きょうは「こどもの日」。子どもの人格を重んじ、幸福をはかる日だ。
子どもたちの健やかな成長を家族だけでなく、地域や社会で見守り、支えていきたい。
 デジタル技術の進展で、社会は大きく変化している。スマートフォンは利便性が高く今や子どもたちの生活に欠かせないものになりつつある。その一方で、ゲームや動画に夢中になり、四六時中、手放せない子どもも少なくない。睡眠障害や不安・抑うつ傾向を引き起こすとされる「スマホ依存症」は大きな問題だ。
 子どもによる交流サイト(SNS)の利用規制は、諸外国で広がっている。
 こども家庭庁の2025年の調査によると、平日のインターネットの利用時間は、小学生(10歳以上)は3時間54分、中学生は5時間24分、高校生は6時間44分にも及ぶ。いずれも過去最長だった。目的別では「趣味・娯楽」が最長で、「勉強・学習・知育」「保護者や友人らとのコミュニケーション」と続く。
 スマホの使い過ぎは、子どもだけの問題ではない。子どもは親を見ている。家族でスマホの使い方を話し合い、大型連休の1日だけでも「脱スマホ」の時間をつくってみてはどうか。

 キャンプなどで植物や生き物を間近で見ること、五感を刺激して自然を感じる体験は成長にもつながる。
 特別な場所でなくてもいい。公園や近所の散策など子どもたちが、のびのびと活動できる機会を増やしてほしい。
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 日本の子どもは身体的には健康だが「精神的健康度」は低い。国連児童基金(ユニセフ)が、25年公表した先進・新興国43カ国に住む子どもの「幸福度」調査結果は「身体的な健康度」は前回20年に続いて1位だったのに対し「精神的健康度」は32位(前回は37位)だった。
 若者の自殺率が4番目に高いのは深刻で、「学校で友だちをつくるのは簡単」と答えた割合は30位と低いことも課題だ。
 ユニセフは「両極端な結果が混在する『パラドックス』の国」と指摘する。浮かび上がるのは、人間関係が築けず、学校や地域で孤立しがちな子どもの姿である。
 SNS依存が深まりネットを介した性的搾取や過剰なやせ願望、思春期の早期化などで特に20歳未満の女子に心の健康悪化が起きやすい傾向があるという。自殺者急増の背景とされる。
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 沖縄弁護士会は昨年12月「子どもの権利条約」に基づき子どもの声を大切にする社会の実現を目指すことを宣言した。不適切な部活指導で生徒が自死した問題や不合理な校則などを念頭に、子どもに「意見表明権」を行使するよう促し「つらいことがあったら一人でかかえこまず、まわりの大人に相談して」と呼びかけた。

 どんな場所や環境に生まれ育っても夢や希望が持てる。対等な存在として子どもの意見を大人や社会が受け止め、子どもの無限の可能性を伸ばしていく。
 子どもたちと一緒に社会をつくるという気持ちを、きょうは新たにしたい。
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