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【PGC10/KPGC10ハコスカGT-Rディティール比較vol.3】ハコスカGT-Rは4ドアセダンで1度、ドアハードトップで1度のマイナーチェンジを受けており、都合4世代のモデルが存在することになる。HTはそれほど大きな変更はないが、4ドアのマイナーチェンジではフロントマスクなど見た目も大きく変わっている。
これら4世代の変遷を見ていこう

【画像37枚】ハコスカGT-Rは世代ごとにインテリアも変更されている

 70年10月、GT-Rは運動性能と空力性能を高めるためにハードトップボディに生まれ変わる。型式はKPGC10だ。セダンよりホイールベースは70㎜短く、車両重量も20kg軽い。リアにオーバーフェンダーを装着したこともあり、全幅は55㎜広がった。フロントグリルはメッシュの力強いデザインになり、リアもワンテールからブロック型の2分割タイプになる。フェンダーミラーは砲弾型から黒塗りのタルボ型に変わった。
GT-Rエンブレムも、セダンとは違うデザインだ。

 インテリアはセダンGT-Rと大きく変えられた。6個のメーターを深いナセルで覆い、それをドライバーに向けて並べている。スイッチ類も操作しやすいように形状を変えた。前席のバケットシートは、形状だけでなく表皮の模様も変わっている。後席の人の乗り降りのため、レバー操作で跳ね上がる方式に変えたことも目を引く。


 71年9月、リアコンビネーションランプの左下に「5SPEED」のエンブレムが加わり、トリムやシートの柄も変更している。シフトノブの5速の変速表示が「5」に変わり、安全意識を高めるためにスピードメーターには赤と黄色のラインが追加された。


インパネ・コンソール比較
 前期モデルはベースとなった2000GTに準じている。インパネやセンターコンソールも同様のデザインだ。ソフトパッドで覆ったダッシュボードを採用し、メーターまわりから助手席側にウッド調のパネルを張っている。また、コンソールもウッド調と、ヨーロッパのGTカーを思わせる。
後期モデルはウッドリムのステアリングがブラックの本革巻きとなり、コンソールのシガーライターやウオッシャースイッチなどは絵文字表示になった。ハードトップGT-Rはブラック基調のスパルタンなインテリアになり、メーターのレイアウトも変えられている。ウッド調パネルも残されているが、面積は大幅に減った。

>>PGC10 4ドア前期

>>PGC10 4ドア後期

>>KPGC10 2ドアハードトップ

シート比較
 シートは前席にバケットタイプのホールド性に優れたシートを採用する。運転席だけにヘッドレストと3点式シートベルトが装備され、助手席はオプション扱いだ。バケットシートはスライド機構はあるが、リクライニング機能はない。
ハードトップGT-Rは、後席に乗り込む人のために前倒れするように改良を加えている。

>>PGC10 4ドア前期・後期

>>KPGC10 2ドアハードトップ

メーターパネル
 4ドアGT-RとハードトップGT-Rではデザインがまったく違う。セダンはタコメーターとスピードメーターの間に水温計と油圧計を組み込んでいたが、ハードトップGT-Rはフライトスコープと呼ぶ、深いコーンの中に埋め込んだ6眼式メーターを採用した。この時期から、メーターの視認性も考慮するようになったのである。

>>PGC10 4ドア前期・後期

KPGC10 2ドアハードトップ

ハードトップ以外の追加要素
 スカイラインGT-Rに共通するのはドアの前に付けられたスカイラインのアルファベット文字と栄光のGTバッジだ。S54-Bから続く赤バッジで、硬派モデルとひと目で分かる。
メーターなどのレイアウトを一新したハードトップはシートの形状だけでなく表皮の模様を微妙に変えた。また、リアピラーにベンチレーションのカバーが付き、リアエンドにスポイラーも追加できるようになっている。71年9月に登場した最終モデルでは「5SPEED」のエンブレムがつき、トリムやシートの柄も変わった。シフトノブの変速表示も「OD」から「5」になっている。スピードメーターにイエローとレッドの縁取りが加わったのも変更点のひとつだ。車台ナンバーは4ケタ表示に変更された。


>>前期・後期共通

>>後期で追加

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