昨年9月~今年3月まで放送され、人気を博したNHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』。ヒロインを演じた尾野真千子(31)は、とりたてて美人というわけではなく地味な顔立ちだが、女としての存在感を見せつける好演を見せ、次作のオファーがひきもきらないという。今夏には向井理主演の日曜劇場『サマーレスキュー』(TBS系)にも準主役として出演、12月公開予定の映画『大奥~永遠~右衛門佐・綱吉篇』でも将軍を支える重要な役どころを演じている。『カーネーション』で共演した芸人のほっしゃん。とのデート現場を二度にわたって写真週刊誌に撮られ、不倫疑惑がくすぶっているものの、彼女の勢いは衰えていないようだ。

 しかし今回ばかりは“無風”というワケにもいかないだろう。彼女はある特別ドラマでいったん主役の座についたにもかかわらず、撮影開始直前になって降板してしまったというのである。

 そのドラマは、2009年に亡くなった大原麗子(享年62)の生涯を描くとして、8月の彼女の命日に制作発表された『女優麗子 炎のように(仮)』(テレビ東京系)。芸能リポーターの前田忠明が著した『大原麗子・炎のように』(青志社)を基に、整形手術の失敗、妊娠中絶、二度の結婚生活と離婚についても赤裸々に描くとされ、作品を監修する実弟の大原政光氏は「激動の生涯をドラマ化することは、姉の遺言ともいえる希望でした」と意気込んでいた。この大原麗子役に尾野が決定しており、9月に撮影開始となるハズだったのだが……。

「容姿は全然似ていないのですが、激動の人生を力強く演じられる実力派の女優ということで、尾野さんにオファーしたところ、快諾していただけたそうなんです。ところが、他のキャスティングもほぼ決まり、撮影スケジュールも調整し終えた段階で、彼女側から降板を申し入れてきた。キャストを公式発表する直前のタイミングだったといいます」(芸能記者)

 この問題について発売中の「週刊文春」(文藝春秋)では、「尾野のダブルブッキングが原因だった」と伝えている。尾野は今月9日にオンエア予定の『金曜プレステージ 松本清張没後20年特別企画 疑惑』(フジテレビ系)にて常盤貴子(40)とダブル主演を務めているが、同ドラマの撮影時期と「大原麗子企画」の撮影スケジュールが丸かぶりしていた、というのである。両方からオファーを受けて承諾していたものの、結果的にスケジュールが重なってしまったために片方をドタキャンしたというわけだ。だが尾野の所属事務所は降板の理由をハッキリ説明しておらず、同誌では「テレ東の制作サイドは『誠意が見えない』と非常に怒っている」と民放関係者の声を伝えている。

 尾野といえば、前述のようにほっしゃん。との不倫問題が勃発した際にも、「事務所の管理がまったくなっていない」と業界内で批判が相次いだ。彼女の所属する「コムスシフト」は老舗芸能事務所だが、先代社長の没後から看板俳優の離脱が続き、現在はすっかり規模も縮小してしまっているという。

鈴木京香は個人事務所を設立して移籍、夏川結衣三浦友和佐藤浩市が所属するテアトル・ド・ポッシュに移りました。他社から“タレント引き抜き放題の事務所”と認識されているなんて声もあるくらいです。すでに尾野に対しても大手プロの引き抜き合戦が始まっているでしょうから、今回のドタキャン事件で事務所に不信感を抱いた尾野の電撃移籍が年明けにもあるかもしれませんね」(前同)

 大手プロに移籍し、不倫疑惑やドタキャン騒動でついたネガティブイメージを払拭することができるか。ここが尾野の正念場だ。

※イメージ画像:『連続ドラマW マグマDVD-BOX』ポニーキャニオン