。それを考えるのも楽しいです。
──「誰も彼も何処も何も知らない」の冒頭では違うワードを2人で同時に歌われているじゃないですか。色で言えば白と黒くらい違うのに、その混ざり方が心地良い。あの色彩具合というのも絶妙だなと。
りみー 1回聴いただけだとなんて歌っているかわからないんですよね。
──でもどちらかの声に注目すると聴こえるようにもなって。自然と何度も聴いてしまいますね。
とくみくす 狙い通りだ(笑)。
──とくみくすさんは普段、歌うときに意識されていることはありますか?
とくみくす 僕はあまり言語化ができないんですよね。感覚で歌っていて。その日、その日の気分によっても歌い方が変わるので、りみーほど一定ではないんです。だから一瞬でレコーディングも終わりますね。
りみー 私はかなり時間がかかります(笑)。
とくみくす それもお互いの個性なのかなと。
──「誰も彼も何処も何も知らない」はアレンジャーにいきものがかりさんや、LiSA さんなどの楽曲を手掛ける江口 亮さんが参加されていますが、江口さんとはどのような話し合いがあったのでしょうか?
とくみくす 最初はすごい方だなという印象で恐縮していたのですが、僕たちみたいなキャリアの浅い人間の意見をしっかりと取り入れてくださって。僕らのわがままを聞いてくれました。
りみー 一緒に食事にも行かせていただいたのですが、めちゃくちゃ気さくな方でした!
第8話の特殊ED「#08 Special Arrange」制作秘話
──『天国大魔境』のエンディングを観たときはどのようなお気持ちになりましたか?
りみー やっぱり感動しました。
とくみくす 映像と音楽って足し算じゃなくて掛け算なんだなと。音だけで聴いたときと、伝わってくるもの、感動のレベルが数倍になっていて。2人でめちゃくちゃテンションが上がりましたね。
──このインタビューの時点では第8話が放送されたばかりで。第8話の特殊EDの「#08 Special Arrange」に感動しました。まさか別バージョンがあったとは。
りみー 私もあのバージョンが大好きなんですよ。この「#08 Special Arrange」のリミックス的なバージョンとしてchill out mixという音源もあるんですが、それもすごく良い仕上がりになっています。
とくみくす あれはサブスク限定で聞けるんですよね。
──もちろん聴かせてもらいました。通常バージョンと同じタイミングで録っていたんですか?
とくみくす ちょっと後ですね。「誰も彼も何処も何も知らない」が完成したあと、8話のお話をいただいて。確か2時間くらいで作ったよね?どんどんアイデアが出てきてすぐに完成しました。
──歌詞も“ごめんね 先に行くね”などと変わってますよね。ミミヒメを思い浮かべて切ない気持ちになりました。
りみー そうですね。8話は伏線の回収が特に多かったじゃないですか。2人で集まって作る前に、原作を1人で再度見直していて、もう楽しくて楽しくて。だから集まったときにワードやアイデアがすぐに出てきましたね。
──例えばワードで言うと“真っ白なお姫様で”のところとか?
りみー そうですね。その言葉は絶対に入れたいなと思っていました。それと「1番のAメロを会話に変えたいよね」「その会話は一切噛み合ってないほうが面白いよね」とか。その一方で、旅の終わりがテーマなので、Bメロは残して。どんどん出てきました。
──歌詞を変えてもアレンジを変えても曲の良さやテーマは残っていて。そういう意味では、すごく懐の深い曲じゃないですか。
とくみくす 仕掛けとして、サビを色々なキーで聴かせているんです。サビの前半は僕が主線で、後半でりみーが主線になってオクターブになっているところがあって、落ちサビのキーはやや高くなって。
──憂いがあるところも。
とくみくす そうなんです。普通曲がいちばん盛り上がる場所って大サビにすると思うんですけど、憂いを出すために、大サビではなく、落ちサビのりみー1人で入るところがいちばんキー的には高く設定しているんです。そこでみんなに泣いてほしいなと。そういう作り方をしているから、別バージョンを作ったときにも違和感なく聴けるのかなと。
──曲にも伏線が散りばめられていたわけですね。原作も本当にすごいですもんね。
とくみくす 石黒(正数)先生の頭の中を見てみたいです。
りみー すごっ!といつも思っています。一度石黒先生にお会いさせてもらったんですけど、ものすごく優しく接してくださって嬉しかったです。
──ファンの皆さんからも反響がたくさん届いているのでは?
とくみくす ありがたいことに。いちばん喜んでくれたのは両親ですね。
──歌を褒めてくださったりみーさんのお母さんはなんとおっしゃっていましたか?
りみー CDをプレゼントしたんです。そしたら泣いてしまいました。お酒に酔って泣いていたのかもしれないですけど(笑)。
とくみくす りみーのお母さんはすごく愉快な人なんですよ(笑)。
──気になりますね(笑)。お二人もパッケージになったCDを手に取ったとき、特別な感情があったのではないでしょうか。
とくみくす テンションが上がりましたね。
りみー ああ、形になったんだなと。今回は曲以外の面に携わらせてもらっているんです。ジャケット写真だったり、特典グッズやオンラインくじだったりを全部一緒に作っていたので、安堵もありました。
新たな目標ができた
──MVでもお二人が音楽を楽しんでいる姿を垣間見ることができます。MVの撮影はいかがでしたか?
とくみくす 楽しかったです!
りみー 2年間の撮影でずっと使ってきたギターが壊れてしまうという珍事件もあったのですが(笑)。
とくみくす そうなんですよ。(マネージャーを横目に)言っても良い?マネージャーが落としてしまって、ずっと使っていたギターが壊れてしまったんですけど、もう笑ってしまって。その動画を昨日アップしたんです。マネージャー本人としては気が気じゃなさそうではあったのですが、僕らはめちゃくちゃ笑ってしまって。いちばんの思い出になりました。
りみー ぜひ動画を観てください(笑)。
とくみくす 僕らとしては面白いネタが増えたという感じで。撮影も楽しく、スムーズに終わりました。
──今日お話を聞いていて思ったのですが、お二人のクリエイティブに向かう姿勢の根本には“楽しい”という気持ちがあるのですね。
りみー めちゃくちゃ楽しいですね。
とくみくす 男女だし、年齢差も少しあるので、できることの幅が広いんですよね。1人だとできないことが、2人だと実現できる。だから遊びの幅も広いです。
──この曲をきっかけに話し合ったときに次の夢ができたというお話もありました。ASOBI同盟の次の旅の目的地についても教えてください。
りみー 今回のお話をいただいた時点では夢にもできないとは思っていたのですが……実際に曲が完成したときに夢が「日本武道館でライブをしたい」になりました。もっとアニメに携わったり、主題歌を歌ったりしたいなという気持ちはあるんですが、今はそれがいちばんの目標です。
とくみくす そうですね。絶対に立ちたいなと思っています。
──アーティストが皆さん憧れる場所ですが、お二人の場合は何か理由が?
とくみくす 発端は先ほど話したコブクロのライブDVDの場所が武道館だったことです。それがずっと胸の中にあって。ASOBI同盟をやっていく中で日本武道館に立ちたいなと。
りみー その夢を聞いて、一緒に叶えたいなと思いました。前までは夢だったのが、目標にできるようになって。今後は目標を叶えるために動いていきたいなと。
とくみくす また、みんなで一緒に歩こうというニュアンスで作った曲だったので、次は僕らが引っ張るような疾走感の曲が作れたら面白いのかなと思っています。また、それに加えて僕らの毒々しい、黒い部分も出せたら楽しそうだなと。これからやりたいことはどんどん増えていくので、とにかく色々な曲を作りたいなと思っています。
──今後はフリーライブツアーも控えています。
りみー この曲のお話をいただいた時はコロナ禍で、私たちが音楽活動を始めたときもコロナ禍。この曲を通してASOBI同盟に出会ってくれた方にまだ出会えていないんですね。やっと次のフリーライブを皮切りにツアーをまわるのでみんなに「ありがとう」と感謝を伝えたいなと思い、皆さんと直にお話する時間も取っています。
とくみくす やっと会えるから楽しみですね。ライブは僕らも気楽に行くので、皆さんも友だちに会うくらいの感覚で遊びにきてくれたら嬉しいです!
りみー 今回のライブは全部無料なので本当に気構えず、今回の曲やTikTokやYouTubuを見て気になったという方もぜひ遊びに来てほしいです。
●リリース情報
「誰も彼も何処も何も知らない」
配信中/発売中
音楽配信はこちら/CD購入はこちら
【初回限定盤(CD+Blu-ray)】
品番:GNCA-0689
価格:¥1,980(税込)
<CD>
01. 誰も彼も何処も何も知らない
作詞:りみー作曲:とくみくす編曲:江口亮
02. 誰も彼も何処も何も知らない(#08 Special Arrange)
作詞:りみー作曲:とくみくす編曲:ASOBI同盟
03. 誰も彼も何処も何も知らない(ファーストテイクver.)
作詞:りみー作曲:とくみくす編曲:ASOBI同盟
04. 誰も彼も何処も何も知らない(Instrumental)
<Blu-ray>
・誰も彼も何処も何も知らないMusic Video(りみーver.)
・誰も彼も何処も何も知らないMusic Video(とくみくすver.)
・誰も彼も何処も何も知らない<DAY1>Photo Making Movie
・突撃!Music Video撮影の裏側
【初回限定アニメ盤(CD+Blu-ray)】
品番:GNCA-0690
価格:¥1,980(税込)
<CD>
01. 誰も彼も何処も何も知らない
作詞:りみー作曲:とくみくす編曲:江口亮
02. 誰も彼も何処も何も知らない(#08 Special Arrange)
作詞:りみー作曲:とくみくす編曲:ASOBI同盟
03. 誰も彼も何処も何も知らない(TV Size)
04. 誰も彼も何処も何も知らない(Instrumental)
<Blu-ray>
・誰も彼も何処も何も知らないMusic Video(りみーver.)
・誰も彼も何処も何も知らないMusic Video(とくみくすver.)
・誰も彼も何処も何も知らない<DAY2>Music Video Making Movie
・突撃!Music Video撮影の裏側ミニ
・TVアニメ『天国大魔境』ノンクレジットエンディング映像
【通常盤(CD)】
品番:GNCA-0691
価格:¥1,320(税込)
<CD>
01. 誰も彼も何処も何も知らない
02. 誰も彼も何処も何も知らない(#08 Special Arrange)
03. 誰も彼も何処も何も知らない(ファーストテイクver.)
04. 誰も彼も何処も何も知らない(Instrumental)
●ライブ情報
6月10日(土)名古屋・タワーレコード名古屋パルコ店
7月01日(土)千葉・某所
7月02日(日)オンライントークイベント「チェキチャ」
7月29日(土)広島・某所
関連リンク
ASOBI同盟公式ファンクラブ
https://www.artpoolrecords.com/asobidoumeiofficialfanclub
ASOBI同盟 公式Twitter
https://twitter.com/asobi_doumei
りみー 公式YouTube
https://www.youtube.com/channel/UC1Wo5aoTu5jHOv1ULY7iNLA
とくみくす 公式YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCvordnpU03RYZQxXiIBuGVw
CDとして作品をリリースするのは本作が初となる。
TVアニメ『天国大魔境』エンディングを彩る「誰も彼も何処も何も知らない」。聴けば聴くほど『天国大魔境』の世界を感じさせる歌詞に、中毒性の高いメロディ、一筋縄ではいかない遊び心に溢れた構成で、随所にそのセンスを発揮している。結成してわずか半年でタイアップを掴んだ新星ユニットの楽曲はいかにして生まれているのか、その創作意欲の源とは何か。彼らの辿ってきた足跡を追いながらASOBI同盟の実像に迫る。
INTERVIEW & TEXT BY 逆井マリ
ASOBIの同盟を組むまでの道のり
──ASOBI同盟は文字通り遊びから始まったユニットだそうですね。その道のりをお伺いさせていただけますか?
とくみくす 最初は僕の片思いから始まったんです。Twitterで初めて歌っているところをたまたま見かけて。「この子の声、めちゃくちゃ良いな!」って。声に特徴があって、かわいいけれど芳醇でスモーキーな雰囲気がある。しかも事務所も一緒。それで「いつか一緒に音楽をしたいな」と思っていました。
──その後、無事に両思いになった……ということで大丈夫ですか?
とくみくす 今も片思いですよ(笑)。ずっと手のひらの上で転がされていますね。
──(笑)。でも、一緒にやろうと誘われたときはふたつ返事で?
りみー 先輩だったので、断るのも……(笑)。
とくみくす 嫌々かい!(笑)。
りみー そこから遊びでコラボをしていて「そろそろユニットを組む?」という話になりました。
──りみーさんの中で、とくみくすさんのお人柄や音楽の印象はどんなものだったのでしょうか?
りみー 実は元々学校も一緒だったんですよ。学年はまったく違うので学校で会ったことはなかったんですけど、さらに事務所も一緒と接点が多くて。しかも優しいんですよね。だから最初から「優しいお兄ちゃん」という感じで親しみがありました。
──りみーさんは元々音楽をやられていたんですよね?
りみー はい。でもYouTubeを始めるきっかけをくれたのは相方でした。
とくみくす 学生時代に音源/映像編集の勉強をしていたので、最初はYouTubeコラボのお誘いをしました。でも今では妹(りみー)に引っ張ってもらっている状態ですね(笑)。
──お二人の音楽的なバックボーンについてもぜひ教えてください。
りみー 私は物心ついた頃からダンスをやっていて。ダンスから音楽に入って、「音楽が好きだな、歌が好きだな」って思って音楽が身近にあるのが当たり前の生活になっていました。そのあと、もっと色んな音楽をやってみたくて、吹奏楽を始めたりもしました。
──でも音楽にまつわることをずっとやられていたのですね。
りみー そうですね。シンガーになりたいとはずっと思っていました。
──「音楽が好き」と気づいたきっかけはなんだったんでしょうか。
りみー お母さんと一緒にカラオケに行ったときに、お母さんが「歌、上手いね」と言ってくれたんです。そう言ってもらえたのが、純粋に嬉しかったのを今でもすごく覚えていて、それが音楽を好きになったきっかけだったと思います。
──ではとくみくすさんの音楽遍歴についても教えてください。
とくみくす 僕は幼い頃からドラムを習っていました。でもあまり上手くならなくて。にそれからしばらく経って、父にコブクロのライブDVDを買ってもらったんです。そのときに、小渕(健太郎)さんの姿を見て「ギターを弾いてみたい!」と思いました。でも、正直体感的に「始めるのが遅いな」と感じていて。ここからギターのプロになるとしたらめちゃくちゃ努力しなきゃ、と思ってたくさん練習をしていましたね。
──とくみくすさんのプロフィールには「アコースティックロックシンガー」とありますが、当時はどのような音楽性だったのですか?
とくみくす ELLEGARDEN、BUMP OF CHICKEN、RADWIMPS、SiMなど、いわゆる邦ロック系を好んで聴いていたので、音楽性的にはそういった雰囲気だったと思います。その後はディープ・パープルやレッド・ホット・チリ・ペッパーズ 、グリーン・デイなど洋楽に行き「やっぱり弾き語りがいい!」となって。相方を見つけて今という感じです。
──大学が一緒というお話がありましたけども、専攻も一緒だったんでしょうか?
とくみくす これも偶然なんですけど、2人とも同じ専攻だったんですよ。
りみー 私の場合は海外にずっと興味があって、留学をしたかったんです。
でもコロナ禍になってしまって。
とくみくす ああ、そうかあ。僕は大学生活を楽しんでいましたけど、りみーのときは大学生活がずっとコロナ禍になってしまったもんね。
りみー でもコロナ禍になったことでYouTubeを始められたので。コロナ禍になっていなかったら、海外に留学していたかもしれません。そういう意味では、本当に何があるかわからないなと……。
お互いバツイチ 離婚は避けたい(笑)
──最初はぎこちなかったというお話がありましたが、でも現在まで同盟が続いているということは歯車が合ったということですよね?
とくみくす りみーがめちゃくちゃしっかりしているんです。僕は音楽活動以外、何もできないんですよ。LINEの返事も遅いですし、SNSも得意じゃないですし。でもりみーはそのへんもしっかりしてて。
りみー ASOBI同盟の曲作り担当(とくみくす)で、私は運営担当ですね(笑)。
──ユニットではなく、同盟と名乗るのは何か理由が?
とくみくす 先ほどお話ししたとおり、元々僕らはそれぞれ別のユニットを組んでいて、お互いにソロになったあとにASOBI同盟を組んでいます。
ユニットになると固くなってしまって上手くいかないんじゃないかって話していて。じゃあ遊びで、同盟くらいの軽さが良いんじゃないか、と。
りみー ユニットだといつか解散しちゃうかもしれないじゃないですか。お互いに解散歴があるから、バツイチなんですよ(笑)。バツ2にはなりたくないしなぁ、と。ソロもやりつつ、同盟くらいであれば、離婚の危機はないんじゃないかなって(笑)。
──気軽な気持ちで。
りみー そうですね。遊び心を忘れずに2人で楽しくやっていこう、と。
──でも音楽には真剣に向き合っている。そのバランス感覚ってどういうものなのかなと。
りみー 気持ちに変化があったような気がするんですよね。
軽い気持ちでコラボしたところから始まった、いざASOBI同盟がスタートしたら、ものすごく愛着が湧いてしまって、ASOBI同盟が大好きになってしまって。そのタイミングで『天国大魔境』のお話をいただいたんです。結成して半年いかないくらいの時だったんですよね。最初はドッキリだと思っていたんです(笑)。そしたら現実で……本当に嬉しいなと。そこで初めて、ASOBI同盟に初めて夢ができて。やればやるほど大事になっていったという感じです。
とくみくす 一言一句同じ気持ちです。最初は成り行き任せの気持ちでスタートしたんですけど、時間が経ってきて「大事にしたい」と思うようになりました。また『天国大魔境』は元々すごく大好きな作品でファンだったんですよ。だからすごくテンションが上がって、自分たちのモチベーションにも繋がりました。特にりみーはマンガをすごく読むんですよ。
りみー ジャンル関係なくマンガが大好きで。元々「月刊アフターヌーン」(『天国大魔境』の原作が連載されている)も買って読んでいたのですごく嬉しいです。
アイデアが溢れて12曲制作!?
──『天国大魔境』EDテーマの「誰も彼も何処も何も知らない」は1年前から温められていた曲だそうですね。
とくみくす そうです。お話をいただいてテンションが高まっていたので、その勢いのまま12曲、作ったんです。その中からいちばん良いものを選んで渡しました。そしたらOKをいただいて。
レーベルスタッフ メロディはその時にいただいたものからほぼ変わっていないですね。
──じゃあ本当にCDにも収録されている“ファーストテイクver.”のような形だったんですか?
りみー 本当にあんな感じでした。
とくみくす 「昨日作ったやつやってみようぜ」っていう感じで。
──12曲あったなかで「誰も彼も何処も何も知らない」に惹かれた理由というのはなんだったのでしょうか。
とくみくす いちばん作品とマッチしているように感じていたんですよね。
りみー あと歌っていていちばん楽しかったです。
とくみくす 展開が多いんですよ。どんどん未来に希望を持ってもらえるように、と思って作っていました。Aメロは少しだけ暗め、Bメロでふわっと広がって、サビで「旅に出ちゃうぜ」という感じの構成になっています。
──“どうして”のニュアンスもどんどん変わっていくような気がします。ロードムービーを見ているような気持ちになるというか、時間が経っていくような気がして。
とくみくす 嬉しいです。この曲は歩いていくイメージなんです。
──アニメサイドからリクエストはあったのですか?
レーベルスタッフ 発注の段階では今おっしゃっていたロードムービーといったワードや、絶望からの希望といった大枠の世界観はアニメサイドからはいただいていました。
りみー 『天国大魔境』は命のことに触れたり、時にはエグみのあるシーンもあったりする作品だからこそ、明るく終われたらいいよねって。
──歩いていくイメージとおっしゃっていましたが、曲調も歩くテンポですよね。
りみー そうですね。夜中コンビニに行く時に聴いてもらえたら嬉しいなと。それくらいのテンションで、楽しく聴いてもらえたら良いなと思って、あの雰囲気になりました。
──曲の制作はどのように?
とくみくす りみーがキーワードやパンチラインを出してくれるんです。そこからメロディをつけて、作詞をしてもらうってことが多いです。
──今回で言うとりみーさんからどんなアイデアが出ていたんですか?
りみー “どうして”のところやタイトルですね。「誰も彼も何処も何も知らない」。誰も彼も、ってワードはありますけどそれだと短いのでもう少し長くしたいなと思っていました。誰も彼も知らない天国に行きたい、誰も彼も知らない外の世界を見に行きたい……。登場人物たちはその場所もわからないわけじゃないですか。だから、“知らない”というワードを入れたいなと。それでこの言葉が生まれました。
──すごくリズミカルな言葉ですよね。
とくみくす その意味も面白いし、聴こえ方も面白いなと。僕らにとってベストな言葉だなと思っていました。
──りみーさんはいつもどんなところから、そのアイデアのインスピレーションを得るんですか?
りみー 座って作るというのが得意じゃなくて。帰り道の電車の中や、動画編集しながら、「あ、これ良いな」って。
──マルチタスクだ……!
とくみくす そう、りみーはマルチタスクなんですよ。少し話がそれてしまうんですけど、昨日、昼間に自分たちのYouTubeの撮影をしていたんですよ。で、そのあと別のお仕事の収録に行って、ご飯を食べて、本屋さんに寄って、アイスを買って、週末のフリーライブの練習をして……という僕らとしてはハードな1日だったんです。で、そしたら夜に昼間に撮影した動画が歌詞が全部入った状態でアップされていたんですね。
──えっ!
とくみくす いつその作業してたの!?と。もう僕はわからないです。りみーが2人いると思っています(笑)。
──実際どのタイミングで作業されていたんです?
りみー 内緒です(笑)。
とくみくす 僕はめちゃくちゃシングルタスクなんですよ。シャットダウンしないと作業ができないタイプだから、りみーとは真逆ですね。
──足りないところを補いながら、自分の能力を発揮しているって、最強の同盟じゃないですか!
りみー 私は曲作りはできないし、相方のようにギターは弾けないんですよね。けど、編集をしたり、イラストを書いたりするのは得意なので、足りないところを補いあえてるなって思います。
レコーディングで意識したのは2人の声の混ざり方
──レコーディングはどのような雰囲気でしたか?
とくみくす 固くならず、とにかく楽しくやりました。最初は2人で楽に歌ったものをボイスメモのような感じで録音していたんですけど、それに近い感じだなと。
──歌うときに意識されていたことというと?
りみー この曲に限ってというわけではないのですが、2人で歌うところもあれば、ハモりで入るところもあって。その混ざり具合をいつも意識しているんです。例えばカバー曲で動画を録るときも最初に(とくみくすが)録ったボーカルをもらって、そこにハモりを重ねていくんですが、2人の声がいい形で混ざるように、聴いていて違和感がないように、というのは意識していますね。それを考えるのも楽しいです。
──「誰も彼も何処も何も知らない」の冒頭では違うワードを2人で同時に歌われているじゃないですか。色で言えば白と黒くらい違うのに、その混ざり方が心地良い。あの色彩具合というのも絶妙だなと。
りみー 1回聴いただけだとなんて歌っているかわからないんですよね。
──でもどちらかの声に注目すると聴こえるようにもなって。自然と何度も聴いてしまいますね。
とくみくす 狙い通りだ(笑)。
──とくみくすさんは普段、歌うときに意識されていることはありますか?
とくみくす 僕はあまり言語化ができないんですよね。感覚で歌っていて。その日、その日の気分によっても歌い方が変わるので、りみーほど一定ではないんです。だから一瞬でレコーディングも終わりますね。
りみー 私はかなり時間がかかります(笑)。
とくみくす それもお互いの個性なのかなと。
──「誰も彼も何処も何も知らない」はアレンジャーにいきものがかりさんや、LiSA さんなどの楽曲を手掛ける江口 亮さんが参加されていますが、江口さんとはどのような話し合いがあったのでしょうか?
とくみくす 最初はすごい方だなという印象で恐縮していたのですが、僕たちみたいなキャリアの浅い人間の意見をしっかりと取り入れてくださって。僕らのわがままを聞いてくれました。
りみー 一緒に食事にも行かせていただいたのですが、めちゃくちゃ気さくな方でした!
第8話の特殊ED「#08 Special Arrange」制作秘話
──『天国大魔境』のエンディングを観たときはどのようなお気持ちになりましたか?
りみー やっぱり感動しました。
とくみくす 映像と音楽って足し算じゃなくて掛け算なんだなと。音だけで聴いたときと、伝わってくるもの、感動のレベルが数倍になっていて。2人でめちゃくちゃテンションが上がりましたね。
──このインタビューの時点では第8話が放送されたばかりで。第8話の特殊EDの「#08 Special Arrange」に感動しました。まさか別バージョンがあったとは。
りみー 私もあのバージョンが大好きなんですよ。この「#08 Special Arrange」のリミックス的なバージョンとしてchill out mixという音源もあるんですが、それもすごく良い仕上がりになっています。
とくみくす あれはサブスク限定で聞けるんですよね。
──もちろん聴かせてもらいました。通常バージョンと同じタイミングで録っていたんですか?
とくみくす ちょっと後ですね。「誰も彼も何処も何も知らない」が完成したあと、8話のお話をいただいて。確か2時間くらいで作ったよね?どんどんアイデアが出てきてすぐに完成しました。
──歌詞も“ごめんね 先に行くね”などと変わってますよね。ミミヒメを思い浮かべて切ない気持ちになりました。
りみー そうですね。8話は伏線の回収が特に多かったじゃないですか。2人で集まって作る前に、原作を1人で再度見直していて、もう楽しくて楽しくて。だから集まったときにワードやアイデアがすぐに出てきましたね。
──例えばワードで言うと“真っ白なお姫様で”のところとか?
りみー そうですね。その言葉は絶対に入れたいなと思っていました。それと「1番のAメロを会話に変えたいよね」「その会話は一切噛み合ってないほうが面白いよね」とか。その一方で、旅の終わりがテーマなので、Bメロは残して。どんどん出てきました。
──歌詞を変えてもアレンジを変えても曲の良さやテーマは残っていて。そういう意味では、すごく懐の深い曲じゃないですか。
とくみくす 仕掛けとして、サビを色々なキーで聴かせているんです。サビの前半は僕が主線で、後半でりみーが主線になってオクターブになっているところがあって、落ちサビのキーはやや高くなって。
──憂いがあるところも。
とくみくす そうなんです。普通曲がいちばん盛り上がる場所って大サビにすると思うんですけど、憂いを出すために、大サビではなく、落ちサビのりみー1人で入るところがいちばんキー的には高く設定しているんです。そこでみんなに泣いてほしいなと。そういう作り方をしているから、別バージョンを作ったときにも違和感なく聴けるのかなと。
──曲にも伏線が散りばめられていたわけですね。原作も本当にすごいですもんね。
とくみくす 石黒(正数)先生の頭の中を見てみたいです。
りみー すごっ!といつも思っています。一度石黒先生にお会いさせてもらったんですけど、ものすごく優しく接してくださって嬉しかったです。
──ファンの皆さんからも反響がたくさん届いているのでは?
とくみくす ありがたいことに。いちばん喜んでくれたのは両親ですね。
──歌を褒めてくださったりみーさんのお母さんはなんとおっしゃっていましたか?
りみー CDをプレゼントしたんです。そしたら泣いてしまいました。お酒に酔って泣いていたのかもしれないですけど(笑)。
とくみくす りみーのお母さんはすごく愉快な人なんですよ(笑)。
──気になりますね(笑)。お二人もパッケージになったCDを手に取ったとき、特別な感情があったのではないでしょうか。
とくみくす テンションが上がりましたね。
りみー ああ、形になったんだなと。今回は曲以外の面に携わらせてもらっているんです。ジャケット写真だったり、特典グッズやオンラインくじだったりを全部一緒に作っていたので、安堵もありました。
新たな目標ができた
──MVでもお二人が音楽を楽しんでいる姿を垣間見ることができます。MVの撮影はいかがでしたか?
とくみくす 楽しかったです!
りみー 2年間の撮影でずっと使ってきたギターが壊れてしまうという珍事件もあったのですが(笑)。
とくみくす そうなんですよ。(マネージャーを横目に)言っても良い?マネージャーが落としてしまって、ずっと使っていたギターが壊れてしまったんですけど、もう笑ってしまって。その動画を昨日アップしたんです。マネージャー本人としては気が気じゃなさそうではあったのですが、僕らはめちゃくちゃ笑ってしまって。いちばんの思い出になりました。
りみー ぜひ動画を観てください(笑)。
とくみくす 僕らとしては面白いネタが増えたという感じで。撮影も楽しく、スムーズに終わりました。
──今日お話を聞いていて思ったのですが、お二人のクリエイティブに向かう姿勢の根本には“楽しい”という気持ちがあるのですね。
りみー めちゃくちゃ楽しいですね。
とくみくす 男女だし、年齢差も少しあるので、できることの幅が広いんですよね。1人だとできないことが、2人だと実現できる。だから遊びの幅も広いです。
──この曲をきっかけに話し合ったときに次の夢ができたというお話もありました。ASOBI同盟の次の旅の目的地についても教えてください。
りみー 今回のお話をいただいた時点では夢にもできないとは思っていたのですが……実際に曲が完成したときに夢が「日本武道館でライブをしたい」になりました。もっとアニメに携わったり、主題歌を歌ったりしたいなという気持ちはあるんですが、今はそれがいちばんの目標です。
とくみくす そうですね。絶対に立ちたいなと思っています。
──アーティストが皆さん憧れる場所ですが、お二人の場合は何か理由が?
とくみくす 発端は先ほど話したコブクロのライブDVDの場所が武道館だったことです。それがずっと胸の中にあって。ASOBI同盟をやっていく中で日本武道館に立ちたいなと。
りみー その夢を聞いて、一緒に叶えたいなと思いました。前までは夢だったのが、目標にできるようになって。今後は目標を叶えるために動いていきたいなと。
とくみくす また、みんなで一緒に歩こうというニュアンスで作った曲だったので、次は僕らが引っ張るような疾走感の曲が作れたら面白いのかなと思っています。また、それに加えて僕らの毒々しい、黒い部分も出せたら楽しそうだなと。これからやりたいことはどんどん増えていくので、とにかく色々な曲を作りたいなと思っています。
──今後はフリーライブツアーも控えています。
りみー この曲のお話をいただいた時はコロナ禍で、私たちが音楽活動を始めたときもコロナ禍。この曲を通してASOBI同盟に出会ってくれた方にまだ出会えていないんですね。やっと次のフリーライブを皮切りにツアーをまわるのでみんなに「ありがとう」と感謝を伝えたいなと思い、皆さんと直にお話する時間も取っています。
とくみくす やっと会えるから楽しみですね。ライブは僕らも気楽に行くので、皆さんも友だちに会うくらいの感覚で遊びにきてくれたら嬉しいです!
りみー 今回のライブは全部無料なので本当に気構えず、今回の曲やTikTokやYouTubuを見て気になったという方もぜひ遊びに来てほしいです。
●リリース情報
「誰も彼も何処も何も知らない」
配信中/発売中
音楽配信はこちら/CD購入はこちら
【初回限定盤(CD+Blu-ray)】
品番:GNCA-0689
価格:¥1,980(税込)
<CD>
01. 誰も彼も何処も何も知らない
作詞:りみー作曲:とくみくす編曲:江口亮
02. 誰も彼も何処も何も知らない(#08 Special Arrange)
作詞:りみー作曲:とくみくす編曲:ASOBI同盟
03. 誰も彼も何処も何も知らない(ファーストテイクver.)
作詞:りみー作曲:とくみくす編曲:ASOBI同盟
04. 誰も彼も何処も何も知らない(Instrumental)
<Blu-ray>
・誰も彼も何処も何も知らないMusic Video(りみーver.)
・誰も彼も何処も何も知らないMusic Video(とくみくすver.)
・誰も彼も何処も何も知らない<DAY1>Photo Making Movie
・突撃!Music Video撮影の裏側
【初回限定アニメ盤(CD+Blu-ray)】
品番:GNCA-0690
価格:¥1,980(税込)
<CD>
01. 誰も彼も何処も何も知らない
作詞:りみー作曲:とくみくす編曲:江口亮
02. 誰も彼も何処も何も知らない(#08 Special Arrange)
作詞:りみー作曲:とくみくす編曲:ASOBI同盟
03. 誰も彼も何処も何も知らない(TV Size)
04. 誰も彼も何処も何も知らない(Instrumental)
<Blu-ray>
・誰も彼も何処も何も知らないMusic Video(りみーver.)
・誰も彼も何処も何も知らないMusic Video(とくみくすver.)
・誰も彼も何処も何も知らない<DAY2>Music Video Making Movie
・突撃!Music Video撮影の裏側ミニ
・TVアニメ『天国大魔境』ノンクレジットエンディング映像
【通常盤(CD)】
品番:GNCA-0691
価格:¥1,320(税込)
<CD>
01. 誰も彼も何処も何も知らない
02. 誰も彼も何処も何も知らない(#08 Special Arrange)
03. 誰も彼も何処も何も知らない(ファーストテイクver.)
04. 誰も彼も何処も何も知らない(Instrumental)
●ライブ情報
6月10日(土)名古屋・タワーレコード名古屋パルコ店
7月01日(土)千葉・某所
7月02日(日)オンライントークイベント「チェキチャ」
7月29日(土)広島・某所
関連リンク
ASOBI同盟公式ファンクラブ
https://www.artpoolrecords.com/asobidoumeiofficialfanclub
ASOBI同盟 公式Twitter
https://twitter.com/asobi_doumei
りみー 公式YouTube
https://www.youtube.com/channel/UC1Wo5aoTu5jHOv1ULY7iNLA
とくみくす 公式YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCvordnpU03RYZQxXiIBuGVw
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