DAY2の出演キャストは以下の通り。
●『アイドルマスター』シリーズ
『アイドルマスター シンデレラガールズ』
大橋彩香(島村卯月役)、福原綾香(渋谷 凛役)、原 紗友里(本田未央役)、佐藤亜美菜(橘 ありす役)、黒沢ともよ(赤城みりあ役)、集貝はな(的場梨沙役)、小市眞琴(結城 晴役)、今井麻夏(佐々木千枝役)、春瀬なつみ(龍崎 薫役)、久野美咲(市原仁奈役)、小森結梨(古賀小春役)、中澤ミナ(佐城雪美役)、花谷麻妃(遊佐こずえ役)
『アイドルマスター ミリオンライブ!』
愛美(ジュリア役)、伊藤美来(七尾百合子役)、木戸衣吹(矢吹可奈役)、香里有佐(桜守歌織役)、駒形友梨(高山紗代子役)、末柄里恵(豊川風花役)、南 早紀(白石 紬役)、山口立花子(百瀬莉緒役)
『アイドルマスター シャイニーカラーズ』
関根 瞳(櫻木真乃役)、近藤玲奈(風野灯織役)、峯田茉優(八宮めぐる役)、河野ひより(小宮果穂役)、白石晴香(園田智代子役)、永井真里子(西城樹里役)、丸岡和佳奈(杜野凛世役)、涼本あきほ(有栖川夏葉役)、田中有紀(芹沢あさひ役)、幸村恵理(黛 冬優子役)、北原沙弥香(和泉愛依役)、川口莉奈(斑鳩ルカ役)、三川華月(鈴木羽那役)、小澤麗那(郁田はるき役)
●『ラブライブ!』シリーズ
Aqours(ラブライブ!サンシャイン!!)
伊波杏樹(高海千歌役)、逢田梨香子(桜内梨子役)、諏訪ななか(松浦果南役)、小宮有紗(黒澤ダイヤ役)、斉藤朱夏(渡辺 曜役)、小林愛香(津島善子役)、高槻かなこ(国木田花丸役)、鈴木愛奈(小原鞠莉役)、降幡 愛(黒澤ルビィ役)
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会
大西亜玖璃(上原歩夢役)、相良茉優(中須かすみ役)、前田佳織里(桜坂しずく役)、久保田未夢(朝香果林役)、村上奈津実(宮下 愛役)、鬼頭明里(近江彼方役)、林 鼓子(優木せつ菜役)、指出毬亜(エマ・ヴェルデ役)、田中ちえ美(天王寺璃奈役)、小泉萌香(三船栞子役)、内田 秀(ミア・テイラー役)、法元明菜(鐘 嵐珠役)
<応援出演>矢野妃菜喜(高咲 侑役)
Liella!(ラブライブ!スーパースター!!)
伊達さゆり(澁谷かのん役)、Liyuu(唐 可可役)、岬 なこ(嵐 千砂都役)、ペイトン尚未(平安名すみれ役)、青山なぎさ(葉月 恋役)、鈴原希実(桜小路きな子役)、薮島朱音(米女メイ役)、大熊和奏(若菜四季役)、絵森 彩(鬼塚夏美役)、結那(ウィーン・マルガレーテ役)、坂倉 花(鬼塚冬毬役)
蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ
楡井希実(日野下花帆役)、野中ここな(村野さやか役)、花宮初奈(乙宗 梢役)、佐々木琴子(夕霧綴理役)、菅 叶和(大沢瑠璃乃役)、月音こな(藤島 慈役)
スクールアイドルミュージカル(ゲスト出演)
堀内まり菜(椿 ルリカ役)、浅井七海(皇 ユズハ役)、杏 ジュリア(北条ユキノ役)、小山璃奈(天草ヒカル役)、佐藤美波(三笠マーヤ役)、関根優那(滝沢アンズ役)、南野巴那(若槻ミスズ役)、黒木美佑(来栖トア役)、加藤夕夏(鈴賀レナ役)、山本愛梨(晴風サヤカ役)
アンサンブル:鈴木まゆり、森田佳花、森本さくら、渡辺七海
TEXT BY 中里キリ
二次元アイドルコンテンツを代表するタイトルである『アイドルマスター』シリーズと『ラブライブ!』シリーズの新世代が一堂に会する“異次元フェス アイドルマスター★♥ラブライブ!歌合戦”DAY2。『アイドルマスター』サイドがDAY1からキャストをガラリと入れ替えたが、総勢88名が出演、舞台は東京ドームという座組は変わるのことない規模感だ。
超満員のドームの客電が落ち、湾曲した超巨大スクリーンでは各コンテンツを示す7色のストレートラインが交わる。登場する各タイトルと出演者紹介ムービーが順番に上映されると、映像が切り替わるたびに会場は大きな歓声に包まれた。
ステージに出演者がズラリと並ぶなか、先陣を切って歌い出したのは『アイドルマスター シンデレラガールズ』の「Yes! Party Time!!」だ。シンデレラたちの楽曲が数多あるなかでも最強のパーティーチューンは空前のお祭りの幕開けにふさわしく、会場のテンションを一瞬でトップにまで高めていた。
蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブは「On your mark」を披露。臙脂色の制服をまとって登場すると、スタイリッシュなサウンドに乗せてダンスでも見せていき、サビに入るとロックテイストを増して、一気にパフォーマンスの疾走感が増していく。菅 叶和の“Wanna believe… yeah”のフレーズの鮮烈なシャウトが記憶に残った。
Liella!は「ビタミンSUMMER!」を歌唱。人差し指でオニの角を表現しながら賑やかに登場すると、リズミカルで統制の取れたダンスで魅せる。クラップを呼び込んだり、“イエイエイエ~!ベイベイベ~!”のノリやすいフレーズで巨大なコールを巻き起こしたりと、ドームを束の間真夏の熱さに変えていた。
『アイドルマスター シャイニーカラーズ』は「シャイノグラフィ」を披露。コンテンツの次元を超えて、ヒゲドライバー楽曲を繋いできた構成にニヤリとさせられる。『シャニマス』を代表する強曲を歌うのはイルミネーションスターズ、放課後クライマックスガールズ、ストレイライト、コメティックの面々。関根 瞳が真ん中にいるとそれだけで安心できる風格が出ており、全体曲の中に斑鳩ルカ役の川口莉奈がいるのは違和感をはらんだ魅力的なアクセントとして機能していた。
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会は「Love U my friends」を歌唱。後ろ姿のシルエットでそれぞれのポーズをキメて登場すると、ライトが灯るとともにパッと振り返って元気いっぱいのキュートなパフォーマンスを披露した。DAY1は個別衣装中心だったのに対し、DAY2は虹をイメージした共通衣装で登場。大切な人に向けた想いと感謝が全身からキラキラと伝わってくるようだった。
『アイドルマスター ミリオンライブ!』よりミリオンスターズは「Rat A Tat!!!」を披露。“ニチアサ”に放送中のテレビアニメテーマソングを放送当日にドームで歌えることのなんと贅沢なことか。オーディション組がDAY1に多かったこともあり少し意外ではあったが、どの曲で誰がステージに選ばれてもメインを張れるのはミリオンスターズの特色としても良い武器と言えるだろう。
オープニングブロックのトリはAqoursが「未来の僕らは知ってるよ」を披露。
続くブロックのコンセプトは“元気に歌合戦”。なのだが、初っ端から『アイドルマスター シンデレラガールズ』よりnew generationsの「流れ星キセキ」という、物語を知る人たちの情緒をかき回すような楽曲を持ってきた。それぞれのらしさ溢れるポーズでせり上がると、大橋彩香の輝かしい歌声がドームに響く。本当に歌声の相性が良い3人で、たしかに元気なのに何故か泣けてくるような不思議な時間だった。
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会より林 鼓子は「CHASE!」を歌唱。“独唱”と表現したくなる疾走感のあるハイトーンが、ドームを突き抜けるように貫いていく。圧倒的な表現力とほとばしるような感情に吸い込まれるように惹きつけられたところで、輝かしいサビを一閃。眩しいほどの輝きに満ちたパフォーマンスだった。
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会より村上奈津実は「めっちゃGoing!!」を披露。
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会より内田 秀は「Toy Doll」を披露。開幕からロック感溢れる英詞をぶちかますと、ナチュラルな発音の良さがクールなかっこよさの裏付けになっているようだ。テクニカルでありながら、観る側の感情を引き出すパワーに満ちた歌唱だった。
蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブよりみらくらぱーく!は「ノンフィクションヒーローショー」を歌唱。センターステージに登場した2人は、砂糖菓子のように甘くキュートな衣装と歌声がベストマッチ!独特の間合いのラップや浮遊感のある歌唱を織り交ぜながらも、基調にあるスピリットはしっかり熱く真っ直ぐに届けていく。ドームいっぱいの“いい子のみんな”のハートを燃え上がらせるステージだった。
『アイドルマスター シャイニーカラーズ』より放課後クライマックスガールズは「学祭革命夜明け前」を披露。前曲からはヒーローを愛するアイドル繋がりであり、放クラといえば学校=スクールをバックボーンにしたアイドルである点も今回のライブコンセプトにぴったりだ。五色の元気を爆発させるようなパフォーマンスのなかに、時折凛世(丸岡和佳奈)の和のテイストがチェンジオブペースになる波状攻撃がこれぞ放クラを感じさせた。
Aqoursは「WATER BLUE NEW WORLD」を披露。
Liella!は「スター宣言」を歌唱。挑戦的かつ強気に夢に突き進んでいく潔さが気持ちの良い楽曲だ。青春のエネルギーとパワーが1つになったサビが爽快!高らかで誇り高い落ちサビに重なっていくクラップがエモーショナルだった。
ミリオンスターズは「ジャングル☆パーティー」を披露。流れを前向きにぶった切りながらも「元気」というテーマには120点の回答を出していくのがミリオンらしい。初見と思われる観衆にも「ウンババってなんだ!?」「ウホホ!?」と強いインパクトと共に巻き込んでいくだけの無軌道なパワーに満ち溢れた楽曲だ。歌唱力表現力に長けたメンバーであえて“楽しい”に振り切った楽曲を奏でる幸せな空間を作り上げていた。
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の「虹色Passions!」は田中ちえ美、関根 瞳、絵森 彩という越境トリオで披露。『シャニマス』もしばしば虹をモチーフにしているが故のコラボだろうか。せり上がりからゆっくり上がってくる前から、オリジナルな声質と歌唱で関根の参加がわかるのが面白い。コラボならではのキュートボイスのハーモニーがなんとも言えず魅力的だった。
蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブよりスリーズブーケの「Mix shake!!」は、楡井希実、今井麻夏、末柄里恵、降幡 愛という組み合わせで歌唱した。同曲はタオル曲で、全力でぶん回すなかにもかわいさと青春感がある。別作品別ブランドの楽曲に参加するからこそ、今井や降幡のキャラクター(アイドル)ボイスのまま歌唱するスキルのハイレベルさが際立って感じられた。
ここからは“かわいく歌合戦”のブロック。ミリオンスターズより伊藤美来、木戸衣吹、南 早紀、山口立花子は「Sweet Sweet Soul」を歌唱。アイドルならではのスーパーキュートなラップ曲だ。歌い出しの煽りを木戸が担当しているのがとても新鮮。このメンバーで“大人ってずるいよね”のフレーズをあえて莉緒役の山口が歌唱するのにいたずら心を感じる。
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会より相良茉優は「無敵級*ビリーバー」を披露。無敵のかすかすかわいい楽曲で、特徴的なデザインの衣装をひるがえしながらオリジナルなワールドを展開。MVの世界が現実になったようなレーザーの光芒の中でリズミカルに歌い踊る。最後ははにかんだような笑顔でキュートに締めた。
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会より前田佳織里は「オードリー」を披露。赤いコートをまとって、純白の傘を背負って歌い踊るコントラストが鮮やかだ。スクリーンのクラシカルな白黒映画風の映像も相まって、歌う姿にも物語の中の大女優感がある。傘をくるりと回し、畳んだあとの“女優”ならではの微笑みに惹きこまれるものがあった。
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会より指出毬亜は「哀温ノ詩」を歌唱。美しい赤い和の衣装で登場した指出は、扇子をふるいながら優美に舞い踊る。開いた紫金の扇子を自在に操りながら、通りのいいボーカルがしっとりとドームを満たしていった。
『アイドルマスター シャイニーカラーズ』よりイルミネーションスターズは「Happy Funny Lucky」を披露。3人で一緒にこの場で歌うことが幸せで仕方ない感じの笑顔が舞台で弾ける。個性の違う歌声が弾みあうなか、峯田茉優の「おおーっと」の歌声が本当にはみ出すくらいに元気で、内なるめぐるのテンションが伝わってくるようだ。間奏の楽しいシンクロダンスからエモーショナルな落ちサビの歌い継ぎにイルミネらしい多幸感が詰まっているようだった。
蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブよりスリーズブーケは「眩耀夜行」を披露。リリックビデオそのままの専用衣装で歌い踊った。歌声が溶け合い1つになったサビがエモーショナルで、透き通るように突き抜けていく感覚が心地良い。間奏の背中合わせから始まるダンスのキビキビとしたシンクロ感や、大サビの情感豊かな歌唱も素晴らしかった。
『アイドルマスター シンデレラガールズ』より第3芸能課は「Shine In The Sky☆」を歌唱した。DAY2のシンデレラメンバーはアニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ U149』出演者が多く、この曲のための顔ぶれと言ってもいいほど。久野美咲や黒沢ともよがこの場にいることがどれくらいスペシャルなことか伝わるだろうか。そして、『U149』でデビューした小森結梨にとっては、いきなり東京ドームという大舞台に飛び出すことになる。それぞれのソロフレーズが各アイドルの魅力に満ちていて、夢に向かって駆け出した子供たちの無尽蔵のエネルギーとキラキラがほとばしるような楽しいステージだった。
Liella!より5yncri5e!は「Dancing Raspberry」を披露。あまりにスタイリッシュかつダンサブルな立ち上がりにテーマの“かわいい歌合戦”について考えてしまった。5人のダンスのかっこよさに振り切った楽曲で、衣装が色違いで強調された手元がシンクロ感をより高めていた。バックショットから振り返ってのキメに至るまで、ニクいぐらいに完成度の高いパフォーマンスだった。
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会よりA・ZU・NAの楽曲「Happy Nyan! Days」には大西亜玖璃、中澤ミナ、伊藤美来が参加。“にゃにゃにゃにゃにゃにゃんー”の中毒性の高いイントロとともに、伊藤、大西、中澤が猫耳トレインで登場したビジュアルだけで勝利と言ってもいい組み合わせ。なかでもここぞで猫耳ウィンクを決める伊藤のハマりっぷりは当代一と言いたくなる。曲中に大西が伊藤に抱きつくと会場からは大歓声が上がっていた。
そして『アイドルマスター』サイドの猫曲といえば『アイドルマスター シャイニーカラーズ』放課後クライマックスガールズの「キャットスクワッド」だ。こちらは涼本あきほ、逢田梨香子、薮島朱音、佐々木琴子が猫耳姿で参加した。原曲とメンバーが違うと味わいもがらりと変わって、元気さよりもキュートさが前に出てくるのが面白い。ラストの繰り返しトラップも再現されていて、薮島と佐々木が疲れた智代子の表情感を頑張って演じていたのが微笑ましかった。
ハーフタイムは応援合戦と題して、原紗友里と矢野妃菜喜が登場。総出演者が88名であることや、作品の枠を越えたコラボ曲についての話題などで盛り上がった。そして、ライブ前1ヵ月にあたってアンバサダーとしてイベントの盛り上げを担ってきたにじさんじ所属のドーラとホロライブ所属のラプラス・ダークネスもここで登場。2人の作品愛語りや、異次元イラスト投稿フェスの各賞発表などで盛り上がっていた。
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後半戦はゲスト・スクールアイドルミュージカルのパフォーマンスからスタート。「きらりひらり舞う桜」ではクオリティの高いパフォーマンスの中で笑顔と個性が弾ける。集団演芸としてのクオリティが非常に高い。DAY1に続いての披露だが、いつの間にか“きらりきらひらりひら”の印象的なフレーズが耳の奥に残るくらい癖になる楽曲だ。続いては「ゆめの羅針盤」を披露。元気の良い円陣から物語のあるパフォーマンスを披露。動きのキレの良さの質が違う感じで、はてなく続く掛け合いにミュージカル感があった。
続くブロックのテーマは“かっこよく歌合戦”。Aqoursの「MY舞☆TONIGHT」には小市眞琴、丸岡和佳奈、花宮初奈が参加した。和のテイストの楽曲と言えば杜野凛世(丸岡)。小市は楽曲のダンサブルな熱さの激しい成分を担う感じだろうか。センター花宮の優美でありながら熱を秘めた表現と佇まいも楽曲に見事にハマっていた。
ミリオンスターズの燃え上がる和の楽曲「俠気乱舞」には南 早紀、小宮有紗、内田 秀、青山なぎさが参加。作品の枠を越えたパフォーマンスの応酬はこれぞ歌合戦という感じだ。小宮の和ドレスが抜群に絵になる。熱く燃え上がる表現にも涼やかな歌唱にも余裕をもって対応する青山の懐の深さも印象に残った。
『アイドルマスター シャイニーカラーズ』よりストレイライトは「Wandering Dream Chaser」を披露。『シャニマス』が外のフィールドに立つとき、数多く切り込み隊長を務めてきたストレイライトの原点と言うべき楽曲だ。そして原点であるからこそ、常に進化を続ける彼女たちの現在地が一番見える曲でもある。文字通りパフォーマンスでぶん殴るような圧倒的な表現がそこにあった。
蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブよりDOLLCHESTRAは「KNOT」を披露。こちらもハイクオリティなパフォーマンスで返礼するような楽曲だ。高いレベルのダンスとポーカルの応酬でありながら、ステージ上の2人と演じるスクールアイドルの関係性がビシビシと伝わってくるのがいい。佐々木琴子が「行くよ」と凛とした風情で語り掛け、野中ここなが「ドームぅぅぅ!!」と絞り出すような叫びを叩きつける瞬間は記憶に焼き付く印象度だった。
『アイドルマスター シャイニーカラーズ』よりコメティックは「無自覚アプリオリ」を歌唱した。ユニットとしてはわずか2ヵ月前に初ステージを踏んだ、最も新しいアイドルたちだ。人間の歌唱の限界に挑戦するような超高速で激しすぎる楽曲。デビューステージと比べると三川華月の表現がより大きく華やかになったように感じられたのだが、一回一回のステージで確実に進化していく体感は今だけの贅沢な体験だろう。川口莉奈のライブならではの気迫のノリや、小澤麗那の浮遊感溢れる歌唱も最高だった。
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会は12人バージョンの「Just Believe!!!」を披露。ポーズを取った12人がセンターステージに並び立つ姿が壮観で、動きやポーズの1つ1つが本当に絵になる。ステージ狭しとフリームーブを繰り広げるなかで個々の見せ場が次々と訪れるメリハリがいい。会場の熱狂の後押しを受けたドームクラスのパフォーマンスだった。
ミリオンスターズより愛美、香里有佐、駒形友梨、末柄里恵は「Raise the FLAG」を歌唱。火柱立ち上るなか、燃え上がるような楽曲の中で愛美の歌唱のケレン味が抜群に映える。香里の歌唱がパワフルに振り切っているのもとても新鮮だ。これだけの強すぎるチームを非オリメンで組めるのはミリオンの層の厚さと個々の力量を感じる。落ちサビの歌い継ぎや、ラストの魂のこもったシャウトが記憶に残った。
Liella!は「Day1」を披露。2台の大型トロッコに分乗してのパフォーマンスはオシャレでエモーショナル。とてもライブ映えする楽曲で、自然に織り込まれるラップに物語を感じる。トロッコで観客との距離が近いぶん、全力でのファンサービスがフレッシュで好感が持てる。今日この日がLiella!とのはじまりのDay1になった人も多かったに違いないと感じる時間だった。
『アイドルマスターシンデレラガールズ』の「ガールズ・イン・ザ・フロンティア」は大橋彩香、福原綾香、原紗友里、黒沢ともよ、春瀬なつみ、小森結梨、花谷麻妃が歌唱。new generations+U149選抜という感じだが、大橋、福原、原というコンテンツを10年以上支えてきた3人が真ん中に構える安心感と説得力は抜群だ。U149組はドームの遠景から見てもこのアイドルがここにいる!と伝わる躍動と表現の持ち主が多かった気がする。キーフレーズの“だから、拓け!!”は、決然とした意志を込めて福原が叫んだ。与えられた魔法ではなく自らの足で進んでいく意志と熱量を感じさせるパフォーマンスだった。
ラストブロックのテーマは“究極の歌合戦”。まずはミリオンスターズとAqoursが、『アイドルマスター シンデレラガールズ』の「さよならアンドロメダ」をカバーした。リリックムービー風の映像に“MILLIONSTARS × Aqours”の文字列が映し出されると大きなざわめきが歓声に変わる。スクリーンの星座の中に歌唱する1人1人の姿がモノクロで映し出される演出が洒脱だ。多人数歌唱の中でも個々の表現力の高さがダイレクトに伝わってくる。無数の光揺れる会場も夜空のようで、東京ドームが満天の星空のように見えた。
Liella!の「私のSymphony」はLiella!と『アイドルマスター シンデレラガールズ』チームが披露。シンデレラチームは大型の馬車に乗ってのパフォーマンスだ。コラボというよりは別々のステージを同時に繰り広げる感じなのだが、楽曲の良さがシンデレラチームにもぴったりとハマって見えるのが不思議だ。揃いのクラップパートが楽しく、ドームの気持ちが1つになった気がした。
蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブよりスリーズブーケの「フォーチュンムービー」には、楡井希実、花宮初奈、木戸衣吹、香里有佐、河野ひより、田中有紀、絵森 彩、坂倉 花が参加。各チームから2人ずつが揃いの衣装で参加のユニット感が良い。台詞の掛け合いが全員分用意されていて、河野に「ヒーローもいいけどヒロインもいいですよね!」と言わせたら勝ちな感じがある。花宮の「交わるはずのない8人、交わるはずのない皆さま」のフレーズにこのライブの特別さがこもっていた。間奏のサックスのかっこよさと、そこからの8人と会場の一体感が印象的で、本当に楽しそうでハッピーな空間だった。
『アイドルマスター シャイニーカラーズ』よりストレイライトの「Tracing Defender」には北原沙弥香、集貝はな、駒形友梨、斉藤朱夏、林 鼓子、岬 なこ、大熊和奏、野中ここなが参加。錚々たる顔ぶれの強いダンスボーカル陣をセンターで率いる北原の存在感が鮮烈だ。ボーカルだけでなくダンスでもバチバチにやりあっている印象で、林の大胆な蹴り越しに見上げる北原のキレキレのダンスというアングルはこの場この時限りだ。間奏のダンスパートや表情感も含めて、各コンテンツにこんなにすごい奴らがいる!と見せつけるかのようなステージだった。
ここでミリオンスターズよりD/Zealの「ハーモニクス」という切り札級楽曲には、愛美、福原綾香、川口莉奈、小宮有紗、伊達さゆり、月音こなという顔ぶれを持ってきた。青と赤に染め分けられたドームのステージに、6本のスタンドマイクが並ぶ。そこで繰り広げられるのは歌姫たちの競演だ。伊達や月音にはこんな引き出しもあったのかと驚かされたし、渋谷 凛(福原)とルカ(川口)が同じステージで火花を散らす光景はプロデューサーたちの想像力も超えていたことだろう。歌唱後のステージを、爆発的な歓声が包み込んでいた。
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の「繚乱!ビクトリーロード」には、鬼頭明里、小泉萌香、大橋彩香、原紗友里、末柄里恵、山口立花子、峯田茉優、幸村恵理、伊波杏樹、高槻かなこ、Liyuu、ペイトン尚未、佐々木琴子、菅 叶和が参加。全員が特服をモチーフにした衣装とブレードを揃える気合の入りようだ。そして虹ヶ咲を代表する自己紹介ソングの名曲を、この日限りのオリジナル歌詞で全て再構築!「繚乱!歌合戦!」のコールの元各メンバーが歌い出すのだが、切り込み隊長が伊波と大橋のダブルエースの時点で勝利は約束されたようなもの。そこまでやるか!という徹底した作りこみで、この曲だけでも見にきた甲斐があったと思わせる夢舞台だった。
Aqours黒澤ルビィの「コットンキャンディえいえいおー!」には、降幡 愛とともに佐藤亜美菜、黒沢ともよ、集貝はな、小市眞琴、今井麻夏、春瀬なつみ、久野美咲、小森結梨、中澤ミナ、花谷麻妃が参加。降幡の中毒性の高いオリジナルなワールドに、U149勢が全力で楽しみながら参加するステージだ。U149はサポートの立ち位置なのだが、小市の全力ダンスが明らかに目立っていたり、コミカルなダンスの中に個性が見えるのがリアルU149感がある。間奏では全員一緒に華やかなラインダンスを披露。怒涛の展開の末の大団円ではシュールなのに何故か感動的にさえ見えてくる不思議な空間がそこにあった。
ミリオンスターズの「Thank You!」は『アイドルマスター シャイニーカラーズ』と蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブがカバー。蓮ノ空チームは大型トロッコ上でのパフォーマンスだ。同曲は『アイドルマスター ミリオンライブ!』の原点の楽曲だが、異次元のアイドルたちが歌う姿が不思議なくらいぴったりくる。アイドル、そしてスクールアイドルたちの初期衝動や熱量には何か通底するものがあるのかもしれない。以前作詞のモモキエイジが「どの立場のアイドルが歌ってもいい楽曲」と語っていたのが思い出された。
『ラブライブ!』のレジェンド・µ’sの「Snow halation」は、『アイドルマスター シンデレラガールズ』、ミリオンスターズ、『アイドルマスター シャイニーカラーズ』のアイマスチームが揃ってカバー。イントロが流れた瞬間の会場の特別な温度には、時代の扉を開いた楽曲だけが持つすごみがある。爆発的な歓声の中の落ちサビは、大橋、南、関根が担当。会場一面の純白が閃光のオレンジに燃え上がるさまは、まさに伝説の中の光景だった。
この流れでくれば、返しのターンは『ラブライブ!』勢が歌うこの曲しかありえない。Aqours、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会、Liella!、蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブは、765PRO ALLSTARSの「M@STERPIECE」を歌唱した。クラップをしながらステージに駆け出す全スクールアイドルたちは壮観の光景だ。異次元のメンバーが歌っても本当に素晴らしいのは、楽曲が持つ普遍的なポテンシャルの高さを感じさせる。時代的なことで言えば、かつて「M@STERPIECE」に憧れたスクールアイドルたちが、そして「Snow halation」に焦がれたアイドルたちがこの場にもたくさんいたのは間違いないだろう。曲途中からは『アイドルマスター』勢も歌唱に参加。この場所にいる1人1人が、間違いなく傑作=M@STERPIECEだった。
ラストの挨拶では、各タイトルの代表4名から挨拶が行なわれた。トリの大橋彩香は「『ラブライブ!』が」「最高!」「『アイドルマスター』が」「最高!」「応援してくださるすべての皆さんが!」「最高!」のコールアンドレスポンスで締め括っていた。
この日50曲目、そして2日間の100曲目を飾るのは、もちろん本ライブのテーマ曲である「異次元★♥BIGBANG」だ。ドームの広大なステージを舞台に、フリームーブ多めの構成でたくさんの交流の光景が生まれた。「Wow wow」のシンガロングでは、伊波杏樹と大橋彩香が波状攻撃でドームを煽りまくる。とにかく伊波のセンターとしての存在感が圧倒的で、そこに並び立てるのは大橋しかいないと思える説得力だった。
最後は七十余人のアイドルたちが手を取り合って、想いを1つにしての「ありがとうございました!」でステージを締め括った。2日間に渡った異次元の夢の祭りは、満ち足りた幸せな空気の中幕を下ろしたのだった。
■異次元フェス アイドルマスター★♥ラブライブ!歌合戦 DAY2
2023.12.10.@東京ドーム
<セットリスト>
M01:Yes! Party Time!!(アイドルマスター シンデレラガールズ)
M02:On your mark(蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ)
M03:ビタミンSUMMER!(Liella!)
M04:シャイノグラフィ(アイドルマスター シャイニーカラーズ)
M05:Love U my friends(虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会)
M06:Rat A Tat!!!(アイドルマスター ミリオンライブ!)
M07:未来の僕らは知ってるよ(Aqours)
M08:流れ星キセキ(new generations<アイドルマスター シンデレラガールズ>)
M09:CHASE!(林鼓子<虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会>)
M10:めっちゃGoing!!(村上奈津実<虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会>)
M11:Toy Doll(内田秀<虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会>)
M12:ノンフィクションヒーローショー(みらくらぱーく!<蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ>)
M13:学祭革命夜明け前(放課後クライマックスガールズ<アイドルマスター シャイニーカラーズ>)
M14:WATER BLUE NEW WORLD(Aqours)
M15:スター宣言(Liella!)
M16:ジャングル☆パーティー(アイドルマスター ミリオンライブ!)
M17:虹色Passions!(虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会)(田中ちえ美、関根瞳、絵森彩)
M18:Mix shake!!(スリーズブーケ<蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ>)(楡井希実、今井麻夏、末柄里恵、降幡愛)
M19:Sweet Sweet Soul(アイドルマスター ミリオンライブ!)(伊藤美来、木戸衣吹、南早紀、山口立花子)
M20:無敵級*ビリーバー(相良茉優<虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会>)
M21:オードリー(前田佳織里<虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会>)
M22:哀温ノ詩(指出毬亜<虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会>)
M23:Happy Funny Lucky(イルミネーションスターズ<アイドルマスター シャイニーカラーズ>)
M24:眩耀夜行(スリーズブーケ<蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ>)
M25:Shine In The Sky☆(第3芸能課<アイドルマスター シンデレラガールズ>)
M26:Dancing Raspberry(5yncri5e!<Liella!>)
M27:Happy Nyan! Days(A・ZU・NA<虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会>)(大西亜玖璃、中澤ミナ、伊藤美来)
M28:キャットスクワッド(放課後クライマックスガールズ<アイドルマスター シャイニーカラーズ>)(涼本あきほ、逢田梨香子、薮島朱音、佐々木琴子)
-ハーフタイム(応援合戦)-(原紗友里、矢野妃菜喜)
M29:きらりひらり舞う桜(スクールアイドルミュージカル)
M30:ゆめの羅針盤(スクールアイドルミュージカル)
M31:MY舞☆TONIGHT(Aqours)(小市眞琴、丸岡和佳奈、花宮初奈)
M32:俠気乱舞(アイドルマスター ミリオンライブ!)(南早紀、小宮有紗、内田秀、青山なぎさ)
M33:Wandering Dream Chaser(ストレイライト<アイドルマスター シャイニーカラーズ>)
M34:KNOT(DOLLCHESTRA<蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ>)
M35:無自覚アプリオリ(コメティック<アイドルマスター シャイニーカラーズ>)
M36:Just Believe!!!(虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会)
M37:Raise the FLAG(サジタリアス<アイドルマスター ミリオンライブ!>)(愛美、香里有佐、駒形友梨、末柄里恵)
M38:Day1(Liella!)
M39:ガールズ・イン・ザ・フロンティア(大橋彩香、福原綾香、原紗友里、黒沢ともよ、春瀬なつみ、小森結梨、花谷麻妃)
M40:さよならアンドロメダ(アイドルマスター シンデレラガールズ)(アイドルマスター ミリオンライブ!、Aqours)
M41:私のSymphony(Liella!)(Liella!、アイドルマスター シンデレラガールズ)
M42:フォーチュンムービー(スリーズブーケ<蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ>)(楡井希実、花宮初奈、木戸衣吹、香里有佐、河野ひより、田中有紀、絵森彩、坂倉花)M43:Tracing Defender(ストレイライト<アイドルマスター シャイニーカラーズ>)( 北原沙弥香、集貝はな、駒形友梨、斉藤朱夏、林鼓子、岬なこ、大熊和奏、野中ここな)M44:ハーモニクス(D/Zeal<アイドルマスター ミリオンライブ!>)(愛美、福原綾香、川口莉奈、小宮有紗、伊達さゆり、月音こな)
M45:繚乱!ビクトリーロード(虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会)(鬼頭明里、小泉萌香、大橋彩香、原紗友里、末柄里恵、山口立花子、峯田茉優、幸村恵理、伊波杏樹、高槻かなこ、Liyuu、ペイトン尚未、佐々木琴子、菅叶和)
M46:コットンキャンディえいえいおー!(黒澤ルビィ<Aqours>)(降幡愛、佐藤亜美菜、黒沢ともよ、集貝はな、小市眞琴、今井麻夏、春瀬なつみ、久野美咲、小森結梨、中澤ミナ、花谷麻妃)
M47:Thank You!(765 MILLIONSTARS<アイドルマスター ミリオンライブ!>)(アイドルマスター シャイニーカラーズ、蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ)
M48:Snow halation(µ’s)(アイドルマスター シンデレラガールズ、アイドルマスター ミリオンライブ!、アイドルマスター シャイニーカラーズ)
M49:M@STERPIECE(765PRO ALLSTARS<アイドルマスター>)(Aqours、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会、Liella!、蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ)
M50:異次元★♥BIGBANG(ALL)
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©2017 プロジェクトラブライブ!サンシャイン!!
©2022 プロジェクトラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会
©2022 プロジェクトラブライブ!スーパースター!!
©プロジェクトラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ
関連リンク
『アイドルマスター』シリーズ公式サイト
https://idolmaster-official.jp/
『ラブライブ!』シリーズ公式サイト
https://www.lovelive-anime.jp/